当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、当社グループは「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)、(収益認識関係)」に記載のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症における経済活動の制約が徐々に緩和されたことにより全般的に持ち直しの動きが見られたものの、ウクライナ情勢に起因するエネルギー、原材料価格の上昇の継続、円安に伴う物価上昇の更なる高まりにより、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
国内建設市場につきましては、国土強靭化対策による公共投資は引続き底堅く推移し、東京都における上・下水道設備の建設におきましても、老朽化設備の更新工事、浸水・震災被害対策工事の発注が継続して行われました一方、建設資材価格高騰の継続、受注競争の激化等により、厳しい経営環境が続きました。
このような状況の中、当社グループの主力の建設事業におきましては、完成工事総利益増加に向け、生産性向上に直結する工期の短縮、施工コストの削減の取組みを継続するとともに、上・下水道工事に加えて、港湾・河川工事等の受注にも積極的に取り組み、受注量の確保、増加に努めてまいりました。
不動産事業等におきましては、賃貸不動産物件、太陽光発電設備等の販売力を強化するとともに、優良な利回り物件の新たな購入にも注力いたしました。また、OLY機材リース事業につきましては、営業員の増員を図り、受注高・売上高増加に向けた営業活動を継続してまいりました。
通信関連事業におきましては、売上高及び売上総利益の増加を図るべく、通信所内設備の運用及び保守業務の新規案件の獲得に注力してまいりました。
その他事業におけるクローゼットレンタル事業につきましては、利用顧客数の増加に向けた宣伝、営業活動を継続してまいりました。
以上の結果、売上高は52億44百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は3億14百万円(前年同期比3.4%減)、経常利益は3億17百万円(前年同期比1.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億54百万円(前年同期比4.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(建設事業)
建設事業におきましては、受注高53億99百万円(前年同期比231.4%増)、売上高35億48百万円(前年同期比0.1%減)、セグメント利益(営業利益)1億50百万円(前年同期比16.5%減)となりました。
(不動産事業等)
不動産事業等におきましては、不動産物件の売却並びに賃貸収入、OLY機材のリース販売等により売上高13億90百万円(前年同期比28.8%増)、セグメント利益(営業利益)1億47百万円(前年同期比33.6%増)となりました。
(通信関連事業)
通信関連事業におきましては、NTT局内の通信回線の保守・管理業務等により売上高3億16百万円(前年同期比6.3%減)、セグメント利益(営業利益)15百万円(前年同期比53.5%減)となりました。
(その他)
その他事業におきましては、クローゼットレンタル事業により売上高4百万円(前年同期比5.6%減)、セグメント損失(営業損失)0.01百万円(前年同期は0.3百万円のセグメント利益)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の資産の残高は、95億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億84百万円増加いたしました。主な理由は、現金及び預金の増加3億6百万円、受取手形・完成工事未収入金等の増加2億52百万円、未成工事支出金の増加1億1百万円、不動産事業等支出金の減少14百万円、販売用不動産の増加93百万円、のれんの減少28百万円、保険積立金の減少36百万円によるものであります。
当連結会計年度末の負債の残高は、50億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億5百万円増加いたしました。主な理由は、工事未払金の増加72百万円、短期借入金の減少47百万円、未払金の減少33百万円、未払法人税等の増加34百万円、未成工事受入金の増加5億94百万円、長期借入金の減少52百万円によるものであります。
当連結会計年度末の純資産の残高は、44億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億78百万円増加いたしました。主な理由は、資本金の増加10百万円、資本剰余金の増加10百万円、利益剰余金の増加1億50百万円、新株予約権の増加6百万円によるものであります。
③当期のキャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、26億2百万円と前連結会計年度末に比べ3億6百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況等につきましては次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は5億4百万円(前年同期は3億34百万円の増加)となりました。資金の主な増加は、税金等調整前当期純利益3億21百万円、減価償却費67百万円、仕入債務の増加72百万円、未成工事受入金の増加5億94百万円であり、資金の主な減少は、売上債権の増加2億52百万円、棚卸資産の増加1億79百万円、法人税等の支払額69百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は4百万円(前年同期は1億50百万円の減少)となりました。資金の主な減少は、有形固定資産の取得による支出51百万円、貸付けによる支出6百万円であり、資金の主な増加は、貸付金の回収による収入19百万円、保険積立金の払戻による収入36百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は2億3百万円(前年同期は2億44百万円の減少)となりました。資金の主な減少は、短期借入金の返済による支出24億50百万円、長期借入金の返済による支出8億47百万円、配当金の支払額1億4百万円であり、資金の主な増加は、短期借入による収入24億50百万円、長期借入による収入7億48百万円であります。
④生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年8月1日 至 2022年7月31日) |
前年同期比(%) |
建設事業(千円) |
5,399,552 |
331.4 |
不動産事業等(千円) |
1,374,619 |
129.6 |
通信関連事業(千円) |
316,967 |
93.7 |
その他(千円) |
4,572 |
94.4 |
(注)当連結会計年度において、以下の著しい変動がありました。
建設事業における増加は、当社において手持ち工事の完成に伴い、新たな工事の受注を積極的に行った結果及び新たに子会社となりました港シビル株式会社における受注増加によるものであります。
不動産事業等につきましては、不動産販売、太陽光発電設備における販売増加及びOLYリース事業売上げの増加によるものであります。
b.売上実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年8月1日 至 2022年7月31日) |
前年同期比(%) |
建設事業(千円) |
3,548,660 |
99.9 |
不動産事業等(千円) |
1,374,619 |
129.6 |
通信関連事業(千円) |
316,967 |
93.7 |
報告セグメント計(千円) |
5,240,246 |
105.9 |
その他(千円) |
4,572 |
94.4 |
合計(千円) |
5,244,819 |
105.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当社グループの事業では生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。
3.主な相手先別の売上実績及びその割合は、次のとおりであります。
前連結会計年度 東京都下水道局 44.7% 2,214,091千円
東京都水道局 12.5% 619,405千円
当連結会計年度 東京都下水道局 26.8% 1,403,181千円
東京都水道局 15.5% 815,245千円
当社グループの建設事業における状況につきましては、提出会社が業績の大半を占めるため個別表記しております。
なお、提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び施工高の状況
(受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高)
前事業年度(自2020年8月1日 至2021年7月31日)
種類別 |
前期繰越高 (千円) |
当期受注高 (千円) |
計(千円) |
当期完成工事高 (千円) |
次期繰越高 |
当期施工高 (千円) |
||
手持高 (千円) |
うち施工高(千円) |
|||||||
|
|
|
|
|
|
% |
|
|
土木工事 |
4,944,488 |
1,043,367 |
5,987,855 |
2,898,071 |
3,089,784 |
5.1 |
156,662 |
2,660,308 |
計 |
4,944,488 |
1,043,367 |
5,987,855 |
2,898,071 |
3,089,784 |
5.1 |
156,662 |
2,660,308 |
当事業年度(自2021年8月1日 至2022年7月31日)
種類別 |
前期繰越高 (千円) |
当期受注高 (千円) |
計(千円) |
当期完成工事高 (千円) |
次期繰越高 |
当期施工高 (千円) |
||
手持高 (千円) |
うち施工高(千円) |
|||||||
|
|
|
|
|
|
% |
|
|
土木工事 |
3,089,784 |
3,492,849 |
6,582,633 |
2,559,019 |
4,023,614 |
5.4 |
219,111 |
2,621,468 |
計 |
3,089,784 |
3,492,849 |
6,582,633 |
2,559,019 |
4,023,614 |
5.4 |
219,111 |
2,621,468 |
(注)1.前期以前に受注したもので、契約の更新により請負金額に変更があるものについては、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越高の施工高は、支出金により手持高の施工高を推定したものであります。
3.当期施工高は、(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
(受注高及び売上高について)
当社は建設市場の状況を反映して工事の受注工事高及び完成工事高が平均化しておらず、最近3年間についてみても次のように変動しております。
期別 |
受注工事高 |
完成工事高 |
||||
1年通期(A) (千円) |
下半期(B) (千円) |
(B)/(A) (%) |
1年通期(C) (千円) |
下半期(D) (千円) |
(D)/(C) (%) |
|
第54期 |
4,825,632 |
3,297,851 |
68.3 |
3,375,731 |
1,799,737 |
53.3 |
第55期 |
1,043,367 |
693,071 |
66.4 |
2,898,071 |
1,697,030 |
58.6 |
第56期 |
3,492,849 |
2,323,802 |
66.5 |
2,559,019 |
1,323,746 |
51.7 |
(完成工事高)
期別 |
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
前事業年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) |
土木工事 |
2,898,071 |
- |
2,898,071 |
計 |
2,898,071 |
- |
2,898,071 |
|
当事業年度 (自 2021年8月1日 至 2022年7月31日) |
土木工事 |
2,559,019 |
- |
2,559,019 |
計 |
2,559,019 |
- |
2,559,019 |
(注)1.完成工事の内、主なものは次のとおりであります。
前事業年度
東京都水道局 |
荒川区東尾久六丁目地先から同区東尾久三丁目地先間配水本管(500㎜)新設工事 |
東京都下水道局 |
墨田区墨田四丁目、東向島五丁目付近再構築その2工事 |
当事業年度
東京都下水道局 |
大田区東馬込一丁目、品川区西大井五丁目付近枝線その2工事 |
東京都下水道局 |
渋谷区渋谷四丁目、港区南青山五丁目付近再構築工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度 東京都下水道局 76.4% 2,214,091千円
東京都水道局 21.4% 619,405千円
当事業年度 東京都下水道局 54.8% 1,403,181千円
東京都水道局 31.9% 815,245千円
東京都財務局 13.1% 335,562千円
(手持工事高)(2022年7月31日現在)
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
合計(千円) |
土木工事 |
4,023,614 |
- |
4,023,614 |
計 |
4,023,614 |
- |
4,023,614 |
(注)手持工事の内、主なものは次のとおりであります。
東京都水道局 |
墨田区江東橋二丁目地先から同区江東橋四丁目地先間配水本管(600mm・500mm)布設替及び既設管内配管工事 |
東京都下水道局 |
浅草駅雨水貯留管工事 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについて、経営者は過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大による会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高、売上総利益の分析)
売上高、売上総利益につきましては、不動産事業等におきまして、不動産物件、太陽光発電設備の販売等により増収、増益となりましたが、建設事業におきましては、完成工事高の計上は前年と同様の計上となりましたものの、工事利益率の低い開削工事、管更生工事を主体とした計上により減収となりましたほか、通信関連事業におきましても、受注工事量の減少及び費用の増加等により減収、減益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ2億90百万円(5.9%)増加し、52億44百万円となり、売上総利益につきましては、前連結会計年度に比べ54百万円(5.8%)減少し、8億77百万円となりました。
(販売費及び一般管理費の分析)
販売費及び一般管理費は、従業員給料手当、支払手数料等の減少により、前連結会計年度に比べ42百万円(7.1%)減少し、5億63百万円となりました。
(営業利益の分析)
営業利益につきましては、完成工事総利益及び通信関連事業総利益の減少等により、前連結会計年度に比べ11百万円(3.4%)減少し、3億14百万円となりました。
(経常利益の分析)
経常利益につきましては、営業外費用の減少により、前連結会計年度に比べ4百万円(1.4%)増加し、3億17百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益の分析)
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、税金等調整前当期純利益は3億21百万円となり、法人税、住民税及び事業税80百万円、法人税等調整額△13百万円計上の結果、前連結会計年度に比べ11百万円(4.8%)増加し、親会社株主に帰属する当期純利益は2億54百万円となりました。
b.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産の残高は、95億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億84百万円増加いたしました。増加の主な要因は、現金及び預金の増加3億6百万円、受取手形・完成工事未収入金等の増加2億52百万円、未成工事支出金の増加1億1百万円、不動産事業等支出金の減少14百万円、販売用不動産の増加93百万円、のれんの減少28百万円、保険積立金の減少36百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債の残高は、50億56百万円となり、前連結会計年度に比べ5億5百万円増加いたしまし
た。増加の主な要因は、工事未払金の増加72百万円、短期借入金の減少47百万円、未払金の減少33百万円、未払法人税等の増加34百万円、未成工事受入金の増加5億94百万円、長期借入金の減少52百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は、44億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億78百万円増加いたしました。増加の主な要因は、資本金の増加10百万円、資本剰余金の増加10百万円、利益剰余金の増加1億50百万円、新株予約権の増加6百万円によるものであります。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ③当期のキャッシュ・フローの状況」を参照ください。
d.資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループは、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを財務の基本方針としております。資金需要の主なものは、工事原価、販売費及び一般管理費などの運転資金、設備投資資金及び不動産事業等における不動産の取得、建設資金であります。
その資金の原資は、自己資金、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入等によって行っております。短期的な運転資金の調達に関しましては、短期借入金を基本とし、設備投資資金の調達に関しましては、長期の借入を行っております。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、2019年に「ACTION PLAN 2019」を策定し、当社が行う建設事業、不動産事業等の各事業の収益力強化に努めるとともに、優秀な技術、管理技術者等を有する建設会社の取得(子会社化)にも取組んでまいりました。
この結果、当該計画期間である第54期、第55期、第56期は、以下の状況となりました。
|
第54期
(自 2019年8月1日 至 2020年7月31日 |
第55期
(自 2020年8月1日 至 2021年7月31日 |
第56期 (当連結会計年度) (自 2021年8月1日 至 2022年7月31日 |
|||
区分 |
計画 |
実績 |
計画 |
実績 |
計画 |
実績 |
売上高(千円) |
5,094,000 |
5,187,425 |
5,220,000 |
4,954,536 |
5,360,000 |
5,244,819 |
営業利益(千円) |
379,400 |
540,069 |
391,440 |
325,305 |
420,440 |
314,178 |
営業利益率(%) |
7.45 |
10.41 |
7.50 |
6.57 |
7.84 |
5.99 |
第54期におきましては、建設事業において、工事利益率の高い機械式特殊推進工事を主体とした工事の完成が重なり、当該工事の完成に伴う完成工事利益の計上により、営業利益において計画を大きく上回る結果となりました。また、当社は、手持ち工事量の減少を補填するため東京都における工事の受注を積極的に行いましたが、当該期の上・下水道等の工事の発注状況は堅調に工事の発注はあったものの、機械式特殊推進工事を主体とした工事の発注が少なく、開削工事、管更生工事等を主体とした工事の受注を行いました。
第55期におきましては、不動産事業等において、太陽光発電設備の販売、OLY機材リース売上の増加等により増収・増益となったものの、建設事業におきましては、利益率の低い開削工事、管更生工事を主体とした工事の完成工事高、完成工事総利益の計上状況となりましたことにより、計画に対し、売上高、営業利益、営業利益率共に下回る結果となりました。
第56期におきましては、引き続き不動産事業等における保有不動産の販売、OLY機材リース売上の増加等により増収・増益となりましたが、建設事業におきましては、前期と同様の開削工事、管更生工事を主体とした工事の完成工事高、完成工事総利益の計上状況となり収益性が低下しましたこと並びに当期に子会社となりました港シビル株式会社における受注時期の遅れ及び受注した工事の着工遅れ等による収支赤字の計上等により、計画に対し、売上高、営業利益、営業利益率共に下回る結果となりました。
今後の見通しとしましては、当社の主力事業である建設事業におきまして、東京都における上・下水道工事の発注は今後も堅調に行われると予測されるものの、東京オリンピック・パラリンピックに伴う建設特需が終わり、公共土木工事における入札の価格競争の激化により完成工事利益の低下が見込まれること、また、施工管理技術者及び施工を行う技能労働者等の人員の採用、確保の難しい状況は今後も続くと思われることから、今後も厳しい経営環境が続くと思われます。
当社グループは、建設事業におきましては、得意とする機械式特殊推進工事を主体とした工事の獲得に努めるとともに、港湾・河川工事等の新たな事業分野における受注等につきましても積極的に取組むほか、当社と競合しない発注先からの公共土木事業を展開し、且つ優秀な技術、管理技術者等を有する建設会社の取得(子会社化)等による事業基盤の拡大を図ることにより、完成工事利益の増加を図ってまいります。
また、不動産事業等におきましては、OLYリース事業の中部地方における営業所の出店によるリース売上の増加並びに不動産販売における販売収益増加に向けた体制の強化等を図るとともに、通信関連事業につきましては、施工体制を構築し、NTT局舎内作業以外の新たな工種の受注にも取組んでまいります。
当社グループは、当該状況を踏まえた「中期経営計画(ACTION PLAN 2022)」を策定することにより、今後3ヵ年の経営目標を設定し、当該計画に基づき事業を推進し、社会貢献を果たすとともに、企業価値の向上に努めてまいります。
新たに策定した「中期経営計画(ACTION PLAN 2022)」の内容は、次のとおりであります。
|
第57期 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
第58期 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
第59期 (自 2024年8月1日 至 2025年7月31日) |
区分 |
計画 |
計画 |
計画 |
売上高(千円) |
6,501,981 |
7,259,721 |
7,637,725 |
営業利益(千円) |
345,690 |
389,628 |
444,677 |
営業利益率(%) |
5.32 |
5.37 |
5.82 |
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