課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、当社の社名の由来の通り、社員(スタッフ)を教育・育成(クリエイト)することが、企業価値の向上に資すると考えております。特に、主たる事業セグメントであるブライダル関連事業においては、ハードに頼らず、ソフトの力を信じ、ビジネスの本質を真摯につきつめるという意味を込めた『Faithful Bridal Creator』をコーポレートスローガンとして掲げております。また、その実現のために「人材を育成し接客力によってブライダル業界の勝ち組となること」、「施設スタイルにこだわらないブライダルオペレーターとなること」を経営の基本方針とし、全国の挙式・披露宴施設の運営を主とした事業展開を通じて、顧客満足度の向上を図り、企業価値の向上に取り組んでおります。

 

(2) 経営戦略

 ① 出店戦略

当社グループは、市場規模縮小の影響を最小限に抑えるため、大型投資を伴う新店については、人口減少率が比較的緩やかである政令指定都市に限定し、出店をしております。立地にこだわった出店により宴会、イベントなど婚礼以外のニーズにも対応できることから、各施設の稼働率向上が見込めます。また、人口減少が進むと考えられる地方都市においては、M&Aによる投資額を抑えた出店を基本としております。これにより、確実にシェアを拡大しながら市場縮小リスクに対応することが可能であると考えております。

また、ハードによる集客優位性に限界があるとの見方から、特定のスタイルという限定的な市場ではなく、ゲストハウス、ホテル、レストランなど多様な施設スタイルで事業展開し、市場全領域を網羅することによって、今後起こりうるマーケットニーズの変化に対応してまいります。

 

② 内製化・仕組化

当社グループでは、衣装、装花等、婚礼に関わるサービスについては社内での内製化を推進しております。これによりスタッフ間の情報共有の円滑化、協力体制の強化が期待できるとともに、顧客の要望に対しきめ細やかな対応が可能となることから、顧客満足度の向上及び利益率向上に繋がると考えております。

また、当社グループにおいて競争力の要となるソフトの力を最大限発揮するため、役職に応じた教育研修に加え、営業支援システムを活用することにより、若手社員を早期に戦力化し、接客力の高い人財に育成するための仕組化を推進しております。

 

③ 独自集客

当社グループでは、これまで有名キャラクターを活用した婚礼商品の開発など、他社とのアライアンスにより、他社にないコンテンツを手掛けてまいりました。これにより、婚礼情報専門の媒体と異なり、潜在顧客へのアプローチが可能となることから、結婚式実施率の低下が危惧されるブライダル業界の活性化に寄与するものと考えております。

また、施設の稼働率向上を目的とし、宴会やイベント等の受注に特化した自社サイトの開設、将来的に需要増加が見込まれる少人数挙式に特化したサービスの運用を実施してまいりました。今後も既存のメディアに依存せず、多岐に渡る独自集客に注力してまいります。

 

 

(3) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、一部地域において緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が発令され、人流を抑えるために経済活動が抑制される状態が続いておりました。感染対策への意識強化や3回目を含むワクチン接種などにより新規感染者数は減少し、正常な経済活動へ回復の傾向が見られましたが、引き続き先行きの不透明な状況が続いております。

また当社グループの主たる事業セグメントが属するブライダルマーケットについても、ターゲット顧客層としている結婚適齢期人口の減少、未婚率の上昇等の環境変化に加え、新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的とする緊急事態宣言等の発令及び外出自粛要請の影響の長期化により、先行きは非常に不透明な状況となっております。

急速な需要の減退により一段と競争が加速すると思われるブライダルマーケットにおいて、当社グループが顧客からの支持を着実に獲得し、中長期的な企業成長に向けた経営戦略を実行するために、以下のような課題に対処してまいります 。

 

①  感染症による影響に対する取り組み

当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の再拡大により、2022年1月以降も一部地域においてまん延防止等重点措置が実施されるなど依然として先行き不透明な状況が続いているものの、挙式・披露宴においては、日程変更が一部発生するものの、キャンセル数は少なく、高い挙式実施率で進捗しております。2022年3月期において新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたものの、ワクチン接種が広がり始め、今後も徐々に受注状況が回復するものと想定しております。

しかしながら、緊急事態宣言等の発令及び政府・自治体からの制限要請内容によっては、受注の減少、挙式・披露宴の日程変更及びキャンセルの発生により売上高が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

これを踏まえ、新型コロナウイルス感染症拡大による影響の長期化に備え、当面の成長投資を抑制し、金融機関からの借入等による資金調達によって手元流動性を高めるとともに、家賃・人件費等、事業推進に係る運転資金は十分に確保しております。

また、新型コロナウイルス感染症拡大防止及び従業員の安全を考慮し、始業前及び実務開始前の検温、出退勤時のマスク着用、手洗い等を義務づけております。各婚礼施設においては、各所への消毒用アルコールの準備、定期的な設備の除菌と清掃等、衛生管理の徹底に努めながら運営してまいります。

 

②  人材の確保と育成

当社グループは、今後のさらなる事業拡大を目指す上で、優秀な人材の確保及びその人材の育成が重要な経営課題であると認識しております。人材確保においては、新卒採用及び中途採用を積極的に実施し、当社グループの経営方針に共感を持った早期に戦力化可能な人材の採用と、従業員のモチベーションを向上させる人事諸制度の構築が必要と考えております。特に、ブライダル関連事業における人材の育成については、接客に関するデータの定量的な分析に基づく課題抽出及び対策、高い接客力を有する人材の接客ノウハウの共有、定期的な社内研修等を実施することにより、顧客ニーズに的確に対応できる接客力を向上させてまいります。

 

③  ブライダル事業における新たな収益モデルの確立

当社グループは、直営施設の出店を今後もすすめてまいりますが、一方でこれまでのノウハウを活かしたブライダルマーケットにおける新たな収益モデルを確立することも重要な経営課題と認識しております。新型コロナウイルス感染症拡大に伴って自社開発したWEBツール「アニクリLive」や「アニクリWEBご祝儀」などを始めとしたウエディング・テックサービスの拡大、発展に加え、装置産業型の投資回収を必要としないビジネスモデルの確立などを検討してまいります。

 

④  ブライダル以外の事業展開

当社グループは、ブライダル関連事業の売上比率が連結売上高の約8割を占めており、ブライダル関連事業の拡大と並行して、ブライダルに次ぐ事業の柱を育成することが必要であると認識しております。当社グループの創造力豊かなスタッフの力を最大限に活かして、業界研究や事業構造分析をすすめ、事業展開の可能性を検討してまいります。

 

⑤  内部管理体制の充実

当社グループは、今後も企業の継続的な成長を実現していくために、事業規模の拡大に対応した内部管理体制の充実が不可欠であると認識しております。今後も事業規模の拡大に合わせ、管理部門の一層の強化による内部管理体制の整備に取り組んでまいります。

 

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