業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、国内外における新型コロナウイルス感染再拡大の影響から経済活動が制限されたこと等により厳しい状況が続きました。政府の経済対策やワクチン接種の進捗等により、厳しい状況が徐々に緩和され、景気は持ち直しの動きが見られたものの、資材・物流の供給面での制約等、先行きは不透明な状況にあります。

建設業界におきましては、政府建設投資は微減、民間建設投資は増加の傾向がみられ、建設投資全体としては堅調に推移しておりますが、人材需要の高まりや資材価格の上昇等への適切な対応が必要な状況です。

このような状況のもと、当社グループでは、「第7次中期経営計画」に基づき、コア事業の収益力強化と新たな事業機会の創出、省CO2化事業・エネルギー事業での顧客基盤拡大、及びDX推進の一環としてリモート現場管理による施工の効率化等に尽力してまいりました。また、指名・報酬委員会設置による経営の透明性確保、ESG推進体制の構築によるサステナビリティへの対応を図るとともに企業価値の向上に努めてまいりました。

以上のような取り組みの結果、受注高につきましては、顧客への積極的な営業展開による大型工事の受注、新型コロナウイルス感染症による営業活動への影響が低下したことから、前連結会計年度比6.2%増の789億24百万円となりました。

売上高につきましては、前期からの繰越工事に加え、当期受注工事が堅調に進捗したこと等により、前連結会計年度比3.3%増の754億97百万円となりました。

利益につきましては、一部大型工事での施工効率化及び原価低減施策の実施等により、営業利益は前連結会計年度比41.7%増の56億62百万円、経常利益は前連結会計年度比34.1%増の61億63百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比42.2%増の43億72百万円となりました。

なお、セグメント別の業績は次のとおりであります。

1.設備工事事業

売上高は670億99百万円(前連結会計年度比3.9%増)、営業利益は51億54百万円(前連結会計年度比43.4%増)となりました。

2.設備機器販売事業

売上高は60億70百万円(前連結会計年度比6.9%減)、営業利益は3億56百万円(前連結会計年度比1.6%減)となりました。

3.設備機器製造事業

売上高は23億28百万円(前連結会計年度比16.7%増)、営業利益は1億35百万円(前連結会計年度比332.3%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、17億3百万円の収入(前連結会計年度比90億67百万円減少)となりました。これは主に売上債権が増加したこと等によるものであります。

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2億69百万円の支出(前連結会計年度比4億41百万円減少)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出が増加したこと等によるものであります。

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、28億67百万円の支出(前連結会計年度比9億27百万円減少)となりました。これは主に自己株式の取得による支出が増加したこと等によるものであります。

以上により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、329億65百万円(前連結会計年度末比14億33百万円減少)となりました。

③生産、受注及び販売の状況

a.受注高

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前連結会計年度比

(百万円)

(百万円)

(%)

設備工事事業

65,804

70,505

7.1

設備機器販売事業

6,521

6,070

△6.9

設備機器製造事業

1,976

2,348

18.8

74,302

78,924

6.2

(注)  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

b.売上高

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前連結会計年度比

(百万円)

(百万円)

(%)

設備工事事業

64,603

67,099

3.9

設備機器販売事業

6,521

6,070

△6.9

設備機器製造事業

1,994

2,328

16.7

73,119

75,497

3.3

(注)1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

3  売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

西日本電信電話㈱

7,492

10.2

8,033

10.6

㈱NTTファシリティーズ

7,950

10.9

7,333

9.7

 

 

なお、提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

設備工事事業における受注工事高及び売上高の状況

① 受注工事高、売上高及び次期繰越工事高

 

期別

区分

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

(百万円)

当期売上高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

空調工事

29,573

37,403

66,976

37,564

29,412

衛生工事

16,309

13,575

29,884

14,915

14,969

電気工事

5,401

14,747

20,148

11,702

8,446

51,284

65,725

117,009

64,181

52,828

当事業年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

空調工事

29,412

40,036

69,448

37,770

31,678

衛生工事

14,969

15,233

30,202

14,580

15,621

電気工事

8,446

15,235

23,682

14,747

8,934

52,828

70,505

123,333

67,099

56,234

(注)1  前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。

2  次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期売上高)であります。

 

② 受注工事高の受注方法別比率

  工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

 

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

 

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

空調工事

20.0

37.7

57.7

衛生工事

8.6

11.1

19.7

電気工事

8.4

14.2

22.6

37.0

63.0

100.0

当事業年度

 

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

空調工事

15.5

40.7

56.2

衛生工事

7.1

14.9

22.0

電気工事

9.6

12.2

21.8

32.2

67.8

100.0

(注)  百分比は請負金額比で示しております。

 

③  売上高

 

期別

区分

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

(百万円)

前事業年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

空調工事

3,569

33,994

37,564

衛生工事

1,055

13,859

14,915

電気工事

960

10,742

11,702

5,585

58,596

64,181

当事業年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

空調工事

1,444

36,326

37,770

衛生工事

576

14,003

14,580

電気工事

976

13,771

14,747

2,997

64,101

67,099

(注)1  売上高のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度

千葉大学(亥鼻)医学系総合研究棟整備計画

 

空調設備工事

清水建設㈱

(仮称)大阪市北区大淀南2丁目計画

 

空調・衛生設備工事

㈱竹中工務店

川崎駅西口開発計画

 

衛生設備工事

大成建設㈱

豊洲6丁目4-3街区ホテル計画

 

空調設備工事

清水建設㈱

上郡町役場本庁舎ZEB化事業設計施工業務

 

空調・衛生・電気設備工事

上郡町役場

 

当事業年度

(仮称)北品川5丁目計画

 

衛生設備工事

清水建設㈱

(仮称)西五反田3丁目プロジェクトA棟新築工事

 

空調・衛生設備工事

㈱竹中工務店

(仮称)神田和泉町計画

 

空調・衛生設備工事

鹿島建設㈱

(仮称)東桜1-1再開発計画新築工事

 

電気設備工事

清水建設㈱

GLP相模原プロジェクトSITE1(倉庫棟)

 

空調・衛生設備工事

㈱竹中工務店

 

2  売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

西日本電信電話㈱

7,492百万円

11.7%

 

当事業年度

西日本電信電話㈱

8,033百万円

12.0%

 

 

④  次期繰越工事高(2022年3月31日現在)

 

区分

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

(百万円)

空調工事

2,233

29,445

31,678

衛生工事

461

15,160

15,621

電気工事

993

7,940

8,934

3,687

52,546

56,234

(注)1  次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。

 

 

完成予定年月

(仮称)三田三丁目・四丁目地区市街地再開発事業 複合棟-1

 

空調設備工事

㈱大林組

(2022年9月)

(仮称)札幌HBC跡地開発計画

 

空調・衛生・電気設備工事

大成建設㈱

(2024年2月)

品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)1街区

 

空調設備工事

㈱フジタ

(2025年1月)

(仮称)西濃厚生病院施設整備事業

 

空調・衛生設備工事

五洋建設・西濃建設

(2023年10月)

(仮称)住友不動産新宿南口計画

 

空調・衛生設備工事

清水建設㈱

(2024年2月)

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

〔資産〕

当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前連結会計年度末より13億28百万円増加し、874億66百万円となりました。

資産増加の主な要因は、流動資産が増収等に伴う受取手形・完成工事未収入金等の増等により前連結会計年度末比21億43百万円増加したものの、固定資産が上場株式の株価下落等による投資有価証券の減等により前連結会計年度末比8億14百万円減少したためであります。

 

〔負債〕

当連結会計年度末における当社グループの負債総額は、前連結会計年度末より5億12百万円増加し、240億57百万円となりました。

負債増加の主な要因は、前連結会計年度末より支払手形・工事未払金等が減少したものの、増益等により未払法人税等、賞与引当金がそれぞれ増加したことなどによるものであります。

 

〔純資産〕

当連結会計年度末における当社グループの純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益43億72百万円の計上等により、634億9百万円となりました。

 

②経営成績の分析

〔受注高〕

受注高につきましては、前連結会計年度比6.2%増の789億24百万円となりました。主な要因は、設備工事事業が47億0百万円増加したことによるものであります。

 

〔売上高〕

売上高につきましては、前連結会計年度比3.3%増の754億97百万円となりました。主な要因は、設備工事事業が24億95百万円の増収となったことによるものであります。

 

〔営業利益〕

営業利益につきましては、前連結会計年度比41.7%増の56億62百万円となりました。主な要因は、工事採算の改善等により設備工事事業の売上総利益が15億60百万円増加したこと等によるものであります。

 

〔経常利益〕

経常利益につきましては、前連結会計年度比34.1%増の61億63百万円となりました。主な要因は、営業利益が増加したこと等によるものであります。

 

〔税金等調整前当期純利益〕

税金等調整前当期純利益につきましては、前連結会計年度比39.2%増の64億5百万円となりました。主な要因は、営業利益、経常利益の増加に加え、投資有価証券売却益等の特別利益を計上したことによるものであります。

〔親会社株主に帰属する当期純利益〕

上記により、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比42.2%増の
43億72百万円となりました。この結果、1株当たり当期純利益は前連結会計年度の128円90銭に対し、184円02銭となり、当連結会計年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は183円25銭となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの主な運転資金需要は、工事に係る材料費・外注費、商品販売に係る製品の購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用及び税金の支払い等であります。営業費用の主なものは、人件費、地代家賃等であります。設備資金については、多額の資金需要はありません。

運転資金及び設備資金は、自己資金を原資としておりますが、債権回収と債務支払いのタイミングのズレから資金が必要になった場合、短期借入金で調達します。運転資金を機動的に調達するため、取引銀行3行と当座貸越契約(当座貸越極度額51億円)を締結しております。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

 

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