課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、建築物の自動制御システムの設計・施工・メンテナンス(保守)並びに建設設備関連の管工機材及び環境関連機器の販売を通じて建物環境の快適性、利便性を図り、社会に貢献することを基本理念とし、次の3つの経営理念を掲げております。

①信頼

取引先と会社、経営者と従業員の相互信頼を築き、よりよいサービスを通じて社会に貢献する。

②進取

常に進取の精神をもって未来をひらき、技術力を高めて時代の変化に対応する。

③創意

創意と工夫により会社の発展をめざし、生きがいのある生活の向上を図る。

 この経営理念のもとに、「株主」、「取引先」、「従業員」等あらゆるステークホルダーの期待に応えるべく最善の経営努力を続けております。

 そのために、当社は、顧客が要求する製品の品質を確実に実現するため、引き続き技術力の向上と販売体制の継続的改善を図ることで社会に貢献していく所存であります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループでは、2022年度から2024年度にわたる第3次中期経営計画を策定しており、2024年度が創業90年の節目の年となることから、創業90年を迎えるための基盤とすべく、第2次中期経営計画の成果と課題を踏まえ、次の3つの項目を基本方針とし、SDGsへの取り組みを含めて、持続的成長とより一層の企業価値の向上に取り組んでまいります。

①経営基盤の充実

②事業基盤の成長

③エンゲージメントの向上

 また、セグメントごとの中期経営戦略は、以下のとおりであります。

環境システム事業

①放射空調システムの事業協業展開

②ソリューション事業の強化・発展

③地域連携プロジェクト体制の構築

管工機材事業

①管工機材の新規ビジネスへの展開

②環境配慮型商品の拡販

 

(3) 経営上の目標達成状況を判断するための戦略的な指標等

 当社グループは、株主利益重視の観点から収益性と資本効率を高めるために、連結売上高、連結営業利益及び連結自己資本利益率について、第3次中期経営計画の経営数値目標を設定しております。

 第3次中期経営計画の最終年度である2024年度の計画値は、連結売上高300億円、連結営業利益30億円及び連結自己資本利益率8.0%以上であります。

 

(4) 経営環境

 当社グループの事業につきましては、自動制御システムの設計・施工・メンテナンス(保守)及び自動制御機器の販売を行う環境システム事業と管・継手類、特機類及びその他商品の販売を行う管工機材事業により構成されております。

 両事業は、得意先が共通することから営業活動において相乗効果を発揮しており競合他社に対する競争優位性を確保しております。

 当社グループをめぐる経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中、ワクチン接種の進展により経済社会活動の制限が徐々に緩和され、景気は持ち直しの動きが続きました。一方で、新たな変異株の流行や、ウクライナ情勢の地政学リスクが顕在化する等、経済の冷え込みが懸念される状況となりました。

 当社グループの事業に関連する建設業界につきましては、公共投資は底堅く推移したものの、原材料価格の高騰に加え、民間設備投資の持ち直しに足踏みがみられるなど、厳しい状況が続きました。

 当社グループのセグメントごとの経営環境の認識は、以下のとおりであります。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、経営環境に関する説明において増減額及び前連結会計年度比(%)を記載せずに説明しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

環境システム事業

 当連結会計年度は、都市再開発や地域のインフラ施設の整備、維持管理に関する改修需要を取り込むことで、安定した工事量の確保に努めてまいりました。この結果、既設工事の完成工事高が増加したことから、売上高は139億98百万円(前連結会計年度は131億11百万円)となり、営業利益は24億10百万円(前連結会計年度は25億46百万円)となりました。

 環境システム事業における完成工事高は136億7百万円(前連結会計年度は129億88百万円)となり、新設工事が53億59百万円(前連結会計年度は56億89百万円)、既設工事が62億13百万円(前連結会計年度は52億64百万円)、保守工事が20億35百万円(前連結会計年度は20億34百万円)となりました。

 また、環境システム事業における受注工事高は153億60百万円(前連結会計年度は141億73百万円)となり、新設工事が68億17百万円(前連結会計年度は62億46百万円)、既設工事が65億3百万円(前連結会計年度は58億87百万円)、保守工事が20億39百万円(前連結会計年度は20億39百万円)となりました。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響につきましては、宿泊・飲食サービス業など消費関連業種に設備投資を先送りする動きがみられたものの、都市再開発などの大型物件の発注や工事進捗は堅調に推移いたしました。なお、今後の受注動向につきましては、設備投資動向など外部環境を要因とした不確実性が高いことから、翌連結会計年度の業績に影響を与える可能性があります。

管工機材事業

 当連結会計年度は、業務提携効果を発揮した取扱商材の充実、協働配送による経費圧縮、顧客向け商品販売サイト『O/tegaru(おてがる)』の利用促進に努めてまいりました。この結果、売上高は114億12百万円(前連結会計年度は103億46百万円)となり、営業損失は58百万円(前連結会計年度は91百万円の営業損失)となりました。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響につきましては、東南アジア諸国における感染拡大と行動規制の実施から一部の電子製品に納入遅延がみられ、販売機会の減少に繋がりました。なお、今後の受注動向につきましては、設備投資動向など外部環境を要因とした不確実性が高いことから、翌連結会計年度の業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上記(1)から(3)に記載の、会社の経営の基本方針及び第3次中期経営計画を実行していく上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は次のとおりであります。

 次期の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の対策に伴う一定の制約が予見されるものの、経済社会活動が正常化に向かう中で、景気は持ち直しの動きが続くものと期待されます。しかしながら、地政学リスクに起因する資源価格の高騰や供給面の制約は内外経済を下押しする懸念があり、十分な注意が必要です。

 当社グループの事業に関連する建設業界では、都市部の大規模再開発が引き続き建設需要を牽引すると思われ、先送りした設備投資を再開する動きが見込まれております。

 当連結会計年度における報告セグメントの売上高及び営業損益の構成は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、売上高の構成比55.1%を環境システム事業、同44.9%を管工機材事業が占めております。また、営業損益の構成は、環境システム事業が営業利益を計上した一方、管工機材事業は営業損失を計上しております。

 このため、第3次中期経営計画の経営数値目標を達成するために、成長分野である環境システム事業の課題を特に優先することにより売上高と営業利益を伸ばし、次に、管工機材事業の課題に取り組むことにより営業利益の黒字化を達成していく必要があると判断しております。

(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)

 環境システム事業におきましては、都市再開発プロジェクトや工場設備投資の維持更新に関する工事を獲得するとともに、建物のエネルギー効率に配慮した設計施工とメンテナンスの提供に努めてまいります。

(その他の優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)

 管工機材事業におきましては、節水型衛生陶器の拡販など、環境配慮型商品の販売活動に取り組み、商品販売サイト『O/tegaru(おてがる)』を利用促進してサービスの高付加価値化に努めてまいります。

 

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