課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「住まいのテクノロジーで、世界を変える。」という新しい経営理念のもと、AI・IoT等の先端技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)による不動産領域の様々なサービスを通じて多様化する生活スタイルに相応しい利便性の高いサービスを提供していくことで、経営理念を実現すべく事業展開を行ってまいります。

 当社グループがこれまで培ってきたリアル領域とテック領域のノウハウをベースとし、リアル×テクノロジーの知見をDX領域へと展開し企業価値の向上を目指すものであります。

 

(2)経営環境
 当社グループをとりまく経営環境は、新型コロナウイルス感染症の収束への期待となる政府による各種政策や国内でのワクチン接種などの効果により一時的な回復基調はあったものの、変異株の急速な感染拡大などにより個人消費や経済活動の停滞等、先行きについては依然として不透明な状態が続くことが見込まれております。

 一方でPMプラットフォーム事業においては、景気の動向及び新型コロナウイルス感染症の影響を受けにくく、入居率や賃貸水準ともに堅調に推移しており、テクノロジーを活用した効率化と透明性の高い不動産事業への変化が求められる中、各種IoT機器を活用することにより多様化する生活スタイルに相応しいスマートホームの実現等の利便性の高いサービスの需要がさらに拡大すると見込まれております。

 また、経済産業省指針に基づく「DX認定制度」における優良な取組みを行う認定事業者への選定や不動産業界のビジネスモデルの革新を目指し一般社団法人DX不動産推進協会を設立するなど、AI・IoT等の先端技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)による不動産領域の様々なサービスを通じて多様化する生活スタイルに相応しい利便性の高いサービスの拡充を進めてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
 当社グループは、中長期的な視点でDX企業としてのさらなる成長に向けて、賃貸経営SaaS企業のリーディングカンパニーを目指しております。
 目標の達成に向けて、不動産DXプラットフォーム「Residence kit」をSaaS型クラウドサービスに強化し、さらなるDXの強化を進めてまいります。加えて、インテリジェントPMセンターの設置やIT人員100名規模の採用を進め、プロパティマネジメント領域におけるDXプラットフォームをさらに強化するとともにデータドリブンによる革新的サービスを創出してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上記の経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

①コーポレートガバナンスの強化

 当社グループは、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、経営の透明性・客観性の確保のため、コーポレートガバナンスの強化が重要な課題であると認識しております。そのため、経営の意思決定の迅速化及び機動的な業務執行の実現を図るとともに、経営の監督機能と業務執行機能を明確に分離することで、経営の透明性・客観性の向上を図ってまいります。

 また、指名・報酬委員会の設置により、取締役の報酬額についての客観性・透明性を高めるとともに、取締役会の実効性について、各取締役へのヒアリング等を通じて分析・評価を行っております。

 

 

②コンプライアンス・リスク管理体制の強化
 当社グループは、コンプライアンス・リスク管理体制の強化が非常に重要な課題であると認識しております。そのため、当社グループのコンプライアンス・リスク管理を統括するコンプライアンス統括本部を設置し、コンプライアンス委員会の実効性を確保するとともに、取締役会、監査等委員会、内部監査室とも連携し、コンプライアンス・リスク管理体制の強化に取り組んでおります。

 また、コンプライアンス統括本部内に事務課を設置することによる営業社員とは独立した部署での顧客との契約適合性の厳格な審査を行うとともに、内部通報制度の充実などにも引き続き取り組んでまいります。

 

③IT人材の確保と育成

 当社グループの持続的企業価値向上の実現に向けて、優秀なIT人材を採用し、さらなるDX体制を加速することが重要であると認識しております。

 また、積極的な採用活動を推進していく一方で、従業員が中長期にわたって活躍しやすい環境の整備、人事制度の構築やDX教育研修等を進めてまいります。

 

④PM(賃貸管理)プラットフォーム事業の拡大
  当社グループは、自社開発したIoTの強みと賃貸住宅販売の双方を通じて管理受託を強化することにより、IoT賃貸住宅管理戸数をさらに拡大すると同時に、自社物件のIoT導入シェアの向上を図ってまいります。また、株式会社TABICTにおけるメンテナンス事業及び株式会社サナスにおける保証サービスの受託も強化してまいります。
  加えて、上記の施策の中で、自社開発した賃貸管理RPAシステム「Residence kit for PM」の導入によりPMプラットフォーム事業のコスト構造を改革し、収益力をアップしてまいります。
  従来からの当社の強みである自社開発したIoTについては、賃貸住宅向けIoT商品の販売を強化してまいります。入居者様へのコンシェルジュサービスの提供とオーナー様へのIoT付加価値による賃料アップのメリットを提供してまいります。

 

⑤今後の不動産コンサルティング事業の拡充
  当社グループは、不動産マーケットプレイス「income club」を新たに開始し、今後の収益基盤の安定化に向けた取り組みを強化するとともに、不動産投資マーケットをさらに活性化すべく、テクノロジーを活用した、新たなマーケットプレイスを構築してまいります。

 

⑥技術革新への対応

 当社グループは、これまでIT技術を早期に導入することで、コスト優位性を確保し、サービスやデザイン性の分野で差別化を図ってまいりましたが、ITの技術革新のスピードは速く、今後もその環境変化へ対応することが重要であると考えております。そのため、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築してまいります。

 

⑦システムトラブルへの対応

 当社グループの事業のコアは、ITの技術であり、地震、火災などの自然災害、事故、停電など予期せぬ事象の発生によって、当社グループ設備又は通信ネットワークに障害が発生した場合や、外部からの不正な手段によるサーバーへの侵入などの犯罪や役職員の過誤によるネットワーク障害が発生した場合は、当社グループの営業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。このため、自社内において、万全の情報セキュリティ対策や事業の安定的な運用のためのシステム強化を行っております。

 

 

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