(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制限が緩和され、経済社会活動の正常化が進み、景気は持ち直しの動きがみられましたが、緊迫した国際情勢、資源価格等の上昇、円安の進行など、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。
鶏肉業界におきましては、主要製造コストである飼料原料価格が大幅に高騰していることに加え、その他人件費等の製造コストの上昇が継続しております。また、消費者の内食需要の高まりや他畜種に対する価格優位性から、鶏肉相場は安定しているものの、国内における鶏肉の生産が増加したことにより、需給バランスは緩んできており、今後も厳しい状況が続くものと思われます。
このような状況の中、当社グループの業績は、売上高217億25百万円(前期比2.7%増)となりました。利益面につきましては、営業利益24億53百万円(同27.2%減)、経常利益26億69百万円(同23.9%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は19億43百万円(同19.4%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
a.食品
食品事業では最新鋭の大型肥育施設が本年2月に新設稼働したことに加え、将来の生産能力増強及び効率化・省力化を企図した鶏肉加工工場群の改修投資を実施し、増産体制構築のための設備投資を順次進めております。
このような状況下、肥育効率及び製造歩留の改善に努め、主要取引先向けの出荷数量が増加した結果、売上高は180億9百万円(前期比3.2%増)となりました。一方、飼料原料価格の大幅な高騰を受けてセグメント利益は17億44百万円(同33.7%減)となりました。
b.外食
外食事業におきましては、自治体からの営業時間短縮要請を受け容れたことにより、前年に比べ販売機会が減少いたしましたが、本年4月に新店舗出店を実施したことに加えて、前期及び当期中に行った店舗リニューアル効果も寄与したことにより、売上高は32億2百万円(前期比0.2%増)となりました。一方、原材料の高騰や人件費の増加を受けて、セグメント利益は3億67百万円(同13.2%減)となりました。
c.エネルギー
再生可能エネルギーの製造及び販売をおこなっており、売上高及び利益は堅調に推移しました。売上高は5億12百万円(前期比0.7%増)、セグメント利益は3億42百万円(同7.2%増)となりました。
なお、全体としての財政状態については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②財政状態の分析」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は62億70百万円となり、前連結会計年度末と比較して16億23百万円減少いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、20億27百万円の資金増加(前期は29億34百万円の資金増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が26億63百万円、減価償却費が10億90百万円、法人税等の支払額が11億19百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、31億23百万円の資金減少(前期は23億32百万円の資金減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が31億7百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、5億27百万円の資金減少(前期は4億83百万円の資金減少)となりました。これは、主に配当金の支払額が5億5百万円あったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
食品 |
14,159 |
13.4 |
(注) 金額は製造原価によっております。
b.受注実績
当社グループは、製品の性質上そのほとんどについて需要予測に基づく見込生産を行っております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
食品 |
18,009 |
3.2 |
外食 |
3,202 |
0.2 |
エネルギー |
512 |
0.7 |
合計 |
21,725 |
2.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
フードリンク株式会社 |
5,454 |
25.8 |
5,194 |
23.9 |
株式会社ニチレイフレッシュ |
4,262 |
20.1 |
4,053 |
18.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成さ
れております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき
会計上の見積りを行っております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5
経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要
な事項)」に記載の通りであります。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、経済や企業活動に広範な影響を与える事象でありますが、現時点で当社グループの会計上の見積りに及ぼす影響は重要でないと判断しております。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ12億11百万円増加し、214億8百万円となりました。これは、主に工具、器具及び備品が11億63百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ2億33百万円減少し、26億35百万円となりました。これは、主に未払法人税等が4億円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ14億44百万円増加し、187億72百万円となりました。これは、主に利益剰余金が14億38百万円増加したことによるものであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度の流動性の保持に必要な運転資金及び資本的支出は、営業活動によるキャッシュ・フローにより賄いました。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
次期の重要な資本的支出につきましては、「食品」セグメントにおいて、肥育関連施設の新設及び加工工場の増強等13億円が発生する予定であります。
なお、その所要資金につきましては、自己資金を充当する予定であります。
④ 経営成績の分析
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度における売上高は217億25百万円(前期比2.7%増)となりました。一方、飼料原料価格の大幅な高騰を受けて、売上原価は155億6百万円(前期比12.3%増)となり、売上原価率は前連結会計年度と比べ6.1ポイント上昇し71.4%となりました。
この結果、営業利益は24億53百万円(前期比27.2%減)となりました。
売上高及び営業利益の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は26億69百万円(前期比23.9%減)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別損失5百万円は固定資産除却損であります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は26億63百万円(前期比20.8%減)となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額を差し引きした結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は19億43百万円(前期比19.4%減)となりました。
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