課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1)  経営方針・経営戦略等

①会社の経営の基本方針

当社は創業以来、神奈川・東京を収益基盤とし、土木工事、建築工事、マンション分譲事業、住宅事業、建物管理事業、介護事業と、時代の変化に柔軟に対応しながら事業領域を変化させてまいりました。従来からのコアビジネスである「建設・住宅」の収益基盤の強化を図りつつ、神奈川・東京に住まわれる「地域の人々に対して全ライフステージにわたって居住し続けられる“住まい”を提案する生活舞台創造業」として事業展開を図ることで、株主の皆様をはじめとした関係者の皆様の期待に応えていくことを経営の基本方針といたしております。

 

②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 建設業をとりまく厳しい経営環境のなか、株主価値を実現することが重要な課題であります。建設部門中心の現状を踏まえつつ、「生活舞台創造企業」として事業展開を図りながら、そのビジネスモデルを確立することを視野に入れ、収益力と資本力につきましては、次の指標を目標に置いております。

 ・売上高経常利益率 ・・・・ 5%

  ・自己資本比率 ・・・・・・ 40%

 

③中長期的な会社の経営戦略

 当社は、主要4部門の経営戦略のポイントを以下のとおりとしておりますが、経営環境の見通しが不透明であることなどから中期経営計画は公表いたしておりません。中期経営計画の公表につきましては今後の課題として検討してまいります。

建設部門におきましては、環境配慮・長寿命化といった資産価値の維持・向上に資する土地有効活用の提案を積極的に行ってまいります。

 住宅部門におきましては、社員多能工の施工による大型地下室付き住宅・賃貸住宅を主力商品として、「住まい」を造るだけではなく、「住みがい」を提供し、顧客感動の実現に取り組んでまいります。

 建物管理部門におきましては、既存管理物件による安定的な収益の確保と、管理物件の新規獲得を強化してまいります。

 介護部門におきましては、高齢者施設の原点である要介護高齢者の「住まい」と「介護サービス」の両面から商品性を高めてまいります。

 本社管理部門におきましては、人材育成の強化とキャッシュ・フローを重視した経営を行ってまいります。

 

(2)  優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

ワクチン接種が進むなか、新型コロナウイルス感染再拡大の懸念は払拭されず、一方で原油高による原材料価格の高騰やウクライナ情勢などの様々な要因により、今後のわが国経済は、これまで以上に不確実性が高まっていくものと見込まれます。

当社はこのような環境のもと、持続的な成長を確実なものとし、安定的に収益を確保すべく、以下のとおり事業展開を図ってまいります。

建設部門につきましては、公共投資は底堅く推移するものの、民間建設投資は厳しさが続くものと推測されます。今後の需要増加が見込まれる社会インフラや集合住宅等の老朽化に伴う防災・減災対策、維持・更新、リニューアル分野などの強化に引き続き取り組んでまいります。一方、慢性的な建設技術者及び技能労働者不足は深刻であり、これらを解決するための生産性向上施策や働き方改革への取り組みを着実に進めてまいります。

住宅部門につきましては、低水準で推移する住宅ローン金利や政府による住宅取得推進策等の後押しはあるものの、人口及び世帯数の減少や空き家対策など住宅市場を取り巻く環境は大きく変化していくものと思われます。新型コロナウイルスの感染が再拡大する可能性も高まっており、集客数の減少が受注の減少に結び付く可能性があり、こうした環境変化に対応しつつ、地域密着型の営業体制を強化し、安定した受注確保と収益力の向上に取り組みます。

建物管理部門につきましては、保守並びに修繕工事部門の収益力向上、賃貸マンションを中心にした管理物件の着実な増加の実現によるストックビジネスの強化が重要な課題となっています。また、サブリース物件における、新型コロナウイルス感染症の長期化によるテナントの退去あるいは一部業種での賃料引き下げ要請への適時適切な対応、さらには、当社支払賃料の適正化による収支改善等、賃貸事業リスク管理の強化に引き続き取り組む必要があります。

介護部門につきましては、当社が老人ホーム運営を中心に行っていることから、感染防止策として外部からの入館制限や関係者の検温、健康チェック、手洗い、うがい、手指消毒、マスクの着用に加え、施設内の換気やアルコール消毒等を行う必要があります。また、介護サービス需要の拡大に伴う労働者不足への対応は重要な課題と認識しており、新卒採用の強化や従業員の処遇改善など職場環境整備に取り組みます。

全体としては事業競争力・収益力の強化と経営効率化を図るとともに、コンプライアンスの徹底を最重点課題と認識し、内部統制システムの整備を継続して推進してまいります。

 

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