課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

① 当社グループの目指す姿

『グローバルに変化する食品物流を担う低温を核とする総合物流情報企業の実現』

a.自らが保有する施設・車両による自社オペレーションに裏付けされた物流品質と、低温食品物流のパイオニアとして培ってきた経験を活かし、「新しい」物流システムを創造することで事業規模の拡大や新たな事業領域へ進出し、低温食品物流業界におけるリーディングカンパニーたる地位を確保する。

b. 物流に関連する付加価値の実現と物流品質の更なる強化により、企業価値の向上を図り飛躍し続ける物流企業となる。

c.従業員が将来に希望を持ち、生き生きと仕事に取り組める物流企業となる。

d. 企業の社会的責任を果たし、あらゆるステークホルダーに支持される物流企業となる。

 

上記の目指す姿を達成するため、当社グループは第三次中期経営計画(2022年4月1日から2025年3月31日まで)を策定いたしました。

 

② 第三次中期経営計画の基本方針

『新たなコールドチェーンのニーズをつなぐ、持続可能な低温物流の実現』

 新型コロナウイルス感染拡大や急激な気候変動をはじめすべての地域社会・企業・人が様々な困難に直面する時代のなか、『安心・安全な食のロジスティクス』を担う当社にとって、従来のチャネルと異なる食品をはじめとした低温管理商品の新たな供給ニーズと消費ニーズをつなげるコールドチェーンを展開・拡充することで収益体質の強化につなげていく。新たな事業領域への挑戦もふまえた利益体質の強靭化と、変化が加速する自然環境への対策を含めたあらゆるステークホルダーにとっての課題に向き合い真摯に寄り添うことで、未来に責任を果たす持続可能な低温物流事業を構築し企業価値を向上させていく。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、業容の拡大を前提に安定した収益基盤の実現と経営効率の向上を推進するため、第三次中期経営計画において、ROE(自己資本当期純利益率)・自己資本比率・配当性向の数値を経営指標の目標として設定しており、その数値はそれぞれ以下のとおりであります。

 

 

2023年3月期~2025年3月期までの3年間

目標

ROE(自己資本当期純利益率)

8.0%以上

自己資本比率

45%程度

配当性向

20%以上

 

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

① 持続可能な物流事業の構築

・ 食のライフラインを守り、豊かな社会づくりに貢献する物流業務を推進する。

脱炭素社会の実現に向けた地球環境にやさしい物流基盤を構築する。

多様性を重視し、すべての従業員にとって働きやすい・働きがいのある職場環境をつくる。

② 戦略的な財務構成による企業価値の向上

・ 資本と負債のバランス最適化などを能動的に実行し、ROE8%以上を維持・継続させる経営を行う。

・ 資本効率を向上させるため、適切な資金配分を行うと同時に資本コストを意識した投資を行う。

株主還元や株主との対話をより充実させることで株式価値の向上を図る。

③ 共同配送事業を軸とした既存事業の機能強化と収益基盤強化

・ ネットワークの再編や新たな機能の開発によって共同配送事業の利益体質の強靭化を推進する。

・ 「荷主・顧客」または「温度帯」といった従来の事業会社別のビジネスモデルの枠組みを超えた、新たな共同配送事業を構築し、事業機会を獲得する。

顧客・市場のニーズに対応した既存事業モデルの再編・強化を遂行する。

 

④ 成長分野への投資促進

・ EC(電子商取引) 関連物流への進出をはじめとした、成長する市場への経営資源の投入を推進する。

・ 温度管理技術を活用した新たな事業領域の拡大を図る。

海外事業は、カントリーリスクへの感度を高めながら安定的な成長が期待できる案件への投資を行う。

 

(4)会社の対処すべき課題

現在、世界的に環境問題・社会問題が顕在化し、サステナビリティ(持続可能性)への問題意識が急速に高まってきております。企業が持続的に事業活動を行うためには、企業自身の基盤である環境・社会の持続可能性を実現する必要があり、本業を通じて様々な課題の解決に貢献することが求められております。

当社グループが主軸をおく低温食品物流業界は、ライフスタイルの変化を背景に冷凍・冷蔵食品の需要は安定的な成長を維持する状況が継続しているものの、コロナ禍による食シーンの変化による影響を受け貨物需要は目まぐるしく変化しております。コスト面においては、デジタル化をはじめとした様々な効率化の仕組みの導入による省力化・省コスト化を進める一方で、建築価格や燃料価格の高止まり、人件費の上昇が続くなど取り巻く環境は一層の厳しさを増している状況にあります。

このような経営環境の中、当社グループは2022年4月より「第三次中期経営計画」を開始いたしました。当社グループが目指す『グローバルに変化する食品物流を担う低温を核とする総合物流情報企業の実現』に向けて新たな基本方針を定め、基本戦略に沿った具体的な取り組みを進めてまいります。

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

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