(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用状況の改善などを背景に緩やかな回復基調が続くものの、大型台風や豪雨、地震災害などの影響と、米中貿易摩擦の深刻化や中国の景気減速に加え、欧州の経済・政治の不透明感など世界経済の先行きに対する懸念が増し、景気の先行きには十分な注意が必要な状況となっております。
このような状況下で当社グループは、8月1日に創業120周年を迎えました。9月には、創業のきっかけとなりました京都岡崎の地において、記念コンサートやハンドメイド作家総勢100人以上が出店したハンドメイドフェスタを開催いたしました。また、11月には、記念イベントの締めくくりとして、京都出身の人気アーティストによるコンサートを開催いたしました。
当連結会計年度においては、収益性の向上を図り、レッスン環境を充実させる為、5月に滋賀県大津市の音楽教室とカルチャー教室を近隣に移転統合し、10月には京都府舞鶴市の音楽教室を移転いたしました。また、京都府久世郡久御山町のショッピングセンター内の店舗では、会員数の増加を図る為に音楽教室を増床し、リニューアルいたしました。カルチャー教室では、12月に京都府京田辺市に新設された複合商業施設内に新規出店した一方で、川崎市川崎区の教室は8月の契約期間終了をもって閉鎖いたしました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は73億79百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益は商品粗利率の上昇に加え、減価償却費や固定費の減少で66百万円(同21.6%増)、経常利益は66百万円(同16.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は22百万円(前年同期は△16百万円)となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりであります。
(音楽事業部門)
鍵盤楽器は、アコースティックピアノや電子ピアノが堅調に推移したものの電子オルガンが大幅な減少となりました。管弦楽器は、春の需要シーズン向けのセールで店頭販売が金管楽器を中心に堅調な推移をしたものの、学校など公共機関向けの販売が減少いたしました。ギター関連は、ネット通販による売上は増加したものの、店舗売上の減少を補うことはできず、引き続き厳しい状況で推移いたしました。AVソフトは、コンサートやイベント会場での販売を積極的に行ないましたが、DVDの店頭販売が減少し減収となりました。
音楽教室は、中高生の個人レッスン会員が減少したものの、子供のグループレッスンや50~60代向けのレッスンが増加したことや、利益率の改善などにより堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は45億97百万円(前年同期比3.2%減)、セグメント利益は2億23百万円(同8.3%減)となりました。
(カルチャー事業部門)
全国各地の地域特性を加味したオリジナル講座の開発を積極的に進めることで独創性を強化し、新規会員の獲得と既存会員の継続率を高めました。
会員数は、6月に大阪府北部地震が発生し、9月に2度の大型台風が上陸したことでレッスン中止の影響が一部にあったものの、既存店では、会員数を大幅に増やした教室もあるなど概ね前年同期を上回り、前期に新規出店した教室も順調に会員数を増やしたことで堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は27億81百万円(前年同期比1.0%増)、セグメント利益は1億45百万円(同29.6%増)となりました。
資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は23億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ23百万円増加いたしました。固定資産は27億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ84百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産合計が36百万円、投資その他の資産合計が41百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、資産合計は、50億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ60百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は19億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億51百万円減少いたしました。これは主に短期借入金が30百万円、一年内返済予定の長期借入金が2億13百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は9億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億39百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が2億46百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、28億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ12百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計22億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ48百万円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益が22百万円、剰余金の配当が24百万円となったことと、その他有価証券評価差額金が45百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は43.8%(前連結会計年度末は44.2%)となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6億60百万円となり、前連結会計年度末より30百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は1億59百万円(前年同期比197.4%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が63百万円、減価償却費が1億20百万円となったことに加え、その他の流動資産の減少額が30百万円、売上債権の増加額が17百万円、仕入債務の減少額が11百万円、法人税等の支払額が34百万円になったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1億8百万円(同102.2%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が1億2百万円になったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は21百万円(同91.5%減)となりました。これは主に短期借入金の純減少額が30百万円、長期借入金の返済による支出が6億16百万円、長期借入れによる収入が6億50百万円、配当金の支払額が24百万円になったことによるものであります。
(キャッシュ・フロー関連指標)
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
自己資本比率(%) |
44.2 |
43.8 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
21.4 |
20.7 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
27.4 |
9.2 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
3.1 |
10.5 |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※キャッシュ・フロー及び利払いは、キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
※有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③ 販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
音楽事業(千円) |
4,597,970 |
△3.2 |
カルチャー事業(千円) |
2,781,309 |
1.0 |
合計(千円) |
7,379,279 |
△1.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値並びに報告期間における収益・費用の報告数値に対して、過去の実績や状況に応じて合理的な見積り及び判断を行っております。
なお、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]〔注記事項〕」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の分析)
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
なお、重視する経営指標として、当連結会計年度における売上高営業利益率は0.9%(前年同期0.7%)、総資本経常利益率は1.3%(同1.1%)、自己資本利益率は1.0%(同△0.7%)となりました。
(設備投資と減価償却費)
当連結会計年度の設備投資額は82百万円、売上高に対する比率では1.11%となりました。設備投資の内容につきましては、「第3[設備の状況]1[設備投資等の概要]」の項目に記載しております。
当連結会計年度の減価償却費(無形固定資産及び投資その他の資産の長期前払費用の償却を含む)は、1億20百万円となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」をご参照下さい。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を目指し、その財源として安定的な営業活動によるキャッシュ・フローの創出を最優先事項と考えており、事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金は主に手元の自己資金及び借入金により充当しております。
また、当社グループは、将来の営業活動及び債務の返済等の資金需要に備え、十分な資金を確保するために、資金調達及び流動性の確保に努めております。必要な資金は、主に営業活動によるキャッシュ・フローの他、金融機関からの借入金によって調達しております。
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