(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況が残る中、個人消費は持ち直しに足踏みがみられるものの、雇用情勢や設備投資は改善の傾向が見受けられる。
建設業界においては、公共投資は高水準にあるものの弱含みであり、資機材価格の高止まり、次世代を担う後継者不足など、予断を許さない事業環境が続いている。
このような経済情勢の中で、当連結会計年度の業績は、以下のとおりとなった。
連結売上高については、前連結会計年度比5.8%減の824億68百万円となった。
利益については、営業利益は前連結会計年度比17.9%減の24億15百万円、経常利益は同15.5%減の27億79百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同20.4%減の17億92百万円となった。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりである。
完成工事高については、前連結会計年度比4.6%減の799億99百万円となった。利益については、完成工事高の減少によりセグメント利益(営業利益)は同6.4%減の28億27百万円となった。
不動産事業等売上高は、連結子会社における開発型不動産売上の減少により、前連結会計年度比32.9%減の24億69百万円となった。利益については不動産事業等売上高の減少により、セグメント利益(営業利益)は同8.2%減の5億52百万円となった。
当連結会計年度末における資産合計は、有形固定資産が19億43百万円増加する一方、現金預金が33億19百万円、受取手形・完成工事未収入金等が45億71百万円減少したこと等により前連結会計年度末に比べ8.1%減の684億28百万円となった。
負債合計は、未成工事受入金が23億85百万円、退職給付に係る負債が19億8百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ19.9%減の255億48百万円となった。
純資産合計は、利益剰余金が配当金の支払により7億1百万円、自己株式の取得にて6億66百万円減少する一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により17億92百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ0.8%増の428億79百万円となった。
これにより当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ5.6ポイント向上し62.7%となった。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の主な増減状況については、営業活動による資金の減少が20百万円(前連結会計年度は70億80百万円の増加)、投資活動による資金の減少が23億39百万円(前連結会計年度は9億83百万円の減少)、財務活動による資金の減少が14億4百万円(前連結会計年度は7億97百万円の減少)となり、これにより資金は前連結会計年度末に比べ37億63百万円減少(前連結会計年度は52億98百万円の増加)し、152億87百万円(前連結会計年度末は190億51百万円)となった。
各活動における主な増減の内訳については、次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益27億46百万円を計上、売上債権の減少により43億9百万円増加する一方、仕入債務の減少、未成工事受入金の減少、退職給付に係る負債の減少、法人税等の支払額の減少により73億49百万円減少し、営業活動による資金は20百万円の減少となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出等により、23億39百万円の減少となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、配当金の支払、自己株式の取得による減少等により14億4百万円の減少となった。
(注) 1 建設事業以外の受注高については、当社グループ各社の受注概念が異なるため記載していない。
2 セグメント間の取引については相殺消去している。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去している。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度において、売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
(注) 1 前事業年度以前に受注したもので、契約の変更により契約金額に増減のあるものについては、当期受注高にその増減額を含む。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれる。
2 次期繰越高は(前期繰越高+当期受注高-当期売上高)である。
工事受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度
当事業年度
2 前事業年度及び当事業年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
d. 次期繰越高(2022年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものである。
当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比5.8%減の824億68百万円となった。その内訳は建設事業は同4.6%減の799億99百万円、不動産事業等は連結子会社における開発型不動産売上の減少により同32.9%減の24億69百万円となり、売上高の97.0%を建設事業が占めている。
利益面については、完成工事高の減少により完成工事総利益は前連結会計年度比3.4%減の58億73百万円となり、不動産事業等総利益は売上高の減少により同25.3%減の7億22百万円となったこと等により、営業利益は同17.9%減の24億15百万円となった。また、経常利益は同15.5%減の27億79百万円となった。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は同20.4%減の17億92百万円となった。また1株当たり当期純利益金額は58円93銭、自己資本利益率は4.2%となった。
当社グループは、2022年度(2023年3月期)を初年度とする3ヵ年の「中期経営計画〈2022-2024〉」を策定している。
当社グループの中期経営計画は、企業理念である「人・仕事・会社を磨き続け、建設事業を通じて、社会に貢献する。」の実現に向けて、具体的かつ効率的に行動するための施策を次の通り掲げている。
Ⅰ.方針・施策
新たな中期経営計画では、経営方針を「会社を磨き、新たなステージへ」と位置づけ、具体的な経営施策は次の3つを柱に取り組んでいく。
①持続的成長の実現
②本業の磨きこみ
③450周年へ基盤拡充
Ⅱ.基本数値目標
当社グループの2024年度基本数値目標は次の通りである。
①業績
売上高 900億円
営業利益 30億円
②株主還元
配当性向 40%程度(下限10円)
③投資計画
2022-2024年度 80億円
当社グループは目標の達成に向け一丸となって取り組んでまいる所存である。
当連結会計年度末における資産合計は、有形固定資産が19億43百万円増加する一方、現金預金が33億19百万円、受取手形・完成工事未収入金等が45億71百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ8.1%減の684億28百万円となった。
負債合計は、未成工事受入金が23億85百万円、退職給付に係る負債が19億8百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ19.9%減の255億48百万円となった。
純資産合計は、利益剰余金が配当金の支払により7億1百万円、自己株式の取得にて6億66百万円減少する一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により17億92百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ0.8%増の428億79百万円となった。
これにより当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ5.6ポイント向上し62.7%となった。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりである。
完成工事高については、前連結会計年度比4.6%減の799億99百万円となった。利益については、完成工事高の減少によりセグメント利益(営業利益)は同6.4%減の28億27百万円となった。
資産については、受取手形・完成工事未収入金等の減少等によりセグメント資産は前連結会計年度末に比べ12.5%減の269億20百万円となった。
不動産事業等売上高は、連結子会社における開発型不動産売上の減少により、前連結会計年度比32.9%減の24億69百万円となった。利益については不動産事業等売上高の減少により、セグメント利益(営業利益)は同8.2%減の5億52百万円となった。
資産については、土地・建物の取得による増加及び販売用不動産の増加等によりセグメント資産は前連結会計年度末に比べ15.9%増の154億80百万円となった。
当連結会計年度における資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、20百万円の減少となった。その主な要因としては、税金等調整前当期純利益27億46百万円を計上、売上債権の減少により43億9百万円増加する一方、仕入債務の減少、未成工事受入金の減少、退職給付に係る負債の減少、法人税等の支払額の減少により73億49百万円減少したこと等による。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、23億39百万円の減少となった。その主な要因としては、有形固定資産の取得による支出等による。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、14億4百万円の減少となった。その主な要因としては、配当金の支払、自己株式の取得による減少等による。
以上により、現金及び現金同等物の期末残高は、37億63百万円減少し、152億87百万円となった。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につき、運転資金のうち主となるものは、工事施工に伴う材料費、外注費等の営業費用であり、これらを主に手元のキャッシュ及び営業活動によるキャッシュ・フローにより賄っている。また、安定的かつ機動的な資金調達基盤を確保するため、取引銀行5行と総額60億円のコミットライン契約を結んでいる。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり、過去の実績や連結決算日現在の状況を踏まえた合理的な要因に基づき見積りを行っている。これらの見積りには特有の不確実性を伴うため、実際の結果と異なることがある。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
また、新型コロナウイルス感染症及びロシア・ウクライナ情勢の影響に係る会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりである。
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