課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。なお、当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。

 

(1) 会社の経営の基本方針

「社会を構成するメンバーとして、尊敬され、関係する様々な方々の期待に応える企業」

 それが我々の求めるラックランドグループの姿です。

 我々は日々、様々な方々と関係を持ち、相互の協力の下、活動をしています。そして、その様々な方々からの期待を担っています。我々にとって期待に応える相手とは、お客様、協力会社、地域社会、株主の皆様、そして社員等、我々と関係するすべての方々(ステークホルダー)に他なりません。その期待に対し、誠実に応えていくことが我々の望む姿です。

「商空間創りを通じ、皆の笑顔を創りだす」

 我々は商空間の企画・制作・保守メンテナンス等を通じ、様々な人々の期待に応え、笑顔を創りだしていきます。この笑顔とは、「お客様の笑顔」、「お店で働かれている方の笑顔」、「お店に集う方の笑顔」、「地球(すべての人)の笑顔」など様々です。企業として存続していくためには単なる「モノ作り」でなく、社会において様々な「笑顔になれるコト」を創りだしていかなければなりません。このことこそが、我々が自らの仕事をサービス業と考える原点です。

 そして、時代のニーズは新たな技術とともに変化していきます。我々は安定した収益基盤を確立しながら、従来の枠組みに捉われず、時代の変化に柔軟に対応し、成長し続けられる企業でありたいと考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、2016年よりスタートいたしました第2次10年計画「世界でも期待される企業に成る」の下、最初の3ヵ年は「開拓してきた幅広いマーケットの深掘りと利益基盤の構築」を課題として邁進してまいりました。続く2019年から2021年までの3ヵ年は、これまでの課題にも引き続き向き合いつつ、「時代が求めている企業へ化ける」をメインスローガンとし、新たなステージを目指してまいりました。当社グループが経営指標として重視しておりますのは、売上高営業利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)であり、これら経営指標の向上に継続して取り組んでまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 2015年までの第1次10年計画は「未来へ進むための基盤作り」であり、その一環として2015年10月には東京証券取引所 市場第一部への指定替えを達成することができました。2016年からの第2次10年計画は「世界でも期待される企業」への進化を遂げ、遅くとも2025年までには売上高 500億円(国内 450億円、海外 50億円)、営業利益率6%を実現できるよう、グループ一丸となって邁進してまいります。

 国内においては、当社がこれまで弱かった分野や技術の補強、及び未進出地域への営業網の拡大を目的として、積極的にM&Aを行っております。各専門分野を持つグループ会社がそれぞれの強みを活かして協業することにより、対応できる業務範囲が広がるとともに、新たな事業の創出も可能となり、また制作コストの削減を図ることもできるなど、様々なグループ会社間シナジーが生まれております。今後、グループ会社間の連携を深め、グループ会社間シナジーをさらに発揮することで、我々の目標に着実に近づけると考えております。

 加えて、当社グループの成長には、日本より経済成長率が高く、日系企業の進出が盛んな東南アジア圏における海外事業の拡大が必須です。2013年1月のシンガポールを皮切りに、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、台湾と、現在までに7ヶ国で現地法人を設立し、各国での施工実績も増えてまいりました。2017年7月からは株式会社プロネクサス様との業務連携による、飲食・小売業界向けのアジア進出支援サービス「スグデル」の提供も開始しました。引き続き、アジア進出を目指す日系企業のお客様のご要望に迅速かつ真摯に応えられるよう、各国において現地に根付いた営業網を拡充し、信頼と実績に基づいた当社グループのブランドを確立します。

 

(4) 優先的に対処すべき業務上及び財務上の課題

 当社グループは、2016年から第2次10年計画「世界でも期待される企業に成る」の下、2016年から2018年の3ヵ年の中期経営計画は「進:利益基盤の構築」を目標に、即戦力となる人材(人財)を確保すると同時に、就業人口の減少に備え、将来の戦力となる人材(人財)育成を行い、幅広いマーケットの開拓と深掘りを進め、次なる領域へステップアップするための足場固めをしてまいりました。

 2019年から2021年の3ヵ年は、社会の生活スタイルの変化、従業員ニーズも含め、環境・技術に適応できる企業へ変わっていかなければならないと考え、「化:時代が求めている企業へ化ける」を目標として、当社グループがこれまで時間をかけて作り出してきた企業群、他に見ないこのユニークなスタイルで、幅広いマーケットに対応できるよう、国内外の各グループ会社において事業分野の間口・販路を広げ、グループ会社間でシナジーを創出してまいりました。加えて、「思いやりとおもてなしの心を持ってお客様に向き合う」ために、IT・RPA等の新しいDigital(デジタル)技術を積極的に導入して、DX(デジタルトランスフォーメーション)の基盤を作り、本業に革新を起こすとともに、あらゆる面でロスを削減して生産性を上げ、社員がやりがいを持って力を十分に発揮できるよう、業務量の適正化を進めてまいりました。

 2020年以降は新型コロナウイルス感染症という想定外の全世界的な非常事態が起こり、当社グループとしても可能な限りの対策は講じたものの、誠に遺憾ながら当初の計画どおりに進まない面もありましたが、ここで経験したことを次に活かしていくことが重要であると考えております。

 今、世界は産業革命以来の大いなる過渡期にあり、AI(人工知能)に代表されるDigital技術の飛躍的な発展により、これまでの常識や社会全体に劇的な変化が起きております。すなわち「時間の概念」「モノづくり」及び「ライフスタイル」のすべてが変わり、ビジネスにおいてもDigital技術を積極的に利用していくかどうかで、今後数年のうちに企業間格差がますます広がっていくと考えられることから、当社グループも DX 化をさらに推進し、どんな環境変化にも適応して強い企業として生き残り、お客様のご要望にお応えできるソリューション開発を進めていく必要があります。

 そのような中で、当社グループは2022年から2025年の4ヵ年の目標を「成:Digital × あなた」= DX とし、2026年からの次なる「第3次10年計画」に向け、ソリューションプロバイダーとしてのビジネスモデルの土台作りを行ってまいります。この「DX」とは、単なるデジタルトランスフォーメーションではなく、常に主役は「あなた=人」であり、この激動の時代に「Digital(技術だけではなく、知識も含む)」という時代に合った道具(手段)を、大事な財産である「あなた=人(人財)」が活用することで何倍もの価値を生み出し、最終的にお客様や社会や未来を支えるひとりひとりの主役(あなた)を輝かせることこそが本来の姿であると当社グループは考えております。

 「成」のスタートである2022年はすべての始まりの年、そして勝負の年であり、昨年度道半ばであった「やって、やって、やりきる」を改めてスローガンとして掲げ、何としても目標を達成してまいります。2022年後半以降の景気拡大を見据えて、一番のリスクとして考えられるのは「人やモノの調達」です。現在でもすでに機器や部品といった「モノ」の供給不足等で希望納期までに調達できず、また調達コストも上がっており、景気回復が進めばさらに状況が悪化するリスクがあります。「人」についても、適切な人員配置が行えなければ、案件が立て込んできた時に対応できる社員がいないという理由で、案件を取りこぼすリスクが考えられます。こうしたリスクを回避するためにはやはりまず当社グループ全体での DX 推進が必須となります。

 具体的には、いまだ個人や部門レベルにとどまっている顧客・機器・案件といった業務に関するすべての情報をグループ全体で共有し、データベースに蓄積していくことで、用途に合わせて様々な形で分析・活用することができるようになるため、人・モノ・物件(案件)という切り口であらゆるロスの削減が可能となり、例えば、失注率の低下、メンテナンス員の稼働率向上、無駄な移動時間の短縮、部品調達ロスの撲滅など効果が見込めます。2年後の2024年4月からは「働き方改革関連法」が建設業にも適用され、時間外勤務時間が原則 月45時間、年360時間に制限されることから、生産性の向上は急務の課題であります。

 こうした取り組みをもって、グループ全28社一丸となり、利益基盤の構築をさらに進め、刻々と変化する環境や時代のニーズに柔軟に対応できる企業として化けきり、そして、第2次10年計画の最終章 2022年から2025年の「成」のスタートである2022年を乗り切ってまいります。

 

 

 <当社グループが重要と位置付けている事業分野>

① 物流センターにおける冷凍冷蔵設備分野

② 新規店舗(これまでに取引のない店舗)へのメンテナンス及び営繕分野

③ 企画・設計・デザイン・コンサルティング等のソフトサービス分野

④ 省エネルギー機器や付加価値機器の開発・製造・販売・レンタル分野

⑤ デベロッパーが所有する大型店舗や商業ビルにおける建築設備分野

⑥ 中小規模の店舗・工場・物流施設における建築分野

⑦ 医療モールやクリニックを含むメディカル分野

⑧ ASEAN圏・台湾における海外分野

⑨ 店舗や食品工場における食品の生産機器や厨房設備分野

⑩ 宿泊施設・ホテルにおけるリノベーション分野

 

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