課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

当社は「それぞれの新郎新婦にとって最高の結婚式を創る」の企業理念のもと、「完全貸切ゲストハウス・ウエディングプランナー一貫制・オープンキッチン」というウエディングスタイルを創業当時から貫いております。

当社のすべての仕組みは「いい結婚式」を創るために存在しています。「いい結婚式」を増やすべく、全国に結婚式場を新設し、事業の成長を図ってまいります。

 

(2)経営戦略等

当社は、事業の継続的な発展に注力し、売上高、経常利益、売上高経常利益率の向上を指標として安定的な成長と株主価値を高める努力を続けてまいります。また、継続した新規出店を可能にするのは、既存店舗の収益の維持・拡大が必要と考えております。トレンドの変化に素早く対応した広告戦略や店舗ディスプレイ等への適切な投資のもと、集客数と成約率の更なる向上を図り、新規出店のみならず、既存店の収益力向上を成長エンジンとして企業価値の向上を図ります。加えて、今後も持続的な成長を実現するには、継続的に新規出店に投資を行っていく必要があり、投資の原資となるキャッシュ・フローを改善していく必要があると考えております。そのため、原価率の低減や販管費の管理に努めることはもちろん、出店戦略の多様化を図りながら出店コストを低く抑えることでキャッシュ・フローの改善を図ってまいります。

また、ウエディングプランナー一貫制は新郎新婦と十分な意思疎通を図ることができ、強い信頼関係が生まれます。この信頼関係はコロナ禍における結婚式実施への動機となります。その結果、延期・キャンセル数が限定的になること、少人数式への移行数が限定的になることへ繋がります。当社はコロナ禍における顧客対応全般を一貫制における長所とリンクさせて取り組んでいく方針です。

 

(3)経営環境

当社を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染拡大により、緊急事態宣言等政府や自治体からの度重なる営業活動への制限を受け、引き続き業績への影響を受けておりますが、足元の施行状況においてはワクチン接種が普及し、延期等の対応は徐々に減少しております。受注における影響については、概ね平時と同等の状況まで環境は回復しております。

また、日本国内の少子高齢化や未婚率の増加などを背景に、挙式・披露宴実施組数は緩やかに減少していくと予想されます。しかしながら、オリジナルな挙式・披露宴志向の高まりによって、ゲストハウスウエディングの市場は、広く支持を集めております。こうしたトレンドを踏まえ、専門式場がゲストハウスウエディングへ進出しているほか、受注競争の激化、少人数挙式の需要増等、業界における企業間の競争はますます激しくなると認識しております。このような状況下において、当社がウエディング事業を核に、中長期的に企業価値を高めていくために、当社は下記の事項を主な課題として取り組んでいく方針です。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①出店について

 当社は、東海地方を中心に23会場を展開しておりますが、競争力の高いゲストハウスの展開は当社事業の根幹であり、出店条件や地域の特異性等、当社が対象とする顧客層を考慮した上で、店舗の採算性並びに資金繰りを検討し、出店候補地を決定しております。現在の建築資材の価格高騰も踏まえ、今後は出店戦略の多様化を図りながら、より効率的な店舗展開を進めていくことが重要な課題と認識しております。

 

②人材の確保と育成

 当社の主役ともいうべきウエディングプランナーは新卒の採用を主体として、育成していく方針です。入社後は定期的な社内研修等を実施することにより、顧客ニーズに対応できる接客力を向上させておりますが、スタッフ育成には一定の教育期間を要するため、事業展開と人材採用・育成とのバランスをとりながらサービスの維持・向上に努めてまいります。

 

③衛生管理の強化

 当社の各会場は、食品衛生法に基づき所轄保健所より営業許可証を取得し、食品衛生責任者を配置しております。また、衛生管理マニュアルに基づく衛生・品質管理を徹底していると共に、定期的に本社人員による店舗監査や外部検査機関による検査と改善を行っております。今後も法改正等に対応しながら、更に衛生管理体制を強化してまいります。

 

 

④コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化

 当社では、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに信頼され、支持される企業となるため、また、今後も企業の継続的な成長を実現していくために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みが不可欠であると考えております。今後においても、管理部門の拡充、内部監査体制の充実及び監査役、監査法人との連携等を通して、更なる内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

⑤結婚式クオリティ強化を前提とした内製業務の推進

 当社の主な内製業務は、婚礼料理の調理とドレスショップの運営です。それらの内製事業への経営資源・人的資源の投入により弊社の結婚式クオリティは堅持されております。今後は内製範囲を広げ結婚式クオリティを更に引き上げ、他社との更なる差別化を図ってまいります。

 

⑥新型コロナウイルス感染症の影響の長期化を想定した利益創出体制の強化
 完全貸切ゲストハウスによる密になりにくい空間における優位性及び感染症対策の確立により、集客数の確保に努めます。更に一定程度の施行組数の減少及び1組当たりのゲスト数減少を想定し、割引体制の見直しや未招待ゲストへの対応による売上単価の維持等の施策により利益創出体制の強化に努めます。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標は、売上高、経常利益、売上高経常利益率であります。

当事業年度につきましては、売上高11,420,699千円、経常利益800,547千円、売上高経常利益率7.0%の目標に対して、新型コロナウイルス感染症の感染状況が徐々に緩和される中、挙式・披露宴は概ね予定通り実施され、通期で過去最高となる施行数を実施するに至りました。また、稼働率の回復により売上原価率は1.7%改善し、引き続き販管費の削減に取り組んだ結果、売上高11,415,969千円、経常利益1,129,253千円となり、利益面で予想値を大きく上回る結果となりました。

 

 

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