業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響が長期化する中で、度重なる緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置を受け、ヒトやモノの動きは停滞し、企業活動の制限が繰り返される等厳しい状況で推移しました。また第4四半期においては新たな変異株の発生等による感染再拡大、資源価格の高騰等により、先行き不透明な状態が継続しております。

このような経済環境下、雇用情勢については、採用マインドの回復傾向は見られるものの、本格的な回復には至っていない状況は継続しており、当社の戦略地域である静岡県においては2022年2月の有効求人倍率が前年同月比0.20ポイント上昇の1.21倍となりました。

このような状況において当社グループでは、採用管理システムを顧客に提供する『ワガシャ de DOMO』(サブスクリプション型課金モデル)の拡販施策やオプション商品の開発に注力いたしました。静岡県内では新型コロナウイルス対策を施し、2021年11月に当期2回目(当期1回目は2021年5月)のリアルイベントである合同企業面談会『シゴトフェア』を開催いたしました。コストについては求人紙媒体に係る直接コストの印刷費や流通費の圧縮、他経費の全面的な見直し等を継続いたしました。

また、2021年7月26日に公表いたしましたとおり、2019年5月に株式会社三光アドとの合弁で設立した株式会社BizMoの株式を2021年8月31日付で株式会社三光アドに譲渡いたしました。これは、昨今の事業を取り巻く環境の変化などから、新たなスキームで事業展開を推進していくことが両社の企業価値向上に資するものと判断したためであります。

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高は3,622百万円(前連結会計年度比16.8%増)となりました。売上原価は1,141百万円(同1.3%減)、販売費及び一般管理費は2,481百万円(同0.3%減)となりました。売上高の回復及びコスト構造の見直し等により、営業利益は0百万円(前連結会計年度は営業損失545百万円)、経常利益は12百万円(同経常損失518百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は39百万円(同親会社株主に帰属する当期純損失500百万円)となり黒字転換となりました。

 

セグメント別の業績(セグメント間の内部取引消去前)を示すと、次のとおりであります。

 

(情報提供事業)

情報提供事業では、新型コロナウイルス感染症再拡大による懸念により雇用環境は完全に回復しきれていない状況は継続しており、求人広告メディアの売上は下げ止まりとなっているものの、採用管理システムを顧客に提供する『ワガシャ de DOMO』(サブスクリプション型課金モデル)の販売は拡大しており、売上高は3,055百万円(前連結会計年度比21.4%増)、セグメント利益は604百万円(同442.8%増)となりました。

 

(販促支援事業)

販促支援事業では、主たる売上であるフリーペーパーの取次において、顧客の販売促進費圧縮等による取次量の減少傾向は継続しており、イベント・レジャー関連企業の販促活動の回復の兆しは見えるものの完全回復には至っておらず、販促支援事業における売上高は586百万円(前連結会計年度比2.8%減)、セグメント利益は77百万円(同81.2%増)となりました。

 

 

 

(2) 財政状態の状況

当連結会計年度末の財政状態は、総資産は5,003百万円(前連結会計年度末比2.3%増)、負債が638百万円(同12.2%増)、純資産が4,364百万円(同1.0%増)となりました。また、自己資本比率は87.2%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、3,396百万円(前連結会計年度末比91百万円減)となりました。

営業活動の結果得られた資金は、123百万円(前連結会計年度は437百万円の支出)となりました。

投資活動の結果使用した資金は、209百万円(同51百万円の支出)となりました。

財務活動の結果使用した資金は、4百万円(同187百万円の支出)となりました。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当社グループの主体である求人情報誌の発行等は、提供するサービスの性格上、生産実績を把握することが困難であるため、生産実績の記載を省略しております。なお、当社グループは、業務上、求人情報誌等の印刷は、印刷会社に外注しており、印刷費用は次のとおりであります。

 

 

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

金額(千円)

前年同期比(%)

情報誌の印刷費相当額

267,737

96.6

 

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 上記のうち、最近2連結会計年度における主な相手先別の取扱額及び総取扱額に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

大日本印刷株式会社

277,104

100.0

267,737

100.0

 

 

(2) 受注実績

当社グループの主体である求人情報誌の発行等は、提供するサービスの性格上、受注実績を把握することが困難であるため、受注実績の記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

前年同期比(%)

金額(千円)

割合(%)

情報提供事業

3,055,202

84.3

121.4

販促支援事業

567,678

15.7

97.2

合計

3,622,881

100.0

116.8

 

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。重要な会計方針及び重要な会計上の見積もりにつきましては、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたり、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)経営成績の分析

(a) 売上高

 当連結会計年度における売上高は3,622百万円(前連結会計年度比16.8%増)となりました。内訳として、情報提供事業においては、新型コロナウイルス感染症再拡大による懸念により雇用環境は完全に回復しきれていない状況は継続しており、求人広告メディアの売上は下げ止まりとなっているものの、採用管理システムを顧客に提供する『ワガシャ de DOMO』(サブスクリプション型課金モデル)の販売は拡大しており、売上高は3,055百万円(前連結会計年度比21.4%増)となりました。販促支援事業においては、主たる売上であるフリーペーパーの取次において、顧客の販売促進費圧縮等による取次量の減少傾向は継続しており、イベント・レジャー関連企業の販促活動の回復の兆しは見えるものの完全回復には至っておらず、販促支援事業における売上高は586百万円(同2.8%減)となりました。

 

  (b) 売上原価、売上総利益

 売上原価は紙媒体の印刷コストの減少やフリーペーパー取次に係る原価の減少等により1,141百万円(同1.3%減)となりました。

 以上の結果、売上総利益は2,481百万円(同27.7%増)となりました。

 

  (c) 販売費及び一般管理費、営業利益

 販売管理費は商品力・販売力維持のため、人件費、広告販促費は前期に対して微増となったものの、流通コストや本社移転による設備費の削減により2,481百万円(同0.3%減)となりました。売上高の回復及びコスト構造の見直し等により、営業利益は0百万円(同営業損失545百万円)となりました。

 

    (d) 営業外損益、経常利益

 営業外収益は投資事業組合運用益の計上により23百万円(同37.9%減)、営業外費用は11百万円(同5.1%増)となりました。
 以上の結果、経常利益は12百万円(同経常損失518百万円)となりました。
 

    (e) 親会社株主に帰属する当期純利益

  親会社株主に帰属する当期純利益につきましては繰延税金資産の回収可能性の見直しにより税金費用が減少したことで39百万円(同親会社株主に帰属する当期純損失500百万円)となりました。
 

(3) 財政状態の分析

 当連結会計年度末の財政状態は、総資産は5,003百万円(前連結会計年度末比2.3%増)、負債が638百万円(同12.2%増)、純資産が4,364百万円(同1.0%増)となりました。また、自己資本比率は87.2%となりました。

資産の部では、流動資産が3,877百万円(同2.9%減)となりました。これは、現金及び預金が3,396百万円(同2.6%減)、売掛金が418百万円(同14.4%増)等となったためです。

固定資産は1,125百万円(同25.3%増)となりました。これは、有形固定資産が566百万円(同2.1%減)、無形固定資産が367百万円(同164.6%増)、投資その他の資産が191百万円(同6.0%増)となったためです。

負債は638百万円(同12.2%増)となりました。これは、未払消費税等が78百万円(前連結会計年度は1百万円)、未払法人税等が20百万円(前連結会計年度は0百万円)等となったためです。

純資産は4,364百万円(同1.0%増)となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が4,439百万円(同0.9%増)等となったためです。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、3,396百万円(前連結会計年度末比91百万円減)となりました。

 

(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は、123百万円(前連結会計年度は437百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が12百万円、減価償却費が34百万円、未払消費税等の増加額が77百万円となった一方で、売上債権の増加額が52百万円、未払債務の減少額が27百万円等となったためです。

 

  (b) 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は、209百万円(同51百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出が223百万円等となったためです。

 

  (c) 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は、4百万円(同187百万円の支出)となりました。これは主に、ファイナンス・リース債務の返済による支出が3百万円等となったためです。

 

  (資本の財源及び資金の流動性について)

当社グループの事業活動における主要な資金需要は、印刷費、労務費等の製造原価や人件費、広告宣伝費、流通費等の運転資金であります。当社グループの事業活動に必要な資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金を活用しております。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2[事業の状況] 2[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。当社グループは事業環境やマーケット動向等事業に影響し得る動きを注視するとともに事業運営体制の整備を図り、リスク要因に対する対応策を検討、実施し、様々な課題に対応していくことが必要だと考えております。

 

(6) 経営戦略の現状と見通し

今後の見通しにつきましては、わが国経済は新型コロナウイルスの新たな変異株による感染症再拡大の懸念や資源価格の高騰等により、先行き不透明な状態で推移すると予想されます。

当社グループの主たる事業である人材ビジネスを取り巻く環境は、求人広告メディアが商品での差別化が難しく価格競争が常態化しています。また、テクノロジーの進化により新しいリクルーティングモデルが生まれ、プレイヤーが増えていることから求職者獲得コストが増加していることもあり、メディアは今後大きな成長は望めないと考えています。

このような環境下において、今後も当社グループが顧客と求職者や生活者に支持され、持続的に成長するためには、新たな価値創造が不可欠です。求人広告メディアに加え、『ワガシャde DOMO』のようなHRテックやダイレクトリクルーティング、人材紹介と教育を組み合わせた新しいモデルへの挑戦や、求職者目線で新しい働き方を提案できるモデルを研究し、独自性を追求すると同時に、採用だけでなく、人材の定着促進や戦力化など多様化する求職者の働き方を促進するようなサービス、さらには生活者向けに求人以外の情報を提供するサービスへも挑戦しドメインを拡大していきたいと考えています。

 

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