業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から総じて持ち直しの動きがみられたものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に起因した資源・エネルギー価格の上昇、加えて急激な円安の進行などによる物価の上昇に伴い、依然として不透明な状況が続いております。

 当社の属するリフォーム業界におきましては、コロナ禍における生活様式の多様化を背景とした居住者のニーズに対応する住宅空間の需要の高まりや、設備機器等の修繕・維持管理により、感染症拡大前の水準に向けて、緩やかな持ち直し基調が続きました。

 このような状況のもと当社は、首都圏の営業活動を強化するため2022年4月には神奈川県横浜市に横浜営業所を開設し、対応エリアの拡大を図ってまいりました。知名度及び社会的信用力の向上をはかるため2022年7月25日に東京証券取引所グロース市場へ上場いたしました。また、ペントアップ需要に対応するとともに、リノベーション工事など大型工事の獲得に向けた営業活動をより積極的に行うとともに、工事品質の管理、工事原価の管理の徹底を推進してまいりました。これらの結果、当事業年度の通期における工事の受注件数は前事業年度の12,115件から12,477件(前期比3.0%増)となりました。

 以上の結果、当事業年度の完成工事高は3,504,776千円(前期比25.7%増)、営業利益は220,185千円(前期比39.3%増)、経常利益は207,531千円(前期比31.3%増)、当期純利益は136,970千円(前期比34.1%増)となりました。

 また、当事業年度末における総資産は、1,690,479千円となり、前事業年度末に比べて435,326千円増加いたしました。

 負債は、工事未払金が54,920千円増加、未払金が13,370千円増加、未払消費税等が9,179千円増加したこと等により、343,665千円となり、前事業年度末に比べて97,793千円増加いたしました。

 純資産は、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資による新株の発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ100,320千円増加、繰越利益剰余金の増加136,970千円等により、1,346,814千円となり、前事業年度末に比べて337,533千円増加いたしました。

 この結果、自己資本比率は79.7%(前事業年度末は80.4%)となりました。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。

 当社はリフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)残高は、前事業年度末と比較して296,116千円増加し、1,006,763千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローとその主な要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は132,629千円(前事業年度は54,452千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益206,679千円、売上債権の増加額110,863千円と仕入債務の増加額54,920千円の収入、法人税等の支払額62,904千円の支出、減価償却費の10,612千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は34,511千円(前事業年度は62,684千円の使用)になりました。これは主に有形固定資産の取得による支出23,766千円、無形固定資産の取得による支出8,611千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は197,998千円(前事業年度は1,306千円の使用)となりました。これは主に株式の発行による収入200,640千円によるものであります。

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社では生産形態をとらないため、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社では受注から引渡しまでの期間が短いため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当社はリフォーム事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。なお、当事業年度の施行実績を工事区分別に示すと、次のとおりであります。

区分

当事業年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

前年同期比(%)

原状回復工事(千円)

1,871,500

2.8

リノベーション工事(千円)

1,279,712

85.1

ハウスクリーニング・入居中メンテナンス工事(千円)

120,967

△5.4

その他(千円)

232,597

55.7

合計(千円)

3,504,776

25.7

 (注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2020年8月1日

至 2021年7月31日)

当事業年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱リプライス

370,911

12.9

780,076

22.2

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社が財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大による会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。

 

② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (完成工事高)

 当事業年度における完成工事高は3,504,776千円(前期比25.7%増)となりました。その要因といたしましては、積極的な営業活動、広告活動を継続的に行った結果、取引顧客及び工事件数が増加したことであります。また、ペントアップ需要により、リノベーション工事の工事件数が増加いたしました。

(完成工事総利益)

 当事業年度における完成工事総利益は859,156千円(前期比17.1%増)となりました。その要因といたしましては、前述の完成工事高が増加したためであります。

(営業利益)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は、人員増に伴う人件費の増加、工事件数の増加等に伴う旅費交通費及び車両関連費・車両燃料費が増加したことにより、638,970千円(前期比11.0%増)となりました。この結果、当事業年度における営業利益は220,185千円(前期比39.3%増)となりました。

(経常利益)

 当事業年度における経常利益は、営業外費用で東京証券取引所グロース市場に係る上場審査料及びコンサルタント料等の上場関連費用を計上いたしましたが、営業利益が増加したため、207,531千円(前期比31.3%増)となりました。

(当期純利益)

 当事業年度における税引前当期純利益は206,679千円(前期比30.7%増)となり、税引前当期純利益が増加したため、当期純利益は136,970千円(前期比34.1%増)となりました。

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産の残高は1,566,546千円で、前事業年度末に比べ418,935千円増加しております。現金及び預金の増加297,917千円、完成工事未収入金の増加67,338千円、契約資産の増加43,524千円、未成工事支出金の増加10,010千円が主な変動要因であります。

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産の残高は123,933千円で、前事業年度末に比べ16,390千円増加しております。ソフトウエア仮勘定の増加8,064千円、車両運搬具の増加6,335千円、土地の増加5,226千円が主な変動要因であります。

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債の残高は342,720千円で、前事業年度末に比べ97,944千円増加しております。工事未払金の増加54,920千円、未払金の増加13,370千円、未払消費税等の増加9,179千円、未払法人税等の増加8,902千円が主な変動要因であります。

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債の残高は945千円で、前事業年度末に比べ150千円減少しております。長期リース債務の減少106千円、長期未払金の減少44千円がその変動要因であります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産の残高は1,346,814千円で、前事業年度末に比べ337,532千円増加しております。東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資による新株の発行により資本金及び資本準備金がそれぞれ100,320千円増加、当期純利益の計上による繰越利益剰余金の増加136,970千円がその変動要因であります。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社は、前記「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、サービスの性質、コンプライアンス等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合った事業を展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・軽減し、適切に対応を行ってまいります。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況の分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当社の事業活動における資金需要の主なものは、完成工事原価である材料費及び外注費、人件費及び広告宣伝費等の販売費及び一般管理費であります。これらの資金需要に対して安定的な資金供給を行うための財源については、短期の運転資金につき基本的に内部留保資金により確保し、充当することとしております。現時点では十分な現金及び預金を保有しており、今後、当座貸越契約等の締結による資金調達も可能であることから財源について問題はないと認識しております。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について

当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後更に成長と発展を遂げるためには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや内部環境及び外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に実施し、現在及び将来における内部環境及び外部環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に分配し、最適な解決策を実施していく方針です。

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