当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の流行による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に繰り返され、長期にわたり経済活動が制限されました。また、感染再拡大への警戒感から、依然として予断を許さない状況が続いております。
国内の介護業界におきましては、2021年4月に介護報酬改定が行われ、改定率は介護サービス全体で+0.7%となりましたが、サービスを担う人材を適時適切に確保することは非常に難しく、人件費及び採用コストの上昇が続いており、介護人材の採用と定着が引き続き介護事業者の大きな課題となっております。
また、当社においては、介護サービスの利用ニーズは高いながらも、度重なる新型コロナウイルス感染症のまん延により、複数のデイサービスが休業を繰り返す結果となりました。
このような状況の下、当社グループは「介護からエンゼルケアまで」の一貫したサービスを提供するための基盤構築を図ってまいりました。
既存事業の合理化・効率化及び将来の展開を意識した利益確保と、本社業務の効率化や労務費の削減による経費圧縮、強固なドミナントエリア形成のための新たな展開に向けて準備を進めてまいりました。一方で、在宅介護サービス事業においては、ワクチン接種の開始に伴い介護業界全体で看護師が不足したことにより、デイサービス及び訪問入浴サービスにおいて、採用及び人材派遣に関する費用が上昇しました。
また、同事業において、2021年12月、東京都練馬区に「デイサービスセンター大泉学園」、東京都調布市に「デイサービスセンター調布柴崎」の2事業所を開設し、東京都江東区の「居宅支援ひだまり臨海」を区内で移転、「居宅支援木場」へ名称変更し、同区「居宅支援ひだまり深川」と統合しました。2022年3月には、同区内に「居宅介護支援亀戸」を開設いたしました。これにより、事業所の開設、移転・統廃合に関する費用が増加しました。
なお、国内既存事業所数は、デイサービスの事業所開設による増店2、居宅介護支援事業所の開設による増店1及び統廃合による減店1、エンゼルケアの事業所開設による増店1により、合計106事業所となりました。
海外事業におきましては、「上海福原護理服務有限公司」のエンゼルケア事業において、エンゼルケアサービスの認知度の高まりにより、施行件数が順調に増加しておりましたが、新型コロナウイルスの感染再拡大により3月にロックダウンし、その影響については引き続き注視する必要があります。
その他の事業では、当社グループ子会社である「株式会社ケアサービスヒューマンキャピタル」が、介護業界を対象とした人材紹介サービスにおいて、緊急事態宣言下の外出自粛による選考プロセスの遅れなどの影響により苦戦を強いられるなど、人流の影響を大きく受けました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は8,965百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益は306百万円(前年同期比0.4%増)、経常利益は327百万円(前年同期比2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は192百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(在宅介護サービス事業)
当事業におきましては、デイサービスが新型コロナウイルス感染症拡大により、事業所の休業及びお客様の利用控えの影響を受け、全体的に厳しい環境が続きました。また、ワクチン接種の開始に伴い介護業界全体で看護師が不足したことにより、デイサービス及び訪問入浴サービスにおいて採用及び人材派遣に関する費用が上昇しました。一方で、訪問型介護サービスである訪問入浴、訪問介護、訪問看護が堅調に推移しました。そのほか、12月に実施したデイサービス2事業所の開設と、居宅介護支援事業所1事業所の開設及び移転・統廃合に関する費用が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は6,561百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益は503百万円(前年同期比12.1%減)となりました。
(シニア向け総合サービス事業)
当事業におきましては、エンゼルケアサービスが葬儀の在り方が変化する中、湯灌等の引き合いは強く、好調に推移しました。また中国子会社の上海福原護理服務有限公司では、現地でのエンゼルケアサービスの認知度の高まりにより、施行件数が増加するなど着実な成長を示しております。
なお、当連結会計年度での事業所数の推移は、前期末比でエンゼルケアの1事業所を開設いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,403百万円(前年同期比8.8%増)、セグメント利益は554百万円(前年同期比18.4%増)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より19百万円増加し、3,239百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、2,354百万円(前連結会計年度末2,404百万円)となり、50百万円減少しました。現金及び預金の減少38百万円、売掛金の減少6百万円、その他の減少5百万円が主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、885百万円(前連結会計年度末815百万円)となり、69百万円増加しました。建設仮勘定の増加51百万円、建物(純額)の増加22百万円、有形固定資産その他の増加18百万円、有形リース資産(純額)の増加10百万円、無形リース資産の減少23百万円、のれんの減少16百万円、無形固定資産その他の減少11百万円が主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、926百万円(前連結会計年度末1,008百万円)となり、82百万円減少しました。未払費用の増加12百万円、リース債務の増加5百万円に対し、1年内返済予定の長期借入金の減少49百万円、未払法人税等の減少17百万円、未払金の減少15百万円、買掛金の減少15百万円が主な要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、295百万円(前連結会計年度末355百万円)となり、59百万円減少しました。退職給付に係る負債が22百万円増加しましたが、長期借入金の減少62百万円、リース債務の減少20百万円が主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、2,018百万円(前連結会計年度末1,857百万円)となり、160百万円増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加192百万円、配当金の支払いによる減少32百万円が主な要因であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して38百万円減少し、930百万円(前連結会計年度末比4.0%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は、338百万円(前年同期は340百万円の獲得)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益327百万円、減価償却費132百万円、退職給付に係る負債の増加22百万円、未払消費税等の増加18百万円に対し、法人税等の支払額164百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は、184百万円(前年同期は48百万円の使用)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出163百万円、敷金及び保証金の差入による支出13百万円、無形固定資産の取得による支出6百万円、長期前払費用の取得による支出5百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は、191百万円(前年同期は274百万円の使用)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出112百万円、リース債務の返済による支出46百万円、配当金の支払額32百万円によるものです。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。
売上高は、8,965百万円と前連結会計年度から279百万円(3.2%)増加いたしました。これは、在宅介護サービス事業が主に訪問系サービスの増収により85百万円(1.3%)の増加、シニア向け総合サービス事業が主にエンゼルケアサービスの増収により193百万円(8.8%)の増加となったことによるものです。
利益面については、労務費を含めたコストの大幅な見直しにより、営業利益は306百万円と前連結会計年度から1百万円(0.4%)増加いたしました。また、経常利益は営業利益の増加に伴い、327百万円と前連結会計年度から7百万円(2.4%)増加いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益は、192百万円と前連結会計年度より1百万円(0.7%)増加いたしました。
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」 に記載のとおりであります。
なお、当社グループは、施設の出店に際しては賃借によることを原則としており、重要な資本的支出の予定はないため、当面の設備投資、成長分野への投資並びに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載の通りであります。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは、一定の仮定を置き合理的な基準に基づいて実施しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
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