文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、「より良質な住宅を供給し、豊かな住環境に貢献する」という社是のもと、「安全・安心・堅実」をモットーに“良質で安価な住宅を供給する”ことを使命と考え、安心・安全なマンションを供給し、あらゆるステークホルダーからの信頼獲得と社会への貢献をめざすことを経営の基本方針としております。
当社は2022年5月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画「Innovation2021」を策定し、2022年5月期の業績目標として、売上高26,500百万円、経常利益1,700百万円を掲げて各施策に取り組んでまいりました。
また企業価値の向上と経営の安定基盤を築くための中期的な定量的経営目標として、完成工事総利益率13%以上、売上高営業利益率8%以上、自己資本比率50%以上、自己資本利益率20%以上を掲げ、効率化による収益性の向上、自己資本の蓄積による財務体質の向上を目標に事業を推進してまいりました。
2022年5月期の業績は、売上高30,178百万円(対計画比113.9%)、経常利益1,891百万円(同111.2%)、完成工事総利益率10.7%、売上高営業利益率6.4%、自己資本比率38.9%、自己資本利益率19.2%となりました。
売上高につきましては、計画外の不動産案件の成約により、計画に対し大幅な増収となりました。
経常利益につきましては、完成工事は順調に推移し、完成工事総利益率も10.7%とほぼ計画通りに着地し、さらに事業用地の成約が上振れとなったことから、経常利益は計画を大きく上回り、増益となりました。
これらの結果、当事業年度は計画比及び前期比で見ましても、売上高、経常利益ともに増収増益との結果となりました。
以上のように、中期的な定量的目標としておりました、完成工事総利益率、中期的な目標である自己資本比率及び自己資本利益率等は当事業年度におきましては目標値に届きませんでしたが、着実に向上しており、中期目標としては十分達成可能な水準であると考えております。
当社は、前中期経営計画の基本方針及び重点施策を継承しつつ、2022年5月期の実績、最近の市場動向や不動産の成約状況を踏まえ、新たな数値目標を掲げた新中期経営計画「Innovation2022」を策定いたしました。当計画の基本方針は、業容拡大と利益水準の向上に継続的に取り組むとともに、新たな価値創出による持続的な成長により、当面の目標である年商500億円企業の実現を目指すこととしております。
重点施策は、以下のとおりです。
①中核事業強化の継続(建築)
②再開発事業への注力
③事業領域拡大による新たな価値創出
④人材の確保・育成、働き方改革の推進
これらの施策の実施により2023年5月期の業績目標を売上高28,000百万円、経常利益2,000百万円とし、また、中期的な定量的経営目標を、完成工事総利益率13%以上、売上高営業利益率8%以上、自己資本利益率20%以上、自己資本比率50%以上としております。
なお、中期経営計画の最終年度となる2025年5月期の業績目標は、売上高31,000百万円、経常利益2,400百万円、当期純利益1,632百万円とし、成長性を維持する目標としております。
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による影響はあるものの、ワクチン接種の浸透により感染拡大防止と経済活動の両立が定着し、ウィズコロナのライフスタイルが確立することが期待されます。一方、ロシアによるウクライナ侵攻及びロシアに対する各国政府の経済制裁に対する影響など、依然として先行き不透明な状態が想定されます。
当社の事業領域である分譲マンション市場におきましては、円安やインフレの加速による建設資材の高騰などの影響はあるものの、政府による住宅取得支援策や税制優遇措置の拡充・延長、住宅ローン金利が低水準であることによる購入意欲は底堅く、安定して推移していくと予想されております。
当社は、このような事業環境のもと、引き続き中核事業の強化、再開発事業への注力、新たな価値創出等により、持続的な成長を目指してまいります。
当社は、事業戦略として「造注方式」を掲げ、土地開発及び土地持込による特命受注を事業の中核とすべく、体制整備とその推進に注力しております。今後も、更なる用地確保と造注方式のシェア回復を図るとともに、再開発事業等も推進し、経営計画の実現と業容の拡大に努めてまいります。
また、新規顧客の更なる開拓、担当人員の拡充や土地情報入手先の多様化にも注力してまいります。
施工体制については、生産能力の拡大と品質向上という2点の課題に取り組んでおります。
生産能力の拡大については、積極的な採用による一定水準以上の技能を有する人員の拡充を図り、施工能力をアップさせ、より多くの物件を施工してまいります。
品質向上については、建物の強度を保つ根幹となる躯体部分の構造検査において、法令に則った所定の検査に加え、本社品質管理担当者によるダブルチェックを追加実施する等、業界において標準的に実施されている以上の検査を実施しております。また、重要な躯体部分の三項目である杭、配筋、生コンクリートの品質について、施主が第三者機関の検査を実施しない場合、当社で検査を導入する取り組みを実施しており、安全・安心・堅実なマンションの供給に万全を尽くしております。
当社は、企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識し、業務の適正性、財務報告の信頼性確保、及び法令遵守の徹底を進め、その整備を適宜実施しております。
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