事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)継続企業の前提に関する重要事象等

 前連結会計年度(2021年3月期)は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による極めて厳しい環境下のなか、感染症対策に徹底的に取り組んだ安心安全な旅の販売に注力し、旅行業以外の収入確保に努める等様々な対策を講じたものの、連結営業損失270億82百万円、連結経常損失167億27百万円、親会社株主に帰属する当期純損失284億56百万円を計上し、期末純資産は96億54百万円の債務超過となりました。

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境及び対処すべき課題 ②その他の対処すべき課題(資本施策の実施の進捗状況)」に記載のとおり、2021年6月末に債務超過を解消いたしましたが、当連結会計年度においても新型コロナウイルスの感染拡大の影響を強く受け、連結営業損失76億86百万円、連結経常損失38億86百万円、親会社株主に帰属する当期純損失57億71百万円を計上しており、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象等が存在しております。

 当社グループにおきましては、中期経営計画に基づく施策の着実な実行、引き続き確実な事業構造改革を推進していくこととしており、2023年3月期の連結業績予想を踏まえ、2023年3月末時点においても債務超過にはならないものと見込んでおります。

 以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

(2)自然災害、テロ、感染症等に関わるリスク

 国内外で大規模な地震、台風、豪雨、大規模テロ又は重大な感染症の拡大が発生した場合、関係地域への旅行がキャンセルされ、さらに旅行の自粛や出控えが生じるため、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)深刻な感染症に関わるリスク

 さらに今般の新型コロナウイルス感染症のように感染症の拡大が深刻化し、政府から外出の自粛要請等がなされた場合、広範囲にわたる旅行需要が長期間消失し、当社グループの業績及び財政状態に甚大な影響を及ぼします。なお、対応策については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境及び対処すべき課題 ①新型コロナウイルスの感染拡大の影響について」をご参照ください。

 

(4)情報セキュリティに関わるリスク

 当社では、IT企画部に情報セキュリティ対策の専門担当者を置き、同部の定める情報セキュリティ基準に従って各部が対策を講じ、その遵守状況を監査部が監査することとしています。当社グループでは、この体制で情報セキュリティの向上を図っていますが、万一第三者によるサイバー攻撃等により、社内システムがダウンし、またはそのデータの消失・改ざん、個人情報の漏えい等が生じた場合は、業務の停止に加え、情報漏えいに伴う損害賠償、信用失墜に伴う売上高の大幅な減少が生じ、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)個人情報に関わるリスク

 当社グループは、顧客情報等大量の個人情報を取り扱うため、主要な子会社がプライバシーマークを取得するなど、個人情報の漏えい防止に万全を期していますが、万一大規模な情報漏えいが生じた場合は、顧客等への損害賠償に加え、信用失墜により売上高が大幅に減少する恐れがあり、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)法的規制に関わるリスク

 当社グループは、旅行業法、景品表示法、消費者契約法等さまざまな法規制のもと事業を行っており、それらの法令を遵守するための内部統制システムを整備していますが、法的規制の変更に十分な対応ができず、万一重大な法令違反を冒した場合は、行政当局から営業停止処分等を受け売上高が減少するほか、ブランドイメージが毀損し当社グループの事業の展開及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)事業運営に関わるリスク

 従業員の手配ミス等により、重要な輸送機関・宿泊機関の予約、重要なチケットの入手ができなかった場合、損害賠償請求を受ける恐れがあります。また、交通機関その他の業務委託先が事故や法令違反等を起こした場合も委託先の選定責任等が問われ、損害賠償請求や旅行業法に基づく処分を受ける恐れがあります。当社グループでは、様々な業務マニュアルを整備し、計画的な訓練を実施することでこれらの防止に努めていますが、万一大規模な手配ミスや業務委託先による事故等が発生した場合は、当社グループの業務品質に対する信頼が低下し、ブランドイメージが毀損されますので、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)情報システムに関わるリスク

 当社グループでは、旅行予約や乗車券、観光券の発券作業等、情報システムに依存している業務が多いため、それらのシステムが重大な故障に見舞われた場合、長時間にわたり業務が滞る恐れがあります。そのため、当社グループでは、システムの保守に留意し、クラウドサービスの利用、システムのオープン化、ネットワークの二重化など様々な対策を講じていますが、万一重要なシステムに故障等が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)人材の確保・育成に関わるリスク

 当社グループは、お客さまに感動と笑顔を呼ぶヒューマンサービスをモットーとするため、優秀な人材を継続的に確保し計画的に育成していますが、労働市場等の影響を受けこれらが計画どおり進まなかった場合、他社との競争や事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)人口動態に関わるリスク

 当社グループは、売上高に占める国内顧客の割合が比較的高いため、国内人口の減少や少子高齢化が売上高の減少につながる可能性があります。このため、訪日旅行事業の強化に取り組み、教育旅行事業のシェア拡大、アクティブ・シニアの旅行需要の深耕等に注力していますが、これらが計画どおり進展しない場合、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)経済状況に関わるリスク

 旅行事業は、主に個人の余暇を充実することを目的とするため、景気変動の影響を強く受ける傾向があります。当社グループでは、法人需要の取込み、公務の受託事業、業際ビジネスの拡大に取り組むほか、訪日旅行、国際旅行の拡大を図ることで、国内景気の影響を緩和するよう努めていますが、景気が想定以上に悪化し、個人消費が低迷した場合は、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)為替の変動に関わるリスク

 当社グループの海外旅行における地上費(ホテル代等)取引は、大半が米ドルをはじめとする外国通貨による決済となっております。このため、先物為替予約を用いて契約時と決済時の為替変動による為替リスクをヘッジしていますが、著しい為替変動が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(13)原油価格の高騰に関わるリスク

 原油価格が大幅に高騰した場合、燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の上昇により海外旅行需要が減少することとなりますので、当社グループの業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(14)訴訟に関わるリスク

 当社グループは、事業に関して訴訟を提起される可能性があります。訴訟の内容によっては、多額の損害賠償を要求され、事業活動が制限される可能性がありますので、万一敗訴した場合等は、当社グループの業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

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