以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。
当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限り発生の防止に努め、また発生した場合には的確な対応に努めていく所存であります。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
A.当社グループの事業について
(a)経済環境・不動産市況が悪化する可能性について
当社グループの事業領域の柱の一つである金融市場につきましては、世界的な金融・経済危機の後、日本国内における経済の基礎的条件(株価や企業収益等)は順調に回復してきているものの、中国及び新興国における経済成長の減速、中東諸国における政情不安、EU諸国における経済不安により世界的な金融・経済不安が再発した場合、当社グループの投資活動ならびに当社グループが組成・運用する私募ファンド等の投資家及びノンリコースローンの出し手である金融機関の対応が停滞する可能性があり、当社グループの収益が圧迫されるおそれがあります。
また、当社グループにおいて、不動産市況の動向は大きな影響を持つ経済指標のひとつとなっております。当社グループでは不動産市況の影響を極力軽減すべく、市況の動きに注意を払うとともに、投資対象の多様化を図っておりますが、不動産市況が当社グループの予測を超え、当初想定した以上に資産価値が下落する事態となった場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(b)大規模災害について
台風、津波、洪水、地震等の大規模自然災害の影響が、当社グループが保有する不動産、アセットマネージャーとして運用管理する不動産及び当社グループが保有している投資資産に及んだ場合には、各々の資産価値が大きく毀損する可能性があり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(c)借入金について
当社グループが管理・運用するSPCは、金融機関からのノンリコースローンにより資金を調達する場合があります。従来、当社グループのファイナンスアレンジメントによりノンリコースローンを調達する場合は、通常、固定金利にて調達を行っており、金利の上昇によるファンドパフォーマンスへの影響は排除しておりましたが、今後、当社グループが新規のSPC組成にあたって、ノンリコースローンにより資金調達する場合、金利上昇による支払利息の増加に伴い、SPCの収益等に影響を与えることにより、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(d)出資・貸付について
当社グループは、SPCへノンリコースローンに返済が劣後する匿名組合出資・投資事業有限責任組合出資、または貸付を行う場合があります。また、営業上の目的で事業会社へ出資または貸付を行う場合もあります。当該出資・貸付は、当社グループによる緻密なデュー・ディリジェンスに基づき行っておりますが、通常の販売債権等に比して信用リスクが高いと考えられていることや、出資・貸付先の財務状態の悪化等があった場合、投下資本等の回収が困難となることから、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(e)競合
当社が投資する対象について、競合他社との比較において相対的に魅力が低下し、計画した投資が出来ない場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(f)税務・会計制度について
不動産の流動化・証券化取引は、世界的な金融・経済危機により、その取引に係る税務・会計上の法規や基準等の制度は細部に至って規制が強化されております。当社グループでは、個別案件の取組に際し、取引に係る税務・会計上の処理及びスキームが及ぼす影響について、都度、税理士・公認会計士等の専門家とともに慎重な検討・判断を行っております。しかしながら、今後、取引に係る税務・会計制度が新たに制定された場合や現行法規等の解釈に変化が生じた場合には、当社グループの業績及び今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
(g)ノンリコースローンにかかる補償のリスクについて
当社グループがアレンジメント及びアセットマネージメント業務を行うSPCが不動産を取得する場合、当該SPCは金融機関からノンリコースローンにより資金を調達する場合があります。
SPCがノンリコースローンにより資金を調達する際、当該SPC及びアセットマネージャー等借入側関係者による詐欺行為や故意・重過失による不法行為、環境に関する法令や危険物規制に関する法令の違反等、貸付人の要求する一定の事態が生じた場合、かかる事態より発生した貸付人の損害等を当社グループが補償するとした内容文書を貸付人へと提出するのが通常です。
上記補償責任は、ローン債務の履行を一般的に保証するものではありませんが、補償対象となる事態の発生により貸付人に損害が発生した場合には、当社グループが補償責任を負い、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(h)連結範囲の変更について
当社グループが管理・運用を行っているファンドは、2006年9月8日付で「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 実務対応報告第20号)また、2011年3月25日付で「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準委員会 企業会計基準第22号)が改正され、特別目的会社が子会社に該当しないという特例の要件が見直されたものの、今後、上記会計基準の変更等により、上記以外の当社グループ組成のファンド及びSPCが当社グループにより実質的な支配がなされているとみなされた場合には、当該ファンド及びSPCが連結対象となり、当社グループの財務状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(i)収益構造について
当社グループの主たる事業である投資事業、アセットマネージメント事業における主な収益は、当社の保有する不動産の賃料収入及びファンドからの管理フィーであります。今後、保有不動産、ファンド及びSPCの資産規模や運用額が順調に拡大した場合には、当社グループの収益に貢献する一方、当社グループが管理・運用するファンド及びSPCのパフォーマンスが様々な要因により低下することにより、当社グループが管理・運用するファンド及びSPCの評価が低下し、資産規模が順調に拡大しない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
B.当社グループの事業体制について
(a)特定個人への依存度について
前連結会計年度において当社が進めて参りました事業のリストラクチャリングにおいて、当社人員についても削減を行っておりますので、現在のところ、代表取締役社長を含む特定役職員に対する依存度はより高くなっており、何らかの理由により代表取締役社長を含む特定役職員のうちのいずれかが業務遂行不可能となった場合、当社グループの業績及び今後の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(b)小規模組織であることについて
当社グループは当連結会計年度末現在において、従業員28名と組織が小さく、内部管理体制も当該組織規模に応じたものになっております。これまでも事業拡大に伴い人員増強を図って参りましたが、引き続き内部管理体制もそれにあわせて強化・充実させていく予定であります。
しかしながら、採用活動が計画どおり進行しない場合、事業規模に適した組織体制の構築で遅れが生じ、その結果、当社グループの業務遂行及び事業拡大に影響を及ぼす可能性があります。
(c)人材の確保・維持について
当社グループの業務は高度なノウハウを必要とする特殊な業種でありますので、当社グループの成長速度に伴い人材の確保を進めることは、経営上の重要な課題となっております。今後も、事業拡大に伴い積極的に優秀な人材の採用、社内教育は継続していく方針ですが、現在在職している人材が一度に流出するような場合、または当社グループの求める人材が十分に確保できなかった場合、今後の事業拡大及び将来性に影響を及ぼす可能性があります。
C.法的規制について
当社グループが行う事業につきましては、直接的または間接的に以下の法令等による規制を受けております。しかしながら、今後、これらの法令等の解釈の変更及び改正が行われた場合、また、当社グループが行う事業を規制する法令等が新たに制定された場合には、事業内容の変更や新たなコスト発生等により、当社グループの業績及び今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が取得している以下の許認可(登録)につき、当連結会計年度末現在において、事業主として欠格事由及びこれらの許認可(登録)の取消事由に該当する事実はないことを認識しておりますが、今後、欠格事由または取消事由に該当する事実が発生し、許認可(登録)取消等の事態が発生した場合には、当社グループの業務に支障をきたすとともに業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(a)当社グループの事業活動に直接的または間接的に関係する主な法的規制
(b)当社グループの得ている免許・登録等
①ランド・ベスト株式会社
②セブンスター株式会社
D.継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、前連結会計年度において、重要な営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、当連結会計年度においても、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。また、当連結会計年度末日において、大阪地方裁判所の調停に基づく解決金債務が存在しております。これらの状況から、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社グループは、当該状況を早期に改善・解消すべく、以下の対応策を実施してまいります。
・新規事業での収益獲得
セブンスター株式会社が有する、不動産特定共同事業法に基づく「不動産特定共同事業」の許可と不動産クラウドファンディングに必要不可欠なプラットフォームを活用し、地域創生・活性化事業強化に向けた投資家アクセス(調達手段)と取得アセットの多様化の双方を実現することで、ストック収入モデルの強化を図ります。
なお、当連結会計年度において、セブンスター株式会社の取得に係るのれんの評価について、当初取得時に企業価値算定に用いた事業計画の進捗に遅れが生じていることから、会計監査人からの指摘を受け、会計上の見直しを行っております。
当社といたしましては、現時点において、セブン社が行う下記事業の事業性及び将来性について評価を変えたものではありません。
・既存事業での収益獲得
不動産事業においては、引き続き、国内不動産を中心に、中古アパートメント等の小型物件をターゲットとして各顧客層のニーズに合った不動産の流通に取り組み、収益獲得を目指してまいります。ゴルフ場運営につきましては、継続したコスト削減と営業努力により、売上高及び営業利益の増加を目指してまいります。
また、新型コロナウイルス感染拡大の受け、感染予防対策用の除菌水の卸売事業などの新規事業にも積極的に取り組んで収益獲得を目指してまいります。
・資金繰りの悪化の解消と財務の安定化
令和4年4月12日適時開示の「第三者割当による第13回新株予約権及び第3回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行並びに第三者割当契約締結に関するお知らせ」にありますとおり、第三者割当により発行される第13回新株予約権及び第3回無担保転換社債型新株予約権付社債の募集を行うことについて決議いたしました。
これにより、1,601百万円の資金を調達いたしますが、引続き、業務の効率化を図ると共に収益に見合った組織体制・コスト構造への転換を進め、コスト削減を徹底して支出の削減を図ってまいります。また、未回収債権等の早期回収も図ることで資金繰りの悪化の解消と財務の安定化を図ってまいります。
しかしながら、上記のすべての事業が計画通り実現するとは限らず、これらの対応策の実現可能性は、市場の状況、需要動向、他社との競合等の影響も受けることや、資金調達や事業計画の達成如何にも左右されるため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。
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