課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社企業グループが判断したものでありま

  (1)経営方針

当社はビルのコンクリート外壁をオーダーメードでつくる、プレキャストコンクリートカーテンウォールのメーカーです。1960年代に後発メーカーとして参入後、たゆまぬ営業努力を重ねて業界シェアトップになり、茨城県の工場新設による生産設備増強、関西進出、人材採用・育成により、提案力・品質管理能力・生産能力等の面で、抜きんでた存在になりました。
  従来、お客様の要望に応じて、石やタイルを張ったり、塗装したりする製品を作ってまいりましたが、コンクリートの調合を工夫して、様々な色やテクスチャーの素地をそのまま見せるアーキテクチュラルコンクリートを積極的に設計事務所に提案し、多数採用していただいております。また、フェロクリートという35ミリという薄さのルーバーを実現できる技術の提案により、採用されるケースが出てきています。
 今後も日射を遮る庇(ひさし)形状のPC版や、海外の技術も取り入れた提案営業を強化し、都市の景観を革新してゆきます。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は景気低迷期を除き、経常利益率10%以上を目標にしています。景気低迷期は5%以上を目標とします。

 

(3)中期的な会社の経営戦略

 当社は、PCカーテンウォール事業の人材強化を続け、設計事務所やゼネコンの方々のリクエストに愚直に応え、また提案を続けることで、デザインおよび環境性能で世界をリードすることを目指します。また、プール事業も人材強化をすすめて、長期にわたり、新築、メンテ需要に対応できる体制を整えたいと考えています。

 

(4)経営環境

 現在は建設業界の低迷期に入っていることに加え、一部素材が海外から十分に調達できないため、関東、関西とも工場の稼働率が低下しています。今後、固定費負担が重くなり、採算が悪化する見込みです。また、同業他社との競争も再燃しており、受注単価が下落しています。ガラスや押出成形版といった他部材も伸長してきています。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 日本の建設業界では、従事者の高齢化、若年層のホワイトカラー志向の高まりで、人手不足が顕著になってきており、技術の継承がままならなくなってきています。
 PCカーテンウォール業界でも高齢化が進んでおり、業界の将来が懸念されています。幸い当社は安定して新卒、中途を採用できているので、しっかり人材を育成し、顧客の期待に応え続けられるような体制をつくります。

 また、日射を遮る庇(ひさし)形状のPC版や、タイル張PC版の打音検査義務の緩和や、 SDGsに対応した壁形式などを適切にPRして、採用面積の増加に努める所存です。

 アクア事業においては、縮小傾向にあるマーケットですが、ベテランの再雇用や閑散期のPC事業人材の活用により、営業力を上げて、受注拡大を目指します。
 今後、厳しい経営環境が続く見込みではありますが、安心して働ける環境を整え、人材を充実させ、提案営業を強化することによって、「全従業員の物心両面の幸福を追求し、社会の進歩発展に貢献する」という理念を追求する所存であります。

 

(6)新型コロナウイルス感染症の影響について

 新型コロナウイルス感染症が当社企業グループに与える影響につきましては、長期的には景気の低迷が建設需要を下押しすることはほぼ確実と認識しております。また、テレワーク普及に伴いオフィスビル需要の低下の可能性があることが懸念されております。これらはカーテンウォール業界、プール業界双方にマイナスの影響があることが予想されております。
 マイナス要因は多々ありますが、安定した財務基盤のある当社は、従来と変わらず着実に人員強化をすすめ、また、新たな素材の探求・CO2削減技術の研究や工場内の展示スペースの拡充によるPR力向上につとめ、景気が再び浮揚する際は、より多くの顧客からのリクエストをさらに幅広く対応できる態勢をつくれるように努力を重ねる所存であります。

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