当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)2021年度の事業環境
建設需要は、全国非住宅鉄骨造着工床面積が申請ベースで2019年度に前年比-12%、2020年度に-8%と2年連続で減少したが、2021年度には+13%と増加に転じる。
全国非住宅鉄骨造着工床面積の内、当社工事物件に関係する工場・倉庫においても同年度比で-12%、-4%と2年連続減少し、2021年度は+22%と増加に転じる。
(2)当事業年度の決算概要
1)業績ハイライト
売上高は、工場・倉庫などの堅調な需要に支えられ25億円(7.9%)増収
ROSは、増収による売上総利益の増加はあったものの、契約単価の減、鋼材価格等上昇により0.8%低下の7.0%
(3)財政状態、キャッシュ・フロー、配当金推移
1)財政状態
(資産)
当事業年度末の総資産は、前事業年度末比3,063百万円(10.1%)増加の33,484百万円となりました。
これは主に、現金預金、売上債権等が増加したことによるものであります。
(負債)
負債は、前事業年度末比1,915百万円(18.3%)増加の12,364百万円となりました。
これは主に、仕入債務が増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前事業年度末比1,147百万円(5.7%)増加の21,119百万円となりました。
この結果、自己資本比率は63.1%(前事業年度末65.7%)となりました。
当事業年度末における流動比率は268.6%
自己資本比率は63.1%
今後とも財務上の健全性確保及び資産効率性を高めることを推進してまいります。
2)キャッシュ・フロー
営業キャッシュ・フローは毎期黒字を計上
2019年度には借入金(10億円)を返済し無借金へ
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、10,358百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は1,903百万円となりました。
主な増加要因は、税引前当期純利益2,423百万円、減価償却費594百万円、仕入債務の増加額1,877百万円であります。
主な減少要因は、売上債権等の増加額1,724百万円、法人税等の支払額867百万円、棚卸資産の増加額469百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は304百万円となりました。
主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出254百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は539百万円となりました。
主な減少要因は、配当金の支払額501百万円であります。
3)配当金推移
130円配当を継続
4)資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、工事施工に必要な材料、外注加工費、製造関連費等の施工原価及び一般管理費等の費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、屋根事業及び建材事業に係る成型機等の取得を目的とした設備投資によるものであります。また、株主還元については、業績に応じた利益配分を基本とした配当政策に基づき実施しております。
5)資金調達
当社は、運転資金及び設備投資による資金需要を自己資金でまかなっております。
また、適切な現預金残高を維持することに加え、一時的な資金不足に備え、主要取引銀行とのコミットメントライン契約により、充分な流動性を確保しております。
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は10,358百万円となっており、重要な有利子負債はありません。
(4)セグメントごとの経営成績
(屋根事業)
屋根事業は長尺屋根工事、R-T工事、ハイタフ工事、ソーラー工事、塗装工事及び長尺成型品販売を行っております。
セグメント売上高は、前年同期比2,406百万円(8.4%)増収の31,115百万円となりました。
セグメント利益は、前年同期比222百万円(9.3%)減益の2,171百万円となりました。
(建材事業)
建材事業は住宅成型品販売を行っております。
セグメント売上高は、前年同期比122百万円(3.5%)増収の3,575百万円となりました。
セグメント利益は、前年同期比138百万円(202.8%)増益の206百万円となりました。
(その他)
その他は太陽光により発電した電力を電力会社に卸売りする事業を行っております。
セグメント売上高は、前年同期比4百万円(5.8%)増収の80百万円となりました。
セグメント利益は、前年同期比9百万円(24.0%)増益の47百万円となりました。
(5)施工、受注及び売上の状況
当事業年度における施工実績を工事種類ごとに示すと、次のとおりであります。
当事業年度における受注実績及び受注残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
3)売上実績
当事業年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引はありません。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これら見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、以下に記載の項目は翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクは小さいと判断しております。
1)重要な収益及び費用の計上基準
完成工事高の計上は、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転することから、期間がごく短い工事を除き、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合(インプット法)に基づいて行っております。
インプット法による完成工事高計上においては工事原価の合計の見積りにより収益及び損益の額に影響を与えます。工事原価の合計の見積りは当初は実行予算によって行います。実行予算作成時には、作成時点で入手可能な情報に基づいた気象条件、施工条件、資材価格について仮定を設定し、作業効率等を勘案して工種毎に詳細に積み上げることによって工事原価の合計を見積ります。工事着工後は各工事において実際の発生原価と対比して適時・適切に工事原価の合計の見直しを行っており、工事原価の合計について検討・分析を実施しております。
また、完成工事高計上においてはインプット法を採用しており、実際の工事の進捗状況と累計発生原価率との乖離が疑われる場合には、その要因を調査・検討することで計上額が妥当であることを検証しております。
このように気象条件、施工条件、資材価格、作業効率等さまざまな仮定要素があり、それらについて適時・適切に見積りを行っておりますが、将来の損益は見積金額と異なる場合があります。
2)完成工事補償引当金
完成工事に係る契約不適合責任等の費用に備えるため、過年度の実績率を基礎に将来の支出見込を勘案し、特定の物件については個別に発生見込額を考慮し、算定額を計上しております。
支出見込額の算定に際しては現在入手可能な情報(過去の実績、補修方法等)及び保険契約を基礎として算定しておりますが、見積りを超える瑕疵及び支出が発生した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。
3)固定資産の減損
固定資産の減損会計の対象となる建物、構築物、機械及び装置、工具器具・備品並びに土地等を保有しております。減損の兆候の把握、認識の判定は慎重に実施しておりますが、受注状況や市場環境の変化等により、将来キャッシュ・フローの総額の見積りが帳簿価額を下回った場合に、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(7)2022年度業績予想
事業環境
・需要環境として全国非住宅非鉄骨造着工床面積は回復傾向
・鋼材価格等はさらなる上昇を懸念
・期首受注残高は高いものの、2021年度受注競争激化の中での受注単価下落により収益力は低下傾向
対策
・好転した需要環境下、営業強化による受注量の増加
・鋼材価格上昇の受注単価へのタイムリーな転嫁
・集中購買の実行
・更なるコスト低減努力
・増加した工事量の着実な実行
2022年度業績予想
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