当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
当連結会計年度におけるわが国経済は、ワクチン接種の拡大等による新型コロナウイルス感染者数の減少を受けて持ち直しの兆しもみられたが、その後、新たな変異株による感染が再拡大し、依然として厳しい状況で推移した。また、ウクライナ情勢の深刻化により、エネルギー・原材料価格の上昇や金融資本市場の変動など、景気を更に下押しするリスクに引き続き留意が必要な状況にある。
こうしたなか、当社グループの当連結会計年度の連結業績は、戦略的な営業展開に加え、大型工事の進捗による売上高の増加などにより、完成工事高が 4,284百万円増加し、売上高合計は 92,648百万円(前連結会計年度比 3,018百万円増加、3.4%増加)となった。
利益面は、増収による効果に加え、原価管理の一層の強化による売上総利益率の逓増(連結売上総利益率 15.7%から15.8%)などにより営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益の全てが増益となった。
売上総利益率の主な改善要因は、施工効率の改善や業務全般に亘る合理化・効率化によるものである。具体的には受注前原価検討の強化や選別受注、施工時の工程管理や原価低減、追加受注の獲得などが挙げられる。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
(設備工事業)
建設業界においては、首都圏・関西圏での再開発計画や地方の社会資本整備など、受注環境は比較的堅調に推移した反面、資源価格の高騰やサプライチェーンの乱れに起因する資機材価格の値上がりや調達難といった事象が発生したものの、当セグメントへの影響は、当連結会計年度では限定的なものとなった。
こうしたなか、戦略的な営業活動の展開や大型工事の順調な進捗、業務全般に亘る合理化・効率化などから、完成工事高は 86,591百万円(前連結会計年度比 4,212百万円増加、5.1%増加)、セグメント利益は 4,162百万円(同 262百万円増加、6.7%増加)となった。
(リース事業)
連結子会社 ㈱ヨンコービジネスが、工事用機械、車両、備品等のリース事業を行っている。
リース事業に含まれる割賦販売取引について純額で収益を認識する方法に変更したことなどから、売上高は 2,851百万円(同 840百万円減少、22.8%減少)、セグメント利益は 300百万円(同21百万円増加、7.6%増加)となった。
(太陽光発電事業)
当社並びに連結子会社 ㈱ヨンコーソーラー、㈱仁尾太陽光発電及び㈱桑野太陽光発電が、太陽光発電事業を行っている。
天候不順により設備利用率が低下したことなどから、売上高は 2,312百万円(同 101百万円減少、4.2%減少)、セグメント利益は 933百万円(同 63百万円減少、6.4%減少)となった。
(その他)
CADソフトウェアの販売、指定管理業務を中心に、その他の売上高は 2,164百万円(同 357百万円減少、14.2%減少)、セグメント利益は 20百万円(前連結会計年度はセグメント損失 60百万円)となった。
「中期経営指針2025」(2021年4月~2026年3月)の当連結会計年度の達成状況は次のとおりである。
当連結会計年度は、戦略的な営業展開に加え原価管理の一層の強化などにグループ一丸となって取り組んだ結果、連結ベースでは5年連続の増収、営業・経常利益は9年連続の増益となった。なお、連結ROE(自己資本当期利益率)は 、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による純資産の増加などの影響により 7.2%(前連結会計年度 7.5%)とわずかに低下したものの、営業利益とともに、同指針の初年度として、まず順調なスタートであったと認識している。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。
a.受注実績
受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注) 当社グループでは、主要事業である設備工事業以外では受注実績を定義することが困難であるため、請負形態による工事の施工を伴うものについては、セグメント間の取引も含めて設備工事業の受注実績とし、それ以外については、b.売上実績と同額を受注実績としている。
b.売上実績
売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注) 1.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の実績」は記載していない。
2.セグメント間の取引については相殺消去している。
3.売上高総額に対する割合が百分の十以上の相手先の売上高及びその割合は次のとおりである。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
設備工事業における受注工事高及び完成工事高の実績
第70期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)及び第71期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(a) 受注工事高、完成工事高、次期繰越工事高
(注) 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。
(b) 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命、競争及び四国電力㈱、四国電力送配電㈱との配電工事請負契約によるものに大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
(c) 完成工事高
(単位:百万円)
(注) 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
第70期
第71期
(d) 次期繰越工事高(2022年3月31日現在)
(単位:百万円)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。
<資産>
資産合計は、96,517百万円(前連結会計年度末比 2,480百万円減少)となった。
流動資産の減少(同 1,783百万円減少)は、関係会社預け金が 6,200百万円増加したものの、未成工事支出金が 4,089百万円減少したことや受取手形・完成工事未収入金等が 1,539百万円減少したことなどが主な要因である。
固定資産の減少(同 697百万円減少)は、時価の下落などにより投資有価証券が 940百万円減少したことなどが主な要因である。
<負債>
負債合計は、42,341百万円(同 5,088百万円減少)となった。
流動負債の減少(同 4,014百万円減少)は、支払手形・工事未払金等が 2,371百万円減少したことや未成工事受入金が 2,316百万円減少したことなどが主な要因である。
固定負債の減少(同 1,074百万円減少)は、長期借入金が 1,114百万円減少したことなどが主な要因である。
<純資産>
純資産合計は、54,175百万円(同 2,607百万円増加)となり、その変動は、配当金の支払い 1,021百万円を実施したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を 3,779百万円計上したことなどが主な要因である。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の 52.0%から 56.1%に改善し、財務の安定性は十分に確保している。
また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の 3,282.96円から 3,443.05円となった。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、営業活動による資金収入が投資活動及び財務活動による資金支出を上回ったため、前連結会計年度末に比べ 5,776百万円増加し、19,095百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益 5,807百万円の確保や未成工事支出金の減少などにより、9,918百万円の資金収入(前連結会計年度は 9,422百万円の資金収入)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
設備投資などにより、1,586百万円の資金支出(前連結会計年度は 1,747百万円の資金支出)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
借入金の返済などにより、2,554百万円の資金支出(前連結会計年度は 2,371百万円の資金支出)となった。
当社グループの資金需要については、設備工事業及び太陽光発電事業における土地、建物、機械装置等の設備投資資金、リース事業におけるリース用資産の取得資金並びにM&Aに伴う株式取得資金等である。
資金調達については、連結子会社が一部銀行借入又は社債発行を行っている以外は、自己資金によりまかなっている。
資金の流動性については、営業債権の回収、営業債務の支払ともに概ね4ヶ月以内に滞りなく処理されており、営業活動に伴う資金収入を安定的に確保している。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性のある見積りを必要とする場合がある。こうした見積りについては、過去の実績や様々な要因、仮定等を勘案し、合理的に判断しているが、見積り特有の不確実性により、実際の結果と異なる可能性がある。
詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載している。
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