業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和される中で、持ち直しの動きが見られます。先行きについては、感染症対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かう中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されますが、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスクに十分注意する必要があります。また、感染症による影響を注視する必要があります。

テレビ広告市況は多くの業種で景況が回復しており、スポット広告費の関東地区投下量は前年同期比119.0%と改善しました。

このような状況の下、当連結会計年度における当社グループの連結売上高は、タイム・スポットの大幅な増収などにより、3,582億6千9百万円(前年比10.0%増)となりました。

売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、東京オリンピック・パラリンピックなどの番組制作費や代理店手数料の増加などにより、3,379億2千3百万円(前年比7.3%増)となりました。

この結果、営業利益は203億4千6百万円(前年比87.7%増)となりました。また、経常利益は受取配当金の増加などにより307億7百万円(同59.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益に投資有価証券売却益が計上されたことなどにより320億8百万円(同14.0%増)となりました。

 

◇メディア・コンテンツ事業セグメント

メディア・コンテンツ事業セグメントの当連結会計年度の売上高は2,814億1千4百万円(前年比10.9%増)、営業利益は、109億3千3百万円(同279.5%増)となりました。

㈱TBSテレビのテレビ部門の当連結会計年度の売上高につきましては、244億6千9百万円増収の1,926億1千6百万円(前年比14.6%増)となりました。このうち、タイム収入が818億3千1百万円(同4.3%増)、スポット収入が845億5千9百万円(同21.0%増)、国内番販や無料動画配信での広告収入を含むコンテンツ収入が209億8千1百万円(同32.2%増)となりました。タイム収入については「東京オリンピック・パラリンピック」などの大型単発や年末年始セールス、「SDGsキャンペーン~地球を笑顔にするWEEK~」などが牽引役となり、増収となりました。スポット収入は、広告主による関東地区投下量の前年同期比19.0%増が大きく貢献し、大幅な増収となりました。5局シェアは20.1%と前年同期比0.4ポイント増、特に第4四半期は0.7ポイントアップと年度末に向け実績を伸ばしました。コンテンツ収入は、前年同期の巣ごもり需要による国内番販の活況からの反動減があったものの、ドラマを中心とした無料・有料動画配信の好調によって大幅な増収となりました。

㈱TBSテレビの事業部門の当連結会計年度の売上高につきましては、33億7千8百万円増収の218億2千万円(前年比18.3%増)となりました。

興行では、「スタンディングオベーション」や「スターズ・オン・アイス ジャパンツアー2021」、「舞台『刀剣乱舞』无伝 夕紅の士-大坂夏の陣-」などが上演され、催事では「ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」の好調より増収となりました。映画事業では「99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE」のヒットにより増収となり、アニメは「五等分の花嫁」や「プラチナエンド」の海外番販収入により増収となりました。海外事業は、「SASUKE」などのフォーマット販売が復調傾向だったものの、減収となりました。メディア事業は、CS事業がアロケーションの向上などにより好調でしたが、有料配信事業のテレビ部門への移管により、減収となりました。マーチャンダイジングセンターは、前年同期の巣ごもり需要の反動減で減収となりました。

㈱TBSラジオの当連結会計年度の売上高につきましては、タイムセールスが堅調に推移し、2億5千万円増収の87億4千3百万円(前年比3.0%増)となりました。

㈱BS-TBSのタイムセールスはレギュラーの脱落をオリンピックやバレーボールなどの単発セールスで補い増収となりました。また、スポットセールス、ショッピングは通販スポンサーに支えられ大幅増となり、10億4千9百万円増収の164億2千4百万円(前年比6.8%増)となりました。

㈱TBSグロウディアは、ショッピング部門の巣ごもり需要の反動減や、前年のDVDヒットからの反動減により、49億1千7百万円減収の275億3千9百万円(前年比15.1%減)となりました。

㈱日音は、洋楽収入が落ち込んだことにより、16億5千1百万円減収の83億8千4百万円(前年比16.5%減)となりました。

 

TCエンタテインメント㈱は、前年のDVDヒットからの反動減により、1億7千8百万円減収の81億8千2百万円(前年比2.1%減)となりました

費用面においては、レギュラー番組の制作やスポーツ単発の復活による制作費の増加に加え、㈱TBSテレビの事業部門も催事・興行の再開などにより費用が増加しました。また、㈱TBSテレビのテレビ部門収入の増加にともない、広告代理店手数料も増加しました。

以上の結果、同セグメントにおける営業利益は80億5千2百万円増益となる109億3千3百万円(前年比279.5%増)となりました。

 

◇ライフスタイル事業セグメント

ライフスタイル事業セグメントの当連結会計年度の売上高は、610億2千3百万円(前年比9.0%増)、営業利益は23億6千2百万円(同740.5%増)となりました。

スタイリングライフグループでは、中核の雑貨小売販売事業の「プラザスタイルカンパニー」は、緊急事態宣言の発出による店舗休業や時短営業を強いられたものの、10月には宣言が解除され客数が増加したことや、シーズンギフトの好調で増収増益となりました。

通信販売事業の㈱ライトアップショッピングクラブは、巣ごもり需要拡大基調の中、顧客数及び顧客単価を伸ばし増収増益となりました。

ビューティ&ウェルネス事業は、化粧品の開発・製造・販売を行っている「BCLカンパニー」では、海外事業は苦戦するものの、国内事業は緊急事態宣言解除後よりセルフ・直営店共に復調傾向にあり徐々に実績を上げたこと、また㈱CPコスメティクスにおいてもホームケアセット及びサプリメントが堅調を維持したことで、全体で増収増益となりました。

 

◇不動産・その他事業セグメント

不動産・その他事業セグメントの当連結会計年度の売上高は158億3千1百万円(前年比0.6%減)、営業利益70億6千2百万円(同8.0%減)となりました。

収入面は減収ながら堅調に推移し、費用面で修繕費が増加したことにより減益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は987億7百万円で、前連結会計年度末に比べて173億5千4百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、28億5千3百万円の支出になりました(前年同期は227億1千3百万円の収入)。主な増額要因は、税金等調整前当期純利益477億9千6百万円、減価償却費133億4千8百万円、利息及び配当金の受取額111億8千1百万円など、一方、主な減額要因は、投資有価証券売却損益188億1千8百万円、法人税等の支払額307億9千7百万円などであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、81億5千4百万円の支出となりました(前年同期は86億1千8百万円の支出)。主な内訳は、投資有価証券の売却による収入202億7千7百万円、有形固定資産の取得による支出258億8千4百万円、関係会社株式の取得による支出6億3千9百万円などであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、81億6千4百万円の支出となりました(前年同期は168億9千8百万円の収入)。主な内訳は、長期借入金の返済による支出16億円、自己株式取得による支出9億8百万円、配当金の支払額51億2千5百万円などであります。

 

③ 販売の実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

メディア・コンテンツ事業

281,414

10.9

ライフスタイル事業

61,023

9.0

不動産・その他事業

15,831

△0.6

合計

358,269

10.0

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 相手先

 前連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱電通

86,236

26.5

100,898

28.1

㈱博報堂DYメディアパートナーズ

46,055

14.1

48,637

13.6

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高及び営業利益

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」にて記載したとおりです。

 

b.経常利益

営業外収益は117億1千5百万円で、22億8千4百万円の増加となりました。受取配当金が23億1千3百万円増加したことが主な要因です。営業外費用は13億5千4百万円で3億1千5百万円の増加となりました。投資事業組合運用損3億1千5百万円を計上したことが主な要因です。

この結果、当連結会計年度における経常利益は307億7百万円で、114億7千4百万円、59.7%の増益となりました。

 

c.親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は189億2千3百万円で、118億4千2百万円の減少となりました。投資有価証券売却益188億1千8百万円などを計上しました。

特別損失は18億3千4百万円で、39億8千8百万円の減少となりました。事業構造改善費用11億7千6百万円などを計上しました。

この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は320億8百万円で、39億3千5百万円、14.0%の増益となりました。

 

② 財政状態に関する分析

当連結会計年度末における資産合計は1兆2,016億3千2百万円で、前連結会計年度末に比べて1,014億8百万円の増加となりました。現金及び預金が法人税等の支払い、配当金の支払いや有形固定資産の取得等により173億5千4百万円減少した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が前期末の受取手形及び売掛金と比べ236億8千万円増加、保有する株式の含み益の増加等により投資有価証券が805億1千1百万円の増加したことなどによります。

負債合計は3,186億2千9百万円で、前連結会計年度末に比べて132億9千1百万円の増加となりました。未払法人税等が117億5千9百万円減少した一方、未払金が12億3千8百万円増加、保有する株式の時価の上昇に伴い繰延税金負債が253億3千5百万円の増加したことなどによります。

純資産合計は8,830億2百万円で、前連結会計年度末に比べて881億1千7百万円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上や配当金の支払いにより、利益剰余金が差し引き290億9千5百万円増加, その他有価証券評価差額金が578億7千5百万円増加したことなどによります。

この結果、自己資本比率は72.3%、1株当たりの純資産は5,087円12銭となっております。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは前年を255億6千6百万円下回りました。投資有価証券の売却による収入202億7千7百万円などを計上した一方、有形固定資産の取得による支出258億8千4百万円を計上したことなどにより、手元資金は173億5千4百万円減少しました。短期的な設備投資や戦略的投資は、現在のところ手元資金と通年の営業キャッシュ・フローで賄える見込みです。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。なお、この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 

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