(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関しては前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、年度前半は新型コロナウイルスの感染拡大やそれに伴う2度の緊急事態宣言の発出もあり、景気は一進一退となりました。年度後半に入り感染者数が収束に向かうと景気は急速に持ち直しましたが、年明け以降は感染拡大の第6波に加え、ウクライナ情勢の緊迫化から資源高や円安が加速したことで、再び景気の下振れ懸念が強まりました。
当社グループが属する情報サービス業界におきましては、引き続き、クラウドコンピューティング、AI、IoT、ビッグデータ、RPAなどの先端的技術を活用した「DX(デジタルトランスフォーメーション)」推進の動きが活発化しており、企業の競争力強化のためのIT投資意欲が拡大すると見られています。
このような事業環境下、当社グループは、2021年4月から2024年3月における中期経営計画「Impress with customers 2023」に基づき、社会課題解決型ビジネスに取り組むIT企業グループを目指しております。社会課題解決と経済成長を両立する社会「Society5.0」の実現に向け取り組むことで、SDGsの達成に貢献してまいります。持続的な事業成長を実現するため、4つの基本戦略「コア事業の拡大」、「先端技術の活用」、「新規領域への取り組み」、「グループ経営基盤の強化」を推進しております。こうした中、10月には経済産業省が定めるDX認定制度「DX認定事業者」の認定を取得いたしました。また、東京証券取引所の市場区分再編に伴い、当社は本年4月をもって新市場区分である「プライム市場」へ移行しました。
当連結会計年度においては、特に官公庁・自治体・公共企業向け及び金融向けが好調に推移しました。旺盛なDXニーズを背景に高付加価値ビジネスへの積極的な推進に加え、高い稼働率を維持できたことで、結果として、売上高は12,119百万円(前年同期は9,626百万円)、営業利益は1,109百万円(前年同期は493百万円)、経常利益は1,171百万円(前年同期は539百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は765百万円(前年同期は369百万円)となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は28百万円増加し、営業利益及び経常利益はそれぞれ3百万円減少しております
経営指標の進捗については、収益性指標である売上高経常利益率は前年同期から4.1ポイント上昇し9.7%となり、売上高当期純利益率は前年同期から2.5ポイント上昇し6.3%となりました。また、資本効率性指標であるROE(自己資本利益率)は前年同期と比べ8.7ポイント上昇し19.5%となりました。
当連結会計年度末の総資産は、売掛金の増加 552百万円、契約資産の増加 321百万円、現金及び預金の増加 80百万円等により、前連結会計年度末に比べて 854百万円増加し 7,365百万円となりました
当連結会計年度末の負債合計は、買掛金の増加 137百万円、未払法人税等の増加 239百万円等により前連結会計年度末に比べて 247百万円増加し 3,145百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加 765百万円、剰余金の配当による減少 165百万円等により、前連結会計年度末に比べて 607百万円増加し 4,219百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の 55.5%から 57.3%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,345百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、680百万円(前年同期は 359百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益 1,168百万円、減価償却費 99百万円、のれん償却額 83百万円等による資金の増加があったことに対し、契約資産の増加 321百万円、売上債権の増加額 551百万円、法人税等の支払額 231百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、34百万円(前年同期は 415百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出 18百万円、ソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出 10百万円等があったことによるものであります.
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、565百万円(前年同期は 334百万円の獲得)となりました。これは、短期借入金の純増減額 400百万円、配当金の支払額 165百万円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、情報サービス事業並びにこれらの付帯事業の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありません。
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額は当連結会計年度における総製造費用によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額は当連結会計年度における販売価格によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価の主な構成要素でありますソフトウェア開発に伴う人件費及び外注費、その開発を支えるパソコンやソフトウェア等の設備投資資金、有利子負債の返済及び利息の支払い等があります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は413百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,345百万円となっております。
なお、安定的な運転資金の調達方法として、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当該契約の借入未実行残高は1,800百万円となっております。
当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保することを目的とした手元流動性を高めるための資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、新型コロナウィルス感染症の影響等については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
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