文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは経営理念として「建設エンジニアリング※による価値創造を通して、従業員の自己実現と企業の持続的成長を目指す」を掲げています。
現在の我が国は、大量生産・大量消費による高度経済成長から多様化・環境保全による持続的成長への転換に向け、新しい社会のあり方が求められています。このような中で、当社グループは創業時から目指してきた建設施工の工業化から、建設に関わるあらゆる分野のエンジニアリング化へのステップアップをさらに推し進めています。
この経営理念の下、多様化する社会にエンジニアリングによる新しい価値を提供し続けることで、従業員一人ひとりの成長と幸福の実現、そして企業の持続的成長を目指してまいります。
※ エンジニアリングとは、工学という言葉の持つ「自然科学と人文社会科学の融合」「人間社会にとって望ましい環境を構築するという公共性」「時間、人員、予算等の経営資源とリスクの合理的なマネジメント」「環境に対する配慮(サステナビリティ)」「説明責任(アカウンタビリティ)」等を含めた広義のエンジニアリングです。
(2)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
当社グループは持続的成長を実現していくために、2030年度の目指す姿を「課題解決&価値創造型企業」と定めました。この「課題解決&価値創造型企業」とは、顧客・地域・社会が抱える課題を解決するだけにとどまらず、より良い社会を実現するために建設エンジニアリングによる新たな価値を創造・提供することで、顧客・地域そして社会の持続的発展に貢献する企業です。
この目指す姿の実現に向けて、前半5年間を既存事業の深化・進化と新規分野・領域の探索・開拓を両立推進し、後半5年間で加速度的に成長するための基盤を構築する期間と位置づけ、2021年度を初年度とする中期経営計画を掲げております。
「中期経営計画(2021年度~2025年度)」の事業方針及び数値目標等は以下のとおりです。
①.事業方針
~課題解決&価値創造型企業への変革~ |
加速度的成長に向けた「つくる(造る・創る)力」の増強と持続的成長への基盤構築 |
■ 既存事業の深化・進化 |
■ 新規分野・領域の探索・開拓 |
■ 成長を支える経営基盤の確立 |
②.数値目標(連結)
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2025年度 |
売上高 |
1,300億円 |
営業利益 |
100億円 |
③.配当方針
連結業績や財務状況を勘案しながら、継続的かつ安定的な株主還元を実施する。
自己株式の取得は成長投資の状況及び市場動向などに鑑み、必要に応じて臨機応変に実施を検討する。
[ 配当性向の目標 ]
配当性向 |
30%以上 |
④.投資計画
10年後の目指す姿の実現に向けた基盤構築のための成長投資を実施する。
[ 投資金額 ]
|
2021年度~2025年度(5年間) |
成長投資 |
約300億円 |
(3)会社の経営環境と対処すべき課題
今後の経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症による国内外への影響に加え、資源及び原材料価格の高騰、供給制約の長期化、地政学リスク等により先行き不透明な状況にあります。国内建設市場においては、公共投資は引き続き堅調に推移し、民間住宅投資や民間設備投資も回復基調にあるものの、足元の競争環境は厳しい状況が続いており、建設資材の価格高騰や供給面において今後の動向に注視する必要があります。加えて、中長期的には人口減少に伴う建設需要の減少や産業の担い手不足への対応、そしてSDGsをはじめとした社会課題の解決が求められています。
このような事業環境のなか、当社グループは中期経営計画(2021年度~2025年度)で掲げた事業方針「加速度的成長に向けた「つくる(造る・創る)力の増強」と持続的成長への基盤構築」のもと、2030年度の目指す姿「課題解決&価値創造型企業」の実現に向け取組みを推進してまいります。
建設事業におきましては、事業規模拡大に向けた生産体制の強化と事業エリアの拡大、生産性向上に向けたICT技術の活用や工業化による施工の省力化・省人化への取組み促進、ターゲット市場に対する既存技術の改良及び新規技術の開発、次なるマーケットを見据えた新規ノウハウの習得・拡充など、既存事業の深化・進化と新規分野・領域の探索・開拓を両立した取組みを推進してまいります。
不動産事業におきましては、東海圏を中心に市場ニーズに即した産業・住宅用地の開発・販売に加え、官有地活用事業や土地区画整理事業等の開発ソリューションの拡充、リニア経済圏での開発エリアの拡大、更には産業用地の開発・販売を通じた新たな事業機会の創出など、収益基盤の安定化とグループ収益の最大化に向けた取組みを推進してまいります。
また、働き方改革の更なる推進をはじめ、安全・品質レベルの向上やコーポレート・ガバナンスの強化、社会的要請に対する活動等を通じて、成長を支える経営基盤の確立にも取り組んでまいります。
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