研究開発活動

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発につきましては、基礎研究を当社の中央研究所が中心に行い、全社的な商品開発は伊藤ハム株式会社及び米久株式会社の商品開発部門が中心となり、マーケティング部門と連携をとりながら新商品の企画立案、商品化を推進しております。

 

研究活動の分野では、中央研究所においてグループの技術基盤強化を担い、基礎的研究、及び技術開発を通して、食肉製品生産と製造技術の高度化に取り組んでおります。また、蓄積した研究成果、分析技術・品質評価技術等を活用して、商品開発や生産工程における課題解決をサポートしております。

当期におきましては、下記に掲げる3つのテーマを柱として、新たな価値創出と、社内ニーズへの対応を果たすことを両輪として取り組んでまいりました。

「品質保持技術の高度化」

微生物制御に軸足を置いた取り組みでは、検出感度を高める検査手法、非培養の菌数測定の手法等の開発に取り組み、工程中の菌の動態の可視化に繋がる現場基礎データの拡充を進めました。また、LC-QTOF-MSによるアレルゲンの一斉分析法の確立や、微生物同定での活用についても取り組み、近赤外分析装置の品質管理での活用を想定したデータの蓄積の拡充を進め、迅速、簡易かつ精密にチェックが実施できる体制を目指します。

「おいしさ・品質向上の追求」

技術開発につながる基礎的研究、工程の諸条件の違いを製品の違いと関連付けることで、製品の更なるおいしさ向上のポイントを探る取り組みや、おいしさを客観的に説明するための新たな数値化等に繋がるテーマを取り上げ、これらの客観的評価法を得る為の検証を続けてまいりました。対象物質が多く複雑な「におい」についても、特有の成分の挙動を捉えた、独自の評価モデルの構築を進めております。これらの取り組みから、評価手法の改良のみならず、独自技術の改良につながる幾つかの知見を提供することができました。

「新ニーズをとらえた基礎技術の開発」

商品開発とも連携しつつ、味・食感・色調等の改良に繋がる技術の確立とその実装に向けた研究に取組みました。また、フードロスの削減や、温室効果ガス発生の削減への取組を目標として、これら貢献できる取り組みテーマの選定を進めました。

 

次に商品開発の分野では、「メーカーブランド強化」「調理加工食品ラインアップ拡大」「中外食、業務用事業の再構築」「市場競争力の強化」をテーマに、お客様・お得意先様への価値ある商品提供を目指して新商品の開発やリニューアルに積極的に取り組んでおります。

まず大きな取り組みとして、フラッグシップである「The GRAND アルトバイエルン」を始めとする巾着形態商品について、環境負荷を軽減し地球環境保全への貢献を目的に、プラスチック使用量を現行商品に対して約30%削減した環境配慮型形態に順次切り替えを実施し、持続可能な社会の実現に向けて積極的に行動を進めております。

また、常温保管が可能で買い置きにも便利な「レンジでごちそう」シリーズ等の、肉惣菜、料理品など主菜・副菜を飾るカテゴリーでは、「電子レンジで簡単調理が可能」「食卓を華やかにするおかず系」「間食・おつまみ用」をテーマにラインアップを充実させております。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、1,525百万円であります。

 

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