業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当社グループは、国内では主に大型設備の梱包機能を備えた千葉県印西市及び大阪府茨木市の基幹拠点をはじめ、定温保管機能を備えた富山県高岡市及び物流機能を充実させた埼玉県寄居町及び群馬県太田市に新拠点を開設、保管能力の増強として岐阜県可児市、新潟県新潟市、愛知県瀬戸市及び海外ではタイ国で倉庫を増設するなど、積極的な設備投資や営業活動を行ってきました。

また、空白エリアの補完及び新たな事業獲得を目的に福岡県北九州市を本拠地とする株式会社安川トランスポートの株式を取得し当社グループ傘下におさめました。

この結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は、業務量の回復などにより1,981億59百万円(前期比8.6%増)となりました。営業利益は、増収効果や業務の効率化などにより195億12百万円(前期比7.3%増)となりました。経常利益は、営業利益の増加に伴い215億84百万円(前期比4.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、147億41百万円(前期比1.4%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

運送事業

貨物取扱量の回復などにより、売上高は903億38百万円(前期比6.8%増)となりました。営業利益は、燃料価格の高騰を受け44億98百万円(前期比4.0%減)となりました。

 

倉庫事業

国内外で継続的に行ってきた倉庫の新増設の効果等により保管貨物量が増加し、売上高は346億円(前期比7.8%増)となりました。営業利益は、増収効果などにより80億50百万円(前期比6.6%増)となりました。

 

梱包事業

業務量の回復などにより、売上高は443億63百万円(前期比10.5%増)となりました。営業利益は、人件費や外注費等の増加などにより23億54百万円(前期比0.5%減)となりました。

 

テスト事業

業務量の回復などにより、売上高は218億63百万円(前期比6.8%増)となりました。営業利益は、増収効果や業務の効率化などにより37億39百万円(前期比33.1%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は291億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億8百万円減少しました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は289億85百万円となり、前連結会計年度に比べ57億55百万円増加しました。これは主に、増加要因としてリース資産の買取りに伴い固定資産除却損が31億96百万円、仕入債務の増減額によるキャッシュ・フローが25億84百万円、その他の負債の増減額によるキャッシュ・フローが19億53百万円、減価償却費が6億7百万円それぞれ増加し、減少要因としてリース資産解約益が32億85百万円発生したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は315億67百万円となり、前連結会計年度に比べ61億64百万円増加しました。これは主に、増加要因として有形固定資産の取得による支出が62億55百万円増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果増加した資金は7億59百万円となり、前連結会計年度に比べ7億13百万円減少しました。これは主に自己株式の取得による支出が5億73百万円増加したことによるものです。

 

③販売の実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

前年同期比(%)

運送事業

90,338

45.6

6.8

倉庫事業

34,600

17.5

7.8

梱包事業

44,363

22.4

10.5

テスト事業

21,863

11.0

6.8

その他事業

6,993

3.5

31.9

合計

198,159

100.0

8.6

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

本田技研工業㈱

29,055

15.9

29,159

14.7

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

a.財政状態

(資産の部)

当連結会計年度末における流動資産は746億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億13百万円増加しました。これは主に受取手形及び売掛金が17億29百万円増加した一方、現金及び預金が11億72百万円、有価証券が4億94百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定資産は2,648億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ172億22百万円増加しました。これは主に、群馬県太田市、埼玉県寄居町、埼玉県朝霞市、千葉県印西市、新潟県新潟市、富山県高岡市、岐阜県可児市、愛知県瀬戸市、大阪府茨木市及びタイ国に倉庫を取得、愛知県東海市、群馬県邑楽町及び茨城県古河市に事業所用地を取得、埼玉県和光市に収益不動産を取得したことなどにより有形固定資産が184億円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は3,394億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ173億36百万円増加しました。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における流動負債は443億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億1百万円減少しました。これは主に営業外電子記録債務が25億41百万円、返済に伴い短期借入金が20億20百万円それぞれ減少した一方、支払手形及び買掛金が17億37百万円、電子記録債務が6億79百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は760億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ84億93百万円増加しました。これは主に設備資金を社債により100億円調達した一方、返済に伴い長期借入金が18億23百万円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は1,204億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ65億91百万円増加しました。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産は2,190億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ107億44百万円増加しました。これは主に利益剰余金が102億9百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は64.4%(前連結会計年度末は64.5%)となりました。

 

b.経営成績

(売上高)

当連結会計年度における売上高は1,981億59百万円(前期比8.6%増)となりました。新型コロナウイルス感染症や半導体不足などのサプライチェーンの混乱の影響はあったものの、当社グループの主要顧客である自動車関連をはじめとして各業種において貨物取扱量及び業務量が回復しました。セグメント別の売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は195億12百万円(前期比7.3%増)となりました。燃料価格高騰などのコスト増加要因はありましたが、増収効果や業務の効率化などにより増益となりました。セグメント別の営業利益につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は23億92百万円(前期比14.0%減)となりました。これは主に円安の進行に伴い外貨建て資産に生じる為替差益が3億67百万円増加した一方、前連結会計年度において発生した土地収用及び倉庫契約見直しなどに伴う受取補償金が7億63百万円減少したことによるものであります。

この結果、経常利益は215億84百万円(前期比4.9%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は34億21百万円となり、前期に比べ24億65百万円増加しました。これは主に千葉県印西市のリース資産として貸借中の倉庫を買い取ったことに伴い、リース資産解約益が32億85百万円発生した一方、投資有価証券売却益が3億69百万円、固定資産売却益が3億2百万円それぞれ減少したことによるものであります。特別損失は33億68百万円となり、前連結会計年度に比べ32億37百万円増加しました。これは主にリース資産買い取りに伴い、固定資産除却損が32億62百万円増加したことによります。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は147億41百万円(前期比1.4%増)となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

d.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの事業活動における資金需要としては、事業を行うための費用や一般管理費などの営業費用としての運転資金と主に倉庫、作業所及び事業用車両等の固定資産購入のための設備資金があります。

当社グループでは、運転資金につきましては内部資金のほか必要に応じてコマーシャルペーパーや金融機関からの借入金で賄い、設備資金につきましては内部資金のほか必要に応じて固定金利の普通社債及び金融機関からの借入金で賄うことを基本としております。当連結会計年度末における普通社債の残高は500億円、借入金の残高は150億33百万円であります。

 

e.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2020年4月1日から3か年の中期経営計画「第12次中期経営計画(Challenge12)」をスタートさせ、最終年度である2023年3月期の目標として売上高2,300億円、営業利益230億円、営業利益率10.0%、自己資本当期純利益率(ROE)8.0%を掲げております。

その2年目である当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症影響の長期化やサプライチェーンの混乱、燃料価格の高騰などの影響を受け、売上高は1,981億59百万円(計画比92.2%)、営業利益は195億12百万円(計画比90.8%)となり中期経営計画2年目の目標には至りませんでした。

 

 

②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果とは異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

a.減損会計における将来キャッシュ・フロー

「第5 経理の状況 1連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

b.退職給付債務の算定

当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があります。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。

退職給付債務及び退職給付費用の算定において、主要な仮定の変化が当連結会計年度末の退職給付債務及び退職給付費用に与える感応度は以下のとおりであります。マイナス(△)は退職給付債務の減少を、プラスは退職給付債務の増加を表しております。感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としております。

当連結会計年度末(2022年3月31日)

 

数理計算上の仮定の変化

退職給付債務に与える影響(百万円)

割引率

0.5%の上昇

△921

0.5%の低下

996

 

数理計算上の仮定の変化

退職給付費用に与える影響(百万円)

期待運用収益率

0.5%の上昇

△53

0.5%の低下

53

なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。

 

 

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