(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年11月1日から2021年10月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により度重なる「緊急事態宣言」及び「まん延防止等重点措置」が発出され、業種や地域により社会経済活動の制限が続いておりましたが、ワクチン接種が進んだことや感染防止の意識の高まりにより新規感染者が減少し、経済活動の正常化に向け、一部に厳しさは残るものの総じて持ち直しの動きが見られました。しかしながら、海外の規制緩和の動向や第6波への警戒感により依然として先行きは不透明な状況が続いております。
ウェディング業界におきましては、感染者の減少に伴い集客イベント等の再開や挙式・披露宴の延期が減少したことにより、施行数は漸増傾向にあります。
このような状況の下、当社グループは、お客さまと社員の安全・安心を最優先事項と考え、「新型コロナウイルス感染防止ガイドライン」に基づき最大限の感染防止対策を徹底したうえで挙式・披露宴を実施すると同時に全社を挙げたコスト削減施策を推し進め、業績の回復に努めました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ295百万円減少し、17,603百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ23百万円増加し、9,998百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ318百万円減少し、7,604百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は11,530百万円(前年同期比31.8%増)、営業損失は1,599百万円(前年同期は3,981百万円の営業損失)、経常損失は610百万円(同3,524百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は411百万円(同4,235百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、セグメント別の業績は次のとおりであります。
(婚礼事業)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、度重なる「緊急事態宣言」及び「まん延防止等重点措置」が発出される中、感染防止対策を徹底したうえで挙式・披露宴を実施してまいりました。
その結果、前連結会計年度と比較し、婚礼組数が増加したことから、売上高は10,936百万円(前年同期比33.2%増)、営業損失は1,648百万円(前年同期は4,035百万円の営業損失)となりました。
(介護事業)
売上高は550百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益は41百万円(同24.7%減)となりました。
(食品事業)
前連結会計年度(2020年10月)に食品事業を展開する子会社を設立し、売上高は112百万円、営業利益は6百万円(前年同期は1百万円の営業損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,560百万円(前年同期比83.3%増)増加し3,433百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,625百万円(前年同期は4,355百万円の支出)となりました。主な収入要因は、減価償却費1,111百万円、未払消費税等の増減額659百万円、法人税等の還付額877百万円であり、主な支出要因は、税金等調整前当期純損失615百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、151百万円(前年同期比65.8%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出199百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、935百万円(前年同期は1,633百万円の収入)となりました。主な収入要因は、短期借入金の純増減額100百万円及び自己株式の売却による収入94百万円であり、主な支出要因は、長期借入金の返済による支出1,012百万円であります。
③ 施行、仕入、受注及び販売の実績
a.施行実績
当連結会計年度における施行実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) |
|
施行数 |
前年同期比(%) |
|
婚礼事業 |
3,381組 |
158.3 |
(注)1 介護事業及び食品事業については、該当事項はありません。
2 新型コロナウイルス感染症による挙式・披露宴の延期が減少し、施行組数が増加しております。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) |
|
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
婚礼事業 |
2,002,128 |
99.9 |
介護事業 |
40,002 |
99.8 |
食品事業 |
65,365 |
- |
合計 |
2,107,496 |
103.0 |
(注)1 仕入高には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 食品事業については、前連結会計年度(2020年10月)に設立し仕入実績がないため、前年同期比は記載しておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における婚礼事業の受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) |
|||
受注数 |
前年同期比(%) |
受注残高 |
前年同期比(%) |
|
婚礼事業 |
3,333組 |
93.5 |
5,550組 |
99.1 |
(注)介護事業及び食品事業については、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) |
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
婚礼事業 |
10,936,054 |
133.2 |
介護事業 |
550,508 |
102.6 |
食品事業 |
43,611 |
- |
合計 |
11,530,174 |
131.8 |
(注)1 販売高には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 食品事業については、前連結会計年度(2020年10月)に設立し販売実績がないため、前年同期比は記載しておりません。
4 婚礼事業については、新型コロナウイルス感染症による挙式・披露宴の延期が減少し、販売実績が増加しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ295百万円減少し、17,603百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ624百万円増加し4,441百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,636百万円増加し、未収還付法人税等が872百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ919百万円減少し13,161百万円となりました。これは主に、減価償却費の計上により有形固定資産が980百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ23百万円増加し、9,998百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ840百万円増加し5,978百万円となりました。これは主に、買掛金が368百万円、前受金が149百万円、賞与引当金が198百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ816百万円減少し4,019百万円となりました。これは主に、長期借入金が789百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ318百万円減少し7,604百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失411百万円の計上による減少であります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.1ポイント下降し43.0%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度は、売上高11,530百万円(前年同期比31.8%増)、売上総利益6,473百万円(同52.8%増)、営業損失1,599百万円(前年同期は3,981百万円の営業損失)、経常損失610百万円(同3,524百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失411百万円(同4,235百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
(売上高)
婚礼事業の売上高は、2,726百万円(前年同期比33.2%増)増加し10,936百万円となりました。この主な要因は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、ワクチン接種が進んだことや感染防止対策を徹底したうえで挙式・披露宴を実施したことにより、施行組数が増加したこと等によるものであります。なお、施行組数は3,381組(同58.3%増)、受注組数は3,333組(同6.5%減)となりました。
介護事業の売上高は、13百万円(同2.6%増)増加し、550百万円となりました。
食品事業においては、前連結会計年度(2020年10月)に子会社を設立し、売上高は112百万円となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、前連結会計年度に比べ548百万円(前年同期比12.2%増)増加し5,057百万円となりました。
この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ2,235百万円(同52.8%増)増加し6,473百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ145百万円(前年同期比1.8%減)減少し8,072百万円となりました。これは主に、全社を挙げたコスト削減を実施したこと等によるものであります。売上高に占める同比率は前連結会計年度に比べ24.0ポイント下降し70.0%となりました。
この結果、営業損失は1,599百万円(前年同期は3,981百万円の営業損失)となりました。
(営業外収益及び営業外費用、経常損益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べ526百万円増加し1,017百万円(前年同期比107.5%増)となりました。これは主に、雇用調整助成金を925百万円計上したことによるものであります。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ5百万円(同15.6%減)減少し28百万円となりました。
この結果、経常損失は610百万円(前年同期は3,524百万円の経常損失)となりました。
(特別利益及び特別損失、税金等調整前当期純損益)
特別損失は、前連結会計年度に比べ370百万円減少し4百万円(前年同期比98.9%減)となりました。
この結果、税金等調整前当期純損失は615百万円(前年同期は3,893百万円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
税効果会計適用後の法人税等負担額は、前連結会計年度に比べ537百万円(前年同期は337百万円の法人税等負担額)減少し△199百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は411百万円(同4,235百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
a.当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要は、運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要は、食材等の仕入や、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備資金需要は、新規店舗の建設、既存店のリニューアル等であります。これらの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または金融機関からの借入により調達を行っております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大とその不測の事態に対応するその備えとして、機動的かつ安定的な資金を確保するため、取引銀行6行と貸越限度額9,500,000千円の当座貸越契約を締結しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長を図っていく方針であり、そのためには、経営資源の効果的な配分による利益率の向上と強固な財務基盤の構築が不可欠であると考えております。従いまして、収益性や投資効率については総資産経常利益率を、財務バランスについては自己資本比率を、それぞれ重要な経営指標と認識しております。
当連結会計年度終了時点における総資産経常利益率及び自己資本比率は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により悪化しております。未だ収束の見通しが立たない状況下ではありますが、受注残組数は5,550組(前年同期比0.9%減)となりました。
また、キャンセルは低い水準で抑えられていることから、収束後の業績の回復を見込んでおります。
「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の経営戦略に取り組み、新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底しながら、施行単価及び施行組数の回復に努めることで、目標とする経営指標の良化に努める方針であります。
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