業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、緊急事態宣言が繰り返し発出され、経済活動が停滞し、個人消費や雇用情勢が低迷する等、引き続き厳しい状況が継続し、景気の先行きは、依然として不透明な状況となりました。

建設業界におきましては、公共投資は比較的堅調に推移いたしましたが、民間設備投資は新型コロナウイルス感染症の影響等もあり、力強さが戻らず、また、資材価格の高騰や建設技術者・労働者不足の問題が継続する等、引き続き厳しい状況となりました。

このような状況の中、当連結会計年度の当社グループの売上高は、前期からの繰越工事が減少したことにより76億3千3百万円(前期比30.4%減)となり、利益面につきましては、売上高が減少したことや、資材価格が高騰したこと等により売上総利益が減少したことから、営業損失9千9百万円(前期は営業利益6億4千9百万円)、経常利益3千2百万円(前期比95.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4千5百万円(前期比91.1%減)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(セグメントごとの経営成績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。)

(建設事業)

受注工事高は81億2百万円(前期比5.1%減)となりました。完成工事高は、前期からの繰越工事が減少したことにより、73億3千7百万円(前期比31.6%減)となり、セグメント利益は、売上高が減少したことや、資材価格が高騰したこと等により、完成工事総利益が減少し、3億4千5百万円(前期比70.5%減)となりました。

(製造・販売事業等)

主にアスファルト合材の販売で、売上高は6億2千4百万円(前期比0.8%減)となり、セグメント利益は原材料価格が高騰したことにより、5千万円(前期比18.5%減)となりました。

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて2億4千6百万円減少(前期は2億4千6百万円増加)し、82億3千3百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、5億7千3百万円の減少(前期は31億1千3百万円の増加)となりました。減少した主な要因は、売上債権が増加したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、4億3千4百万円の増加(前期は1億4千5百万円の増加)となりました。増加した主な要因は、有価証券の償還による収入等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1億8百万円の減少(前期は30億1千1百万円の減少)となりました。減少した主な要因は、配当金の支払い等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(1) 受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

   至 2020年12月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

   至 2021年12月31日)

(百万円)

建設事業

8,541

8,102(5.1%減)

 

(2) 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

   至 2020年12月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

   至 2021年12月31日)

(百万円)

建設事業

10,727

7,337(31.6%減)

製造・販売事業等

232

296(27.2%増)

合計

10,960

7,633(30.4%減)

 (注)1.当社グループでは、建設事業以外は受注生産を行っておりません。

2.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

3.セグメント間の取引については相殺消去しております。

4.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりであります。

セグメント名

前連結会計年度

当連結会計年度

相手先

金額(百万円)

割合(%)

相手先

金額(百万円)

割合(%)

建設事業

国土交通省

2,104

19.2

国土交通省

1,398

18.3

建設事業、製造・販売事業等

京都府

1,655

15.1

京都府

903

11.8

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況

1. 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

 

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

 

土木

3,215

4,123

7,338

5,561

1,777

建築

4,103

4,148

8,251

4,742

3,509

7,318

8,271

15,589

10,303

5,286

当事業年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

 

土木

1,777

4,259

6,037

3,645

2,392

建築

3,509

3,490

6,999

3,430

3,569

5,286

7,749

13,036

7,075

5,961

(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

2. 受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

土木工事

2.0

98.0

100

建築工事

21.3

78.7

100

当事業年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

土木工事

0.7

99.3

100

建築工事

12.7

87.3

100

 (注)百分比は請負金額比であります。

3. 完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

土木工事

4,790

771

5,561

建築工事

1,113

3,629

4,742

5,903

4,400

10,303

当事業年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

土木工事

3,226

418

3,645

建築工事

59

3,371

3,430

3,286

3,789

7,075

 (注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度 請負金額4億円以上の主なもの

発注者

工事名称

宮津与謝環境組合

(仮称)宮津与謝広域ごみ処理施設整備及び運営事業 施設建設工事

京都府

桂川右岸流域下水道洛西浄化センター建設工事(呑龍ポンプ場土木)

積水ハウス㈱

同)ニューツーリズム・トリップベース1号本体工事

宮津市

市営住宅夕ヶ丘団地建替工事(建築主体)

京都府

宇治系送水管路更新・耐震化工事(宇治市街地第3工区)

 

当事業年度 請負金額2億円以上の主なもの

発注者

工事名称

コントラックワッツインク

在日米軍経ヶ岬レーダー基地駐屯施設建設工事(土木) (1706)

日本スーパー工業㈱

日本スーパー工業株式会社 あゆみ野本社・新工場新築工事

社会福祉法人北星会

社会福祉法人 北星会(仮称)天橋園群施設整備計画 グループホーム・デイサービス新築工事および付帯工事

国土交通省

西舞鶴道路京田ランプ橋下部他工事

国土交通省

高槻維持管内舗装修繕工事

 

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

発注者

金額(百万円)

比率(%)

国土交通省

2,104

 

20.4

 

京都府

1,285

 

12.5

 

当事業年度

発注者

金額(百万円)

比率(%)

国土交通省

1,398

 

19.8

 

京都府

901

 

12.7

 

 

 

4. 次期繰越工事高(2021年12月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

土木工事

2,370

22

2,392

建築工事

57

3,512

3,569

2,427

3,534

5,961

(注)次期繰越工事のうち8億円以上の主なもの

発注者

工事名称

工期

京都市

津知橋幹線公共下水道工事

2022年10月完成予定

学校法人京都産業大学

京都産業大学 (仮称)新本館 新築工事

2022年6月完成予定

社会福祉法人成光苑

ライフ・ステージ 夢咲新築工事

2022年3月完成予定

ニチレキ㈱

(仮称)NSBプロジェクト(工事監理業務・施工業務)

2023年4月完成予定

京都府

小倉西舞鶴線 地方道路交付金工事(新白鳥トンネル(仮称))  小倉西舞鶴線 地方道路交付金(加速化対策)工事(新白鳥トンネル(仮称))

2023年6月完成予定

 

製造・販売事業等における売上高の状況

種別

前事業年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当事業年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

製造・販売事業(百万円)

161

230

その他(百万円)

72

69

計(百万円)

233

299

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1.財政状態

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度に比べ8億8千9百万円増加し126億8千3百万円となりました。増加した主な要因は、現金預金が2億4千6百万円減少しましたが、受取手形・完成工事未収入金等が4億2千8百万円増加したことや保有する債券の償還期限が1年以内となったことに伴い投資有価証券から有価証券への振替等により4億円増加したこと等によるものであります。

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度に比べ8億9千8百万円減少し72億9千9百万円となりました。減少した主な要因は、保有する債券の償還期限が1年以内となったことに伴い有価証券への振替により投資有価証券が10億7千5百万円減少したこと等によるものであります。

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度に比べ5千7百万円増加し19億5百万円となりました。増加した主な要因は、税金等調整前当期純利益の減少により未払法人税等が減少しましたが、当期末の手持ち工事の増加により前連結会計年度に比べ支払手形・工事未払金等が増加したこと等によるものであります。

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度に比べ3千2百万円増加し9億7千5百万円となりました。増加した主な要因は、役員退職慰労引当金が2千8百万円増加したこと等によるものであります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度に比べ9千7百万円減少し171億2百万円となりました。減少した主な要因は、配当金の支払い等により利益剰余金が減少したこと等によるものであります。1株当たり純資産額は、7,779.53円(前連結会計年度は7,821.33円)、自己資本比率は83.9%(前連結会計年度は84.4%)となりました。

 

2.経営成績

(売上高)

当社グループの売上高は、前期からの繰越工事が減少したことや工事着手等の遅れ等により、76億3千3百万円(前期比30.4%減)となりました。

(売上総利益)

売上総利益は、売上高が減少したことや資材価格が高騰したこと等により、前連結会計年度に比べ50.7%減の8億3千2百万円となりました。

(営業損益)

営業損益は、売上総利益が減少したことにより、営業損失9千9百万円(前期は営業利益6億4千9百万円)となりました。

(経常損益)

営業外収益は、前連結会計年度に比べ1千5百万円減少し1億5千1百万円となりました。減少した主な要因は、雑収入が減少したこと等によるものであります。

営業外費用は、前連結会計年度に比べ1千5百万円減少し2千万円となりました。減少した主な要因は、持分法による投資損失が減少したこと等によるものです。

その結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ7億4千9百万円減少し3千2百万円となりました。

 

 

(特別損益)

特別利益は、投資有価証券の一部売却により2千7百万円となりました。

(法人税等)

法人税等は、税金等調整前当期純利益の減少等により前連結会計年度に比べ2億3千9百万円減少し1千9百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、売上総利益の減少などにより前連結会計年度に比べ4億5千8百万円減少し4千5百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の225.14円から20.82円となりました。

 

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。)

(建設事業)

受注工事高は、民間工事の受注競争激化等により受注が伸び悩み、81億2百万円(前期比5.1%減)となりました。完成工事高は、前期からの繰越工事が減少したことや工事着手等の遅れ等により、73億3千7百万円(前期比31.6%減)となり、セグメント利益は、売上高が減少したことや資材価格が高騰したこと等により、3億4千5百万円(前期比70.5%減)となりました。

(製造・販売事業等)

主にアスファルト合材の販売で、売上高は6億2千4百万円(前期比0.8%減)となり、セグメント利益は、原油価格高騰の影響を受け、アスファルト合材の原材料価格が高騰したことにより、5千万円(前期比18.5%減)となりました。

 

3.経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループとしましては、「第一部 企業の状況  第2 事業の状況  1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループでは、社会・顧客からの信用を第一とし、外部環境の変化や不測の事態にも迅速かつ適切な対応ができる健全な経営基盤を維持し、親切・丁寧なモノづくりを通じて、豊かな社会環境と安心で安全な生活空間を提供し続けるとともに、企業価値最大化を目指しコーポレートガバナンスの充実に全社一丸となって取り組んでまいります。

当社グループの業績に影響を及ぼす可能性のある事項につきましては、「第一部 企業の状況  第2 事業の状況  2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症による影響につきましては、一部の工事において一時的な工事の中断がありましたが、影響は軽微であります。新型コロナウイルス感染症を含む感染症拡大による工事の中断等が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、新型コロナウイルス感染症を含む感染症拡大を防止するため、最新情報の収集やテレワークの推進、WEBシステムの活用、衛生管理等による感染防止策を継続して徹底しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

1.キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べて2億4千6百万円減少し、82億3千3百万円となりました。その主な内容は、売上総利益の減少などにより税金等調整前当期純利益の減少及び工事進行基準による完成工事高の増加による売上債権の増加等により、営業活動によるキャッシュ・フローが5億7千3百万円の減少になりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、当社の本社隣接の新棟新設及び本社ビル耐震改修工事等により有形固定資産取得による支出が2億4千3百万円及び投資有価証券の取得による支出が2億1百万円ありましたが、有価証券の償還による収入が8億円あったため、4億3千4百万円の増加になりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により1億8百万円の減少になりました。

 

2.資本の財源及び資金の流動性の分析

当社グループの運転資金需要の主なものは、建設事業に係る工事費、製造・販売事業等に係る原材料の仕入れ、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、建設事業に係る工事機械の取得や製造・販売事業等に係るアスファルト製造工場の更新を目的とした設備投資によるものであります。

これらの全額を自己資金でまかなっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債並びに収益、費用の金額の見積りにつきましては、一定の会計基準の範囲内で必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りに不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。

重要な会計方針につきましては「第5 経理の状況  1連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項  重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

新型コロナウイルス感染症拡大による影響

当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の影響を合理的に算定することが困難であるため、新型コロナウイルス感染症の影響は会計上の見積りに反映しておりません。

 

 

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