課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  (1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、1976年の創業以来「社会の問題点を解決する」という不変の企業理念のもと、パソナグループの「使命」、「行動指針」に基づいて、人々の心豊かな生活を創造する「Smart Life Initiative」の実現を目指し、持続可能な社会の発展に貢献すべく様々な事業活動に取り組んでおります。

 

 

 

企業理念

 

 「社会の問題点を解決する」
 
私たちパソナグループの仕事は、『人を活かす』こと、
人々の心豊かな生活の創造、すなわち『ライフプロデュース』です。
私たちは、この役割を果たすため、
常に高い志と使命感をもち、新たな社会インフラを構築し、
果敢に挑戦し続けることを使命とします。

 

一、 誰もが自由に好きな仕事を選択し、一人ひとりの人生設計に
 あわせた働き方ができる社会を築く

一、 会社と個人がお互いに対等な関係で結ばれ、
 自由に才能を活かせる社会を目指す

一、 ダイバーシティを推進し、一人ひとりが
 夢と誇りを持って活躍できる機会を創造し続ける

 

 

 

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループの仕事は「人を活かす」こと、人々の心豊かな生活の創造、すなわち「ライフプロデュース」です。「ソーシャルソリューションカンパニー」として、多様化するニーズに対応し、社会から必要とされる会社であり続けるとともに、グループ連携とシナジー創出によって企業価値を高め、持続的な成長と収益性の向上に努めてまいります。

 

(3)会社の対処すべき課題

①BPOサービスの更なる拡大、DXの推進
 当社グループでは、様々な企業や団体の総務・庶務、経理・財務などの各種事務業務を受託しBPOサービスを提供しております。生産年齢人口が減少する我が国において、業務の生産性の向上や効率化を推進する動きは、経済状況の変動に関わらず引き続き高い関心が寄せられています。また経済状況の変動に応じて、迅速かつ効果的な対応が求められる環境下では、定められた期間に外部人材や外部リソースを有効活用するプロジェクト型の業務領域も拡大しています。
 当社グループは、ますます多様化する経営課題に対して、グループ連携を強化することでサービス提供の領域を拡げるとともに、Xtechを推進しRPAやAIなどのデジタルツールの活用によりBPOサービスのDXを加速させ、より付加価値の高いサービスの提供を目指してまいります。デジタルサービス推進の取り組みについては、当社ホームページの「パソナグループDX白書 2022」に掲載しております。

https://www.pasonagroup.co.jp/company/dx.html

 

②人生100年時代のキャリア形成の支援強化

 日本は「人生100年時代」を迎え、労働力人口に占める45歳以上の割合が年々増加し、定年後の65歳以上も継続的に働き続けるシニア人材が増加しています。また昨年施行された改正高齢者雇用安定法では、企業は70歳まで従業員の就業機会を確保することが義務付けられました。
 こうした中、当社グループではシニア層の人材派遣事業や経験豊富な人材を企業の顧問や社外役員としてマッチングするプロフェッショナル・顧問人材のマッチングサービスが年々拡大を続けています。また兼業や複業による就業など、多様な働き方を支援するサービスも拡充しています。加えて、企業に対しては従業員の多様なキャリア形成を支援する「セーフプレースメント・トータルサービス」の提供など、企業のリカレント教育や人的資本経営を支援するサービスメニューの拡充に努めてまいります。
 

③持続可能な社会に向けた地方創生事業の推進

 当社グループは、2020年9月に本社機能の一部を兵庫県淡路島に段階的に移転することを発表し、拠点分散によるBCP(事業継続計画)対策を進めるとともに、コロナ禍の影響を受けた若者や就労が困難なひとり親家庭の方、経験豊富なシニア世代など、幅広い方々が活躍できる就労プログラムを開始しました。また兵庫県淡路島では、世界各国から優秀な若者や社会起業家が集い、新たな産業の創造と地方創生の実現を目指す「Awaji Youth Federation(淡路ユースフェデレーション)」を実施するなど、多彩な人材が活躍する人材誘致による地方創生を目指して、様々な取り組みを開始しています。
 また、当社グループは世界各国から多くの方が訪れる2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の企業・団体によるパビリオンに出展いたします。パビリオン「PASONA Natureverse」では、「医療/食」「生きがい/思いやり」「働く/互助」をテーマに、私たちが生かされている自然界に感謝を表すとともに、淡路島と大阪を結んで、更なる地方創生の実現を加速してまいります。

 

(4)サステナビリティ経営の推進

 当社グループは「社会の問題点を解決する」を企業理念に、サステナブルな社会の実現を目指して事業活動に取り組むと共に、当社グループの持続的な成長に向けてサステナビリティ経営を推進しております。2021年には、サステナビリティに取り組む意義や目指す未来の姿を明確化するために「Pasona Group Sustainability」として明文化、グループの共通認識としております。ESG・サステナビリティに関する取り組みについては、当社ホームページに掲載しております。

https://www.pasonagroup.co.jp/ir/esg.html

 


 

 

① 持続可能な地球環境への取り組み

 

当社グループは、政府主導の「チーム・マイナス6%」プロジェクトが開始された2005年より、グループ各社の役職員で構成する「環境委員会」を設置。以来、次世代に健全で美しい地球を残すため、役職員への環境教育はもとより、一人ひとりが「ソーシャルアクティビスト」として活動する機会の創出に取り組んでまいりました。

近年、世界レベルでの環境破壊や地球温暖化、異常気象、生態系の破壊などが深刻化する中、ソーシャルソリューションカンパニーとして、パソナグループが目指すサステナブル経営のあり方を発信し、社会から信頼されるロングセラーカンパニーであり続けるために、2021年6月に「パソナグループ環境イノベーション戦略」を策定し、同年7月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明いたしました。

2021年11月には「環境マネジメント推進会議」を発足し、気候変動に関するシナリオ分析およびリスクと機会による事業インパクトの明確化を実施しております。

今般、この結果を踏まえ、TCFD提言に沿った気候関連情報を開示いたします。

 

a. CO 2 排出削減に向けた主な取り組み

グループ全体でCO2排出の削減に向けて、積極的な省エネ活動を推進しております。社有車はハイブリッド車や電気自動車に積極的に切り替えを行っているほか、オフィスにおいて再生可能エネルギーの利用を進めております。また、社員手帳のアプリ化、契約書や紙資料の電子化、役員会をはじめとする会議でのタブレット端末の使用など、全社で紙資源の削減を推進しております。職場内はもとより、個人、家庭でのエコ活動を促進する「カイゼンチャレンジ」活動や、国内外での環境保全活動を通じた役職員一人ひとりの行動変容によってCO2排出の削減に努めております。2022年5月期は、エコカー導入や紙書類の電子化、環境保全活動などの活動により、240トンのCO2を削減いたしました。

b. 環境への取り組み

グループ全体の環境問題への意識の向上と行動変容を促すことを目的に、全役職員を対象に環境教育を実施し、年間8,000名が受講いたしました。また、環境保全に対する取り組みとして、地球温暖化防止への貢献や植樹、里山保全、環境美化をはじめとする活動を推進しております。こうした海や山での活動を2022年5月期は国内外で245件実施し2,695名の従業員が参加いたしました。また、資源循環に対する取り組みとして、生ごみを捨てずに循環する資源として活用するコンポストを取り入れ、兵庫県淡路島で運営する店舗で廃棄される生ごみを堆肥化して資源に変え、農場で使用する取り組みを行っております。従業員に対しても環境教育のコンテンツとして活動を推進し、社内に「コンポスト部」を新設するなど、各家庭で個々人が環境問題に取り組むことができる機会を設けております。

c. 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応

<ガバナンス>

環境マネジメント推進会議では、気候変動課題における現状確認及び対応の方針とアクションプランを策定しております。リスクマネジメント委員会では、気候変動のリスクマネジメントに関する事項についての審議を行い、内部監査部門は各部門や関係会社に対する環境監査を実施しております。取締役会は、気候変動に関する重要な事項について、環境マネジメント推進会議から報告を受け適切な助言を行うことで、モニタリングを実施しております。


 

<戦略>

当社グループでは、複数の気候変動シナリオ(1.5~2℃と4℃)に基づき、2030年におけるリスクと機会を分析しました。シナリオ分析においては、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)や国際エネルギー機関IEA(International Energy Agency)、環境省等が発行するレポートを参照しています。シナリオ分析における分析プロセスと特定した主要なリスク・機会は以下のとおりです。


 

特定したリスク・機会について、具体的なシナリオを描き、事業への財務的影響を定量的かつ定性的に検証した結果、当社グループが、今回のシナリオ分析を経て特定した主要なリスク・機会とその対応方針は以下のとおりで、事業に影響を及ぼす重大なリスクは特定されませんでした。今後も継続的に評価の見直しと情報開示の充実を進めてまいります。


 

<戦略(機会)>

国内外において脱炭素に向けた動きが加速し、特に上場企業においては、気候関連財務情報の開示や、サプライチェーンも含めたカーボンニュートラルの実現を目指した対応が求められています。しかしながら、多くの企業ではCO2排出量可視化のノウハウはもとより、それに伴う煩雑な作業を行うリソースが不足しているのが現状です。また、従業員へのSDGs教育も課題のひとつとなっています。
 当社連結子会社のキャプラン株式会社では、CO2排出量の可視化や関連業務を支援する「BPOサービス」と、従業員への「環境研修サービス」を提供しております。

環境問題・気候変動関連の企業向け研修

キャプラン株式会社の幅広い講師ネットワークや、パソナグループ各社で8,000 名以上の役職員を対象に実施してきた環境教育のノウハウを活用し、各企業の課題に合わせてカスタマイズした「環境研修サービス」を提供しております。社内の意識改革を図ると共に環境領域で新しい挑戦を担う人材を育成してまいります。

CO 2 排出量の可視化

キャプラン株式会社の「CO2排出量可視化BPOサービス」では、GHG(温室効果ガス)の排出量算定・可視化クラウドサービスのほか、当社グループの有するBPOサービスのノウハウを組み合わせて、CO2排出量の可視化をシステムとオペレーションの両面から支援しております。

 

<リスク管理>

当社グループでは、経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。

気候変動によるリスクは、環境マネジメント推進会議において、関連する法規制や事業に影響を及ぼす自然災害を特定し、気候変動への対応を議論した上で、リスクマネジメント委員会で全体のリスクマネジメントプロセスに統合しております。

また、その内容については定期的に取締役会に報告し、対応状況の把握と進捗の管理、見直しを実施することで、気候変動リスクに対するマネジメント体制を構築しております。

 

 

② 多様性の尊重/人的資本への取り組み

 

当社は1976年の創業以来、年齢・性別・国籍・障害の有無に関わらず、誰もが夢や誇りをもって、自由に才能を生かして活躍できる社会の実現に向けて取り組んでまいりました。一人ひとりの能力を最大化する多様な働き方の提案やキャリア構築の支援、安心して働ける環境づくりに取り組むことで、当社グループの持続的な発展につなげております。

a.ダイバーシティ&インクルージョン

当社では全員が総合職として入社し、男女の隔たりのない人材育成や適材適所配置を実践しております。従業員全体に占める女性の割合は63.0%、全管理職に占める女性の管理職の割合は54.6%となっております。そして、出産、子育て、介護などのライフステージの節目においても社員が活躍できるよう、「在宅勤務」「短時間勤務」「フレックスタイム」などの柔軟な勤務制度を整備。グループ本部内には事業所内保育所も設置し、兵庫県淡路島のパソナファミリーオフィスでは、従業員が子供と同じ空間で働ける環境を整備しております。
 女性の人材育成・キャリア形成支援については、2014年にスタートした次世代女性リーダー育成プログラム「ワンダーウーマン研修」の修了者のうち2名がグループ会社の社長、22名が執行役員、9名が副役員、33名が上位責任者に昇格するなど成果を上げております。
 当社グループで培ったノウハウを生かし、2021年からは企業の経営幹部に求められる第一線のビジネス力、プレゼンス力を学び、自社だけでなく、社会に貢献できる女性幹部候補を育成するプログラム「Women’s Advanced Program」のサービス提供を開始しております。これまでに33社35名の女性幹部候補生を育成いたしました。
 
 こうした様々な取り組みが評価され、当社は女性活躍推進に優れた上場企業を選定する令和3年度「なでしこ銘柄」に選定されました。

 

・取締役及び執行役員に占める女性の割合: 35.8%
・全管理職に占める女性の管理職の割合: 54.6%
・社員全体に占める女性の割合: 63.0%
・外国人人材に占める女性の割合: 72.7%
・女性の育児休業取得率: 100%
・男性の育児休業取得率: 15.6%
・女性社員の出産後の復職率: 毎年100%水準
  ※2022年5月末時点の株式会社パソナグループと株式会社パソナの合算値

 


 

 


※パソナグループの女性役員比率は、株式会社パソナグループと株式会社パソナの合算値

※上場企業の女性役員比率は、東洋経済新報社「役員四季報」より作成

 
 当社グループは国籍を問わない積極的な人材採用を実施しており、事業運営の中核である管理職における外国人人材の割合は1.0%(海外子会社を含む連結では7.7%)です。2017年からは世界39カ国・地域から76名の優秀な若者や社会起業家を受入れ、新たな産業の創造や地方創生の実現を目指す人材育成プログラム「Awaji Youth Federation」を実施し、多様な価値観と知識・経験をもったグローバル人材が新たなイノベーション創造に向けて活躍しております。また、当社の管理職における中途採用者の割合は56.2%です。今後も引き続き、積極的に外国人人材・中途採用者の管理職登用を推進し、多様性の確保に注力してまいります。
 
 また、「障害は個性、才能に障害はない!」をコンセプトに、働く意欲がありながら、就労が困難な障害者がイキイキと働ける環境と健常者と共に社会参加できる“共生”の場を創り出してきました。オフィス業務はもとより、“アート”による就労分野の拡大を目的にアーティスト社員が就労する「アート村」や、農業のプロとして無農薬・有機で安心・安全の野菜やお米・ハーブを栽培する「ゆめファーム」、一流職人の指導のもと無添加のパン・焼き菓子等を製造・販売する「パン工房」など、特例子会社パソナハートフルをはじめ、グループ各社で個々の能力を活かして活躍の場を広げております。さらに、これまで培ってきた障害者雇用における様々なノウハウを活かし、障害者雇用に積極的に取り組まれる企業へ向けたコンサルティングやCSR活動支援にも注力しております。

 


 

 

 

 


障害者雇用数(パソナグループ各社合計)

2022年5月期 560名

 

 

b. 人財育成

当社グループは、これまでの企業依存型社会から、誰もが才能と能力を活かして活躍できる個人自立型社会への転換に向け、従業員の自律的な成長はもとより、エキスパートスタッフ(派遣社員)の方々、そして働きたいと願う方々に向けたキャリア開発支援に取り組んでおります。

社員の自律的なキャリア構築を支援

当社グループ全従業員を対象とした研修教育プログラムを企業内大学「パソナ“こころざし”ユニバーシティ」として体系化し、実施しております。各年次、職位、職能ごとに求められる能力・専門知識の習得をはじめ、一人ひとりの才能や可能性を最大限に活かす選抜研修、デジタルスキルを身につける多様な研修、グループの次世代を担う経営人材の育成など、従業員一人ひとりの自律的なキャリア構築を支援する多彩な教育研修制度を実施しております。

・従業員研修費用/対象者人数 ※1            252百万円/3,275人

・従業員一人当たりの平均研修時間 ※1          69時間 

・年次・職位・職能別研修参加者数 ※2           延べ482名

・次期上級管理職育成プログラム 参加者数※3    副役員17名、ジュニアボード16名、CBOボード21名、
                         ワンダーウーマン研修13名

・体験を通じて企業理念を理解する社会貢献委員会 国内外グループ各社より40名が参加

 ※1 2022年5月期の株式会社パソナグループと株式会社パソナの従業員で算定
 ※2 2022年5月期の株式会社パソナグループと株式会社パソナの従業員を対象にした研修で算定

 ※3 2022年5月期実績


新たな付加価値を生むDX人財の育成

グループ従業員全体のITリテラシー向上や、DXを推進する専門人財の育成、データとデジタル技術を活用した新たなソリューション開発を目的に、階層別の教育体系を整備しDX人財の育成に注力しております。2024年5月末までにグループ全体で約3,000名のDX人財の育成を掲げ、2022年5月期は500名のDX人財を育成いたしました。DX人財の育成を通じ、サービスに新たな付加価値を創造し、顧客満足度のさらなる向上を目指してまいります。


働く人々のキャリア創りをサポート

国家資格を持つ当社グループ従業員のキャリアコンサルタントが、働きたいと願う方々の能力や強みを丁寧に引き出し、年間220,000名のキャリア創りをサポートしております。また、スキルアップや資格取得などに役立つ2,300もの専門講座が学べる「Pasona Career College」を提供し、110,000名の方が受講しております。

また、働く人々のキャリア形成だけでなく、人生における多様な相談にも対応するため、育児や介護等の様々なライフイベントに関する専門知識を持つ専門家「ワークライフファシリテーター」の民間資格を2022年4月に創設いたしました。2024年5月までに650名の育成を目指してまいります。

・1級キャリアコンサルティング技能士 19名

・2級キャリアコンサルティング技能士 385名

・国家資格キャリアコンサルタント   405名

・産業カウンセラー等関連資格     314名

※2022年5月末時点の株式会社パソナグループと株式会社パソナに在籍する人員


世界各国の若者が集い、新たなイノベーション創出を目指す

世界から優秀な若者や社会起業家が集い、多様な価値観や知識・経験を活かして、新たな産業の創造や地方創生の実現を目指す「Awaji Youth Federation」を2017年から実施しております。第1期~3期生で39カ国・地域の若者76名のフェローを輩出いたしました。フェロー達はプログラム修了後、日本を含む世界各国・地域において様々な社会課題解決に取り組み、一部は兵庫県淡路島に移住し、さらなるイノベーション創出に向けた挑戦を続けております。

 

 


ひとり親家庭への就労サポート

雇用と生活の両面で困難な状況に直面する「ひとり親家庭」の方々に向け、仕事・住居・教育をトータルで支援するプロジェクトを2020年8月から兵庫県淡路島で開始しております。淡路島で安心して仕事に従事できる環境とともに、自然の中で伸び伸びと子育てをしながら、充実した教育を受けられる環境を提供し、2022年5月末時点で24世帯55名の方が淡路島で生活を送っております。また、シングルマザーの方々に、学び直し(リスキリング)による就業機会の創出と、職業選択の可能性を

 


広げる支援を実施。キャリアカウンセリングを行った後、個々の適性やビジョンに合わせたコース別スキル教育を提供し、プログラム終了後には当社グループの全国ネットワークを活かした就労支援を実施しております。これまで550名の方が参加し、新たなキャリアにチャレンジしております。

 

 

 

フレッシュキャリアアッププログラム

コロナ禍で事業活動に影響を受けた企業の“若手社員の雇用維持とキャリアアップ”を支援するため、自宅待機や休業等を余儀なくされている社員を出向で受け入れ、当社グループが兵庫県淡路島で展開する関連施設のほか全国で就労機会を創出する「フレッシュキャリアアップ プログラム」を2021年4月に開始いたしました。これまで70社から1,600名の受け入れを行いました。

 

ギャップイヤープログラム

コロナ禍で困難な就職環境に直面した新卒未就労者を支援する「ギャップイヤープログラム」を実施しております。これまで30名が参加し、最長2年間当社グループの契約社員として働きながら、ビジネスの基礎や社会人としての教養を身につけ、夢や目標に向かい、自身の可能性にチャレンジしております。

 

c. 多様なキャリアパス、就業機会の提供

「自分のキャリアは自分で創る」をポリシーに、従業員が自律的にキャリアを形成できる環境と、社員一人ひとりの「夢」や「志」の実現をサポートする制度を整備しております。

 

社員の〝複線的なキャリア構築“を支援

社会の環境変化に臨機応変に対応できる人間力を身に付け、社会に貢献できる人財を育成するため、2022年4月入社の新卒採用から「ハイブリッドキャリアプログラム」を開始しております。新入社員が配属部署での業務に携わりながら、「営業×農業」、「人事×新規事業立ち上げ」、「経営企画×起業家」等、職種と場所を超えて、入社1年目から社内の複数の業務に従事できる環境を整備し、240名がハイブリッドキャリアを実践しております。社外での就業(複業)支援も行い、社員が各々の夢・志にチャレンジし、多様な未来を描ける複線的なキャリア構築を支援しております。

 

社員のキャリアチャレンジを応援

社内公募されたポジションに自ら手を挙げチャレンジできる「オープンポジション制度」を1989年より実施しております。2022年5月期は、52名が本制度を活用し新たなキャリアチャレンジを行いました。また、社員自らが考えるキャリアプランを毎年直接人事部門に申告できる「マイキャリアバンク」を1993年から実施しており、社員の自律的なキャリア形成を支援しております。

 

社内ベンチャー制度「チャレンジの日」

1995年から毎年、創業記念日である2月16日を「チャレンジの日」として制定し、全社員から新規事業や業務改善提案を募集しております。応募案の中から優れた企画は事業化を支援し、新たな新規事業を創造しております。全ての従業員が、創業の精神に立ち返るとともに、社員一人ひとりの「夢」や「志」を実現する制度として、またイノベーション創出に向けた自律的な組織作りを推進しております。2022年5月期は、社内外から有識者を招き新規事業について学ぶ勉強会や、新規事業の立ち上げを指南する講座を実施し、新入社員から海外現地法人の社員まで、多様な社員から計1,300件の応募がありました。

 

d. 健康経営への取り組み

当社グループでは、経営トップの健康経営に対する方針のもと、産業医、健康推進室、人事部門など、会社全体の健康経営施策を担当する部門が、定期健康診断データやライフスタイル調査にもとづいて、従業員がイキイキと活躍することができる健康経営を推進しております。また、保健師や管理栄養士、スポーツトレーナーなどの専門スタッフとともに、従業員の心身の健康と身体づくりを支援する独自のプログラムを開発しているほか、全国の拠点及びエリアに配置された衛生委員が中心となり、各地域の職場環境の声を収集して、各施策の立案に活かしております。


当社は、日本健康会議と経済産業省が主催する健康経営優良法人認定制度において、6年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)~ホワイト500~」に認定されております。

 

 

ライフスタイル調査の実施及び結果公表

年1回、全ての従業員を対象にライフスタイル調査を実施しております。運動・食事・睡眠・嗜好(飲酒・間食・喫煙)のカテゴリで生活習慣をスコア化し、個人の結果及び全社における自身の健康の位置付けをフィードバックすることで、生活習慣の見直しに役立て、従業員一人ひとりの健康リテラシーを高める取り組みを行っております。2022年5月期は、グループ30社7,000名がライフスタイル調査に回答いたしました。

 

ヘルスケアリテラシー教育

多くの女性が活躍する当社グループでは、女性がライフステージの変化に応じて自分らしく活躍するために、女性特有の健康課題について学ぶ「女性の健康講座」を従業員を対象に実施(2022年5月期 参加者3,900名)しております。また「メンタルヘルス研修」は、管理職向けと全ての従業員を対象にした階層別に開催(計3回開催、参加者10,700名)しております。

 

オンラインでの健康づくり

仕事をしながら気軽に取り組めるオンラインエクササイズや、ランチタイムに専門家から実践的なアドバイスを受けることができる「健康LIVEセミナー」を定期的に開催し、全国の社員や、エキスパートスタッフ(派遣社員)の方々が自宅やオフィスから気軽に参加できるプログラムを開催しております。2022年5月期は、オンラインでのプログラムに延べ1,600名が参加いたしました。また、次期幹部候補生のジュニアボードが自社オリジナルの「パソナ体操」を考案し、朝礼や会議前などに社員が一緒に身体を動かすことで、グループ各社や部署の垣根を超えたコミュニケーションを促進しております。

 

相談窓口の設置

従業員やエキスパートスタッフ(派遣社員)の方々が、キャリアの相談のみならず、自身の健康やライフスタイルなど様々な悩みを相談できる窓口を設置しております。産業医や健康推進室、人事部門(ワーク・ライフ・ファシリテーター)による支援に加え、先輩ママ社員との座談会など従業員同士の情報交換による相談機会の提供も行っております。2021年8月からは女性特有の健康課題や育児・出産に関して専門医に相談できる「オンライン相談窓口」を設置しております。

※キャリアや仕事、家庭、介護や育児との両立等、従業員やその家族の健康に関わるあらゆる悩みをケアするサポーター。従業員一人ひとりに寄り添い、アドバイスするサポート体制を整備し、2022年5月期は1,800回の面談を実施

 

女性の健康サポートプログラムの提供

当社グループでの支援ノウハウを生かし、女性の健康づくりに関する研修や、女性特有の健康課題を専門医に相談できるオンライン相談窓口などを企業に提供する「Kira+sup(キラサポ)」を2021年に開始しております。2022年4月からは、民間企業に加え、健康保険組合連合会東京連合会62健保・計約50万人にサービスを提供し、働く人々が心身ともに健康でイキイキと活躍できる環境づくりと、企業の健康経営の推進を支援しております。

 

 

③ 創業精神・企業文化の継承

 

創業以来、「社会の問題点を解決する」を企業理念に掲げる当社グループは、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んできた創業の精神をこれからも継承し、新たな事業を創造するとともに、社会に貢献し続ける企業であり続けるため、全ての従業員に対して企業文化を学ぶ機会を設けております。

a.フィロソフィーの浸透

経営方針を明確化し、グループ全体のベクトルを一つにするため、半期に一度、社員総会を実施しております。グループトップから事業の戦略を発表し、社員に経営方針を共有しております。また、従業員一人ひとりの行動指針として「Pasona Way」を2018年に制定いたしました。創業日である2月16日には、当社グループの事業の歴史を振り返るとともに、フィロソフィーをテーマにした従業員同士のディスカッションや行動目標を設定するなど、全従業員がフィロソフィーを共有しております。

 

b.社会課題解決に向けた企業文化の醸成

ソーシャルアクティビストを育成する「パソナ・シャドーキャビネット」

当社グループの役職員が、入社年次に関わらず「社会の問題点」を議論し、具体的な方策を社会に提言することを目指す社内組織として2007年に発足いたしました。時代によって変化する様々な社会課題について、テーマごとに議論を深めて法案(新規事業提案、社会提言等)として、参加する従業員が採決をいたします。8省庁12件のテーマを議論し、制度化や事業化を進め、2022年5月期は3件の新規事業(ハイブリッドキャリア協会、ワークライフファシリテーター協会、パソナリカレント)が誕生しております。また、外部企業との連携や、働く人々をサポートする新たな取り組みを通じて、個人自立社会の実現を目指してまいります。


 

 

全国のグループ社員が参加する社会貢献活動

当社グループの企業姿勢を明確にするため、2005年に「社会貢献室」を設置いたしました。グループの社会貢献活動のリーダーシップを担う存在として、国内外のグループ各社から40名の「社会貢献委員」を任命し、全国で活動を行っております。現在は、持続可能な地域社会づくりに貢献するため、6つの重点テーマ「食品ロス」「環境保全」「地域貢献(復興)」「スポーツ・健康」「ダイバーシティ」「パートナーシップ」を定めております。2022年5月期は、約14,000名の従業員が各地の活動に参加いたしました。

 

c.ガバナンス

サステナビリティマネジメントの強化

当社グループでは、サステナビリティマネジメント体制の強化に向け、2021年に「環境マネジメント推進会議」を発足いたしました。環境マネジメント推進会議では、気候変動課題における現状確認及び対応の方針とアクションプランを策定しております。また、リスクマネジメント委員会において、気候変動のリスクマネジメントに関する事項についての審議を行っており、内部監査部門は各部門や関係会社に対する環境監査を実施しております。取締役会は、気候変動に関する重要な事項について、環境マネジメント推進会議から報告を受け適切な助言を行うことで、モニタリングを実施しております。

また、2021年にはSDGs委員会を経営会議の直下組織として設置しております。2022年5月期は2回開催し、当社グループのサステナビリティ情報の情報開示強化に向けた取り組みを検討いたしました。

 

リスクマネジメント教育の実施

当社グループでは、全役職員を対象にインサイダー取引の禁止を含むコンプライアンス事項の理解度を確認する「コンプライアンス研修」及び個人情報の安全管理のための「個人情報保護研修」を毎年実施しているほか、「情報セキュリティ研修」を年6回実施しております。研修を通じて、リスクマネジメントやコンプライアンスの意識醸成と理解促進を図っております。

 

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