当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残るなかで一部に弱さが見られ、感染拡大による影響や供給面での制約、原材料価格高騰による業績の下振れリスク、金融資本市場の変動等につき注視する必要があります。また、世界経済につきましても、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和され、景気の持ち直しが期待されている一方で、ロシア・ウクライナ情勢がもたらす金融市場、商品市場への影響は、今後の経済状況を大きく変化させることが予測されます。
当社グループの属する建設業界におきましては、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着くなかで企業の収益やマインドが改善し、民間投資及び公共投資ともに緩やかな増加基調が見られ、設備投資の底堅さがうかがえます。
このような背景のもと、当社グループの主力事業である土壌汚染調査・処理事業においては、高利益率案件の受注やコンサルティング営業に注力しました。これらの取組みにより、大都市圏における低価格競争が激しいなかでも、受注量及び受注単価は堅調に推移し、大型工事案件や大規模インフラ整備案件等が業績に貢献した結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高17,082百万円(前年同期比14.5%増)、営業利益2,102百万円(同74.1%増)、経常利益2,112百万円(同70.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,252百万円(同81.7%増)となりました。
土壌処理需要の回復傾向が持続するなか、高利益率案件の受注やコンサルティング営業に注力いたしました。上期は主に前期及び当期から開始した大型工事案件の完工集中により、下期は主に中京エリアの大規模インフラ整備案件と関西の都市再開発案件が業績を牽引した結果、売上高14,094百万円(前年同期比17.1%増)、営業利益2,090百万円(同61.8%増)となりました。
廃石膏ボード処理量は株式会社グリーンアローズ中部及び株式会社グリーンアローズ九州ともに前年と比較して大きく増加しました。土壌固化材は大口先の需要が端境期となるなか、県外からの広域処理にも注力するとともに代理店販売や直販ルートの営業を強化しました。その結果、売上高2,187百万円(同16.1%増)、営業利益618百万円(同45.7%増)となりました。
バイオディーゼル燃料(BDF)事業はコロナ禍により低迷していた飲食店業界からの受注が回復しましたが、PCB事業は取扱件数が低調に推移し、また、一般廃棄物処理事業の売上が前年と比較して減少した結果、売上高1,081百万円(同10.9%減)、営業利益88百万円(同45.7%減)となりました。
当連結会計年度末における流動資産の残高は4,083百万円(前連結会計年度末は4,252百万円)となり、168百万円減少しました。主な要因は、受取手形及び売掛金が増加し、現金及び預金及びたな卸資産が減少したことによるものであります。固定資産の残高は17,196百万円(前連結会計年度末は17,023百万円)となり、173百万円増加しました。主な要因は、投資有価証券が増加し、土地が減少したことによるものであります。この結果、総資産は21,279百万円となり、前連結会計年度末に比べ4百万円増加しました。
当連結会計年度末における流動負債の残高は4,685百万円(前連結会計年度末は4,746百万円)となり、61百万円減少しました。主な要因は、未払金及び未払法人税等が増加し、短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債の残高は1,367百万円(前連結会計年度末は2,767百万円)となり、1,399百万円減少しました。主な要因は、長期借入金の減少によるものであります。
この結果、負債合計は6,052百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,461百万円減少しました。
当連結会計年度末における純資産は15,226百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,465百万円増加しました。
これは主に親会社株主に帰属する当期純利益によるものであります。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローにつきましては、内部留保資金の充実を前提としつつ、事業の安定的拡大に必要な投資を実行してまいりました。その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は645百万円(前連結会計年度末比385百万円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益、減価償却費、売上債権の増加額及びたな卸資産の減少額により、総額で2,350百万円の収入(前連結会計年度は2,074百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出により、総額で840百万円の支出(前連結会計年度は411百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入金の返済による支出により、総額で1,895百万円の支出(前連結会計年度は1,230百万円の支出)となりました。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、前連結会計年度においては、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載しております。
当連結会計年度末における財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの運転資金需要は、土壌汚染調査・処理に係る外注費や労務費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備投資資金需要は、リサイクルセンター新設及び改修等に係る投資資金によるものであります。
運転資金や設備資金は、自己資金により調達することを基本としておりますが、必要に応じてグループ会社及び銀行等の金融機関からの借入により調達していく考えであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、財政状態及び経営成績に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当社はこの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、感染再拡大の懸念など、引き続き先行き不透明な状況が予想されますが、現時点では、会計上の見積りに及ぼす重要な影響はないと判断しております。
当社グループは、事業の成長及び収益力の向上、並びに資産の効率的な運用の観点から、自己資本利益率(ROE)を、重要な経営指標と位置付け、ROEの改善及び向上を行うことを目標としております。
ROEは目標を10%以上としており、当連結会計年度におけるROEは、前連結会計年度と比較して3.7ポイント増加の9.1%となっております。
今後も引き続き、更なる企業価値向上のために、財務基盤を強化し事業投資に対する適正な評価と最適な資本構成を実現し、徹底した経営効率の改善により、資本効率をさらに高め、経営の安定性及び株主還元を重視して参ります。
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