業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当社グループを取り巻く環境に関しては、スマートフォンが市場の中心となり、業界再編が続いております。2021年12月末における携帯電話の契約数は1億9,999万件(前年同期比4.6%増 総務省発表資料による)であり、大幅な契約数増加が見込めないなか、総務省主導による政策の影響もあり、携帯電話端末の価格と通信料のバランスが変化してきています。主要通信キャリア以外の仮想移動体通信事業者(MVNO)の存在感も増し、一契約あたりの売上高(ARPU)は微減を続け、コンテンツビジネスにも影響を及ぼしております。主要携帯通信キャリアが主導してきたビジネスモデルは、今後も大きく変化していくことが予想されます。

また、連結子会社株式会社FunFusionにて提供していますSMSサービスにおいては、SMS配信サービスの認知度が向上し、SNSやスマートフォンアプリの利用時などの本人認証通知、公共料金・税金など督促の通知、飲食業界のノー・ショウ(飲食店における無断キャンセル)対策としての予約確認など企業と個人の間でのコミュニケーション手段として高い到達率と開封率というSMSの有用性を再認識する企業の増加に伴い、SMS配信市場は急速な広がりをみせており、2024年の国内直収市場規模は配信数84億4,000万通と予想され(「ミックITリポート 2020年11月号」(ミック経済研究所))、2021年度から2024年度までの年平均成長率は46.1%増で、引き続き、安定的に高成長を続けると予想されております。

このような状況の中、当社グループは、「お客様の喜ぶことを皆と分かち合い、ともに喜ぶ」を経営理念として掲げ、お客様の生活をより豊かに便利にするツールを提供できるよう当社の既存事業の収益を維持しつつ、新たなサービスの企画・提供を実施してまいりました。

 

当社グループの各セグメントの業績は次のとおりであります。

 

◎ リモートメール事業

当連結会計年度において、当社グループは、「リモートメール」の個人版サービス・法人版サービスともに成長市場であるスマートフォン市場での拡販に努め、既存利用者の利用継続を第一目的に、他社サービスに対して優位性のある使い勝手のよさをさらに向上させる改善を継続して実施しております。

さらに、法人向けサービスとして開発した「リモートブラウズ」、「リモートカタログ」や他社から提供を受けている「fonfun AnyClutch リモート」、「リモート名刺(BizCompass)」など、リモートメール以外のスマートデバイス向けサービスの販売も強化しております。「リモートメール」法人版サービス、「リモートブラウズ」、「fonfun AnyClutch リモート」につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、テレワーク支援ソリューションとして、企業・自治体等をBCP対策の側面から支援する活動サービスを積極的に展開しております。

上記の結果、リモートメール事業の売上高は186百万円(前年同期比15.3%減)、セグメント利益は80百万円(前年同期比18.1%増)となりました。

 

◎ SMS事業

SMS事業はショートメッセージを利用した通知サービスであり、「らくらくナンバー」、「いけいけナンバー」、「いけいけナンバーAPI」と3つのサービスがあります。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、新規のお客様を獲得するための営業活動は、計画通り行えませんでしたが、導入企業と同業種への事例紹介や、既存のお客様からのご紹介により、新規獲得件数は好調に推移しております。また、安否確認ツールとして提供している「緊急SMS」についても、順調に、市場を拡大しております。

上記の結果、SMS事業の売上高は211百万円(前年同期比22.4%増)、セグメント利益68百万円(前年同期比8.1%減)となりました。

 

◎ メディア事業

メディア事業は、ウェブコンテンツ提供に伴う広告収入を主な収益としております。当連結会計年度において、経営資源を他の事業へ集中させ、メディア事業へは注力しないことを決定したため、のれんの帳簿価額23百万円の減損損失を計上しております。

上記の結果、メディア事業の売上高は8百万円(前年同期比85.5%減)、セグメント損失5百万円(前年同期セグメント利益22百万円)となりました。

 

◎ ボイスメール事業

ボイスメール事業は、2019年12月に譲受けた事業であり、スマートフォンアプリを利用して音声情報をメールのようにやり取りできる法人向けのサービスであります。

ボイスメール事業の売上高は86百万円(前年同期比2.9%減)、セグメント利益25百万円(前年同期比1.7%増)となりました。

 

◎ その他

その他の売上は、主にシステム開発、保守によるものであり、売上高は63百万円(前年同期比29.2%増)、セグメント利益9百万円(前年同期比43.3%増)となりました。

 

 

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高556百万円(前年同期比6.1%減)、営業利益10百万円(前年同期比77.2%減)、経常利益7百万円(前年同期比82.0%減)、親会社株主に帰属する当期純損失17百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純利益41百万円)となりました。

 

当連結会計年度末の総資産は950百万円となり、前連結会計年度末に比べ45百万円の増加となりました。その主な要因は、流動資産における現金及び預金の83百万円の増加、無形固定資産におけるのれんの57百万円の減少等であります。

負債につきましては、396百万円となり、前連結会計年度末に比べ62百万円の増加となりました。その主な要因は、流動負債における短期借入金の4百万円の増加と1年内返済予定の長期借入金の44百万円の増加、固定負債における長期借入金の25百万円の増加等であります。

純資産につきましては、553百万円となり、前連結会計年度末に比べ17百万円の減少となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、当連結会計年度期首に比べ28百万円減少し、312百万円となりました。

当連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

◎ 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は31百万円(前連結会計年度は90百万円の収入)となりました。この主な要因は、のれん償却額33百万円、減損損失23百万円、法人税等の還付額16百万円、減価償却費5百万円の資金増に対し、未払消費税等の減少額20百万円、税金等調整前当期純損失16百万円等の資金減によるものであります。

 
◎ 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は133百万円(前連結会計年度は86百万円の収入)となりました。この主な要因は、定期積金の預入による支出111百万円、投資有価証券の取得による支出16百万円等によるものであります。

 

◎ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果得られた資金は74百万円(前連結会計年度は35百万円の支出)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入150百万円、短期借入れによる収入30百万円、長期借入金の返済による支出80百万円、短期借入金の返済による支出25百万円等によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当社グループは、インターネット対応携帯電話向けの情報提供サービスを主として行っており、サービス提供の実績は販売実績と一致しているため、c. 販売実績をご参照下さい。

 

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

リモートメール事業

SMS事業

△100

メディア事業

ボイスメール事業

その他

44,832

77.7

14,992

745.4

合計

44,832

75.1

14,992

745.4

 

(注) 当社グループの事業のうち、受注に該当するのは受託業務となりますので、この業務についてのみ記載を行っております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

リモートメール事業

186,010

△15.3

SMS事業

211,027

22.4

メディア事業

8,972

△85.5

ボイスメール事業

86,932

△2.9

その他

63,377

29.2

合計

556,319

△6.1

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績などを勘案し合理的に判断しております。また、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響はほとんど見られなかったことにより、過去の実績から大きく変動することはないという前提で見積っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

 

③ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、データセンタ利用料、データ通信料のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資の他、事業譲受等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金を含む有利子負債の残高は315,206千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は312,933千円となっております。

なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響は、過去の実績と比較する限りにおいて、軽微であったと考えております。

 

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