業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年1月1日~2021年12月31日)における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の全世界的蔓延の影響等により、経済活動の停滞が継続し、厳しい状況で推移しました。感染症のワクチンの普及等が進み、徐々に回復しつつありますが、新たな変異株の発生により依然として先行きが不透明な状況が続いております。

 このような環境の下、当社グループは、前連結会計年度に引き続き、新規リテイナー契約の獲得及び既存・新規顧客からオプショナル&スポット案件の獲得に注力いたしました。

 リテイナー契約においては、新たに国内官公庁・地方自治体・各種団体等を獲得し、リテイナー契約社数が前年同期と比べ増加したことにより、リテイナーの売上高は、前期同期を162百万円上回りました。オプショナル&スポットにおいては、前年同期と比べ受注に至るクライアント数が増加し、海外法人の自動車関連クライアントや国内団体のイベント案件や、国内製造業関連クライアントのインフルエンサー案件業務等を受注し、オプショナル&スポットの売上高は前年同期と比べ536百万円増加いたしました。ペイドパブリシティの売上高に関しましては、前年同期と比べ78百万円減少いたしました。以上の結果から、連結売上高は、前年同期と比べ619百万円増加し、5,609百万円となりました。

利益面につきましては、売上高の増加に伴い、前期同期と比べ売上総利益が372百万円増加しました。販売費及び一般管理費については、本社移転関連費用等の一時的な増加により、前年同期と比べ6.0%増加となりました。

連結子会社の一社である共和ピー・アール株式会社は、オプショナル&スポット案件売上が前期より減少した結果、減収減益となりました。映画のPRに特化した株式会社マンハッタンピープルにつきましては、映画館の営業再開により回復基調にあり、増収増益の結果となりました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,609百万円(前期比12.4%増)、営業利益381百万円(前期比143.8%増)、経常利益392百万円(前期比159.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益131百万円(前期比943.0%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資 産)

当連結会計年度末における流動資産は2,985百万円となり、前連結会計年度末に比べ542百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が412百万円、受取手形及び売掛金が84百万円、未成業務支出金が62百万円増加した一方で、前払費用が19百万円減少したこと等によるものであります。

固定資産は558百万円となり、前連結会計年度末に比べ48百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産が106百万円増加したものの、敷金及び保証金が99百万円、長期繰延税金資産が17百万円減少したこと等によるものであります。

この結果、総資産は3,544百万円となり、前連結会計年度末に比べ494百万円増加いたしました。

(負 債)

当連結会計年度末における流動負債は1,116百万円となり、前連結会計年度末に比べ225百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が8百万円、1年以内返済予定長期借入金が52百万円、未払金が89百万円、未払法人税等が123百万円増加した一方で、短期借入金が100百万円減少したこと等によるものであります。
 固定負債は485百万円となり、140百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金が114百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、負債合計は1,602百万円となり、前連結会計年度末に比べ366百万円増加いたしました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は1,941百万円となり、前連結会計年度末に比べ128百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が84百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、自己資本比率は54.2%(前連結会計年度末は59.2%)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ428百万円増加し1,916百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は441百万円(前年同期間は384百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上287百万円、投資有価証券評価損85百万円などの資金増加要因があった一方で、売上債権の増加84百万円、たな卸資産の増加62百万円といった資金減少要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は25百万円(前年同期間は101百万円の支出)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入149百万円といった資金増加要因があった一方で、有形及び無形固定資産の取得による支出155百万円といった資金減少要因があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は15百万円(前年同期間は241百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入300百万円、ストックオプションの行使による収入51百万円などの資金増加要因があった一方で、短期借入金の減少による支出100百万円、長期借入金の返済による支出132百万円、自己株式の取得による支出50百万円、配当金の支払額47百万円といった資金減少要因があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社の主たる業務は、PR事業であり広報活動を支援するという役務を提供する業務であるため、生産に該当する事項はありません。

b.受注実績

当社の事業はPR事業であり、製造業等とは異なるため受注実績については記載しておりません。

c.販売実績

当連結会計年度のPR事業をサービス区分別に示すと、次の通りであります。

事業のサービス区分別の名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

リテイナー

2,445

7.1

オプショナル&スポット

2,451

28.0

ペイドパブリシティ

712

△10.0

合計

5,609

12.4

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。

 この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる可能性があります。

 当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

売上高は、前連結会計年度比619百万円(12.4%)増加の5,609百万円となりました。これは主に、当社及び連結子会社マンハッタンピープルの売上高が増加したことによります。当社単体の売上高は、前年同期と比べ398百万円(9.4%)増加の4,645百万円となりました。連結子会社の売上高は、共和ピー・アール株式会社が前年同期と比べ14百万円(7.0%)減少、株式会社マンハッタンピープルが前年同期と比べ248百万円(42.4%)増加いたしました。
<リテイナー>

当社及び共和ピー・アール株式会社においてはリテイナー契約数の伸張に取り組み、新たにリテイナークライアントを獲得したことにより、リテイナーの売上高は、前連結会計年度比162百万円(7.1%)増加の2,445百万円となりました。

<オプショナル&スポット>

当社におけるオンライン記者会見案件の受託の増加や、新規開催のイベント案件受託、株式会社マンハッタンピープルの復調もあり、オプショナル&スポットの売上高は、前連結会計年度比536百万円(28.0%)増加の2,451百万円となりました。

<ペイドパブリシティ>

当連結会計年度のペイドパブリシティにおける売上高は、当社単体のみの結果となりました。ペイドパブリシティの売上高は、前連結会計年度比78百万円(10.0%)減少の712百万円となりました。

(売上総利益)

売上総利益は、当社及び株式会社マンハッタンピープルにおいて売上が増加したことにより、前連結会計年度比372百万円(14.2%)増加の2,995百万円となりました。

(営業利益)

営業利益は、本社移転に関する費用により、販売費及び一般管理費が前期比6.0%増加したものの、売上総利益の増加のため、営業利益は前連結会計年度比224百万円(143.8%)増加の381百万円となりました。

(経常利益)

経常利益は、受取賃貸料7百万円及び為替差益4百万円等を含む営業外収益18百万円、支払利息2百万円及び不動産賃貸費用3百万円等を含む営業外費用7百万円を計上し、前連結会計年度比241百万円(159.6%)増加の392百万円となりました。

 

(税金等調整前当期純利益)

税金等調整前当期純利益は、投資有価証券及び関係会社株式評価損85百万円、本社移転費用14百万円等の特別損失を計上したことにより、前連結会計年度比217百万円(308.6%)増加の287百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益287百万円だったことに加え、税金費用155百万円が計上されたことにより、前連結会計年度比119百万円(943.0%)増加の131百万円となりました。

 

b.財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照ください。

 

c.キャッシュ・フロー

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、経済環境・PR業界・メディアの変化、新規事業展開、人材の確保及び育成等があります。

PR業務は、企業の状況や経済環境に影響を受けやすい傾向にあり、経済環境が悪化した場合に、当社グループの事業サービス区分のオプショナル&スポット及びペイドパブリシティにおいては、経営成績に重要な影響を及ぼすことが考えられます。また、インターネット等の台頭によってメディアの多様化が進んできており、今後は、従来の新聞や雑誌において記事が掲載されたとしても、期待する効果が得られないケースが起こり得ることから、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、さらなる成長を目指して新規事業の開発を推進しております。新規事業立上げを目的とした投資並びに事業遂行に関連した投資有価証券の取得や当初の計画通りに成果が得られない場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことが考えられます。

当社グループの成長は、優秀なPR人材の確保及び育成に大きく依存し、当社にとって不可欠なものです。また、昨今、PR手法の有効性や重要性が認識され、PR市場が成長していることから、PRに関わる人材の需要が高まっています。当社グループでは、新卒採用だけでなく業界問わず中途採用も積極的に進めておりますが、当社グループの業容拡大に応じて人材を採用または育成できない場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことが考えられます。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析

① 資金需要

当社グループの資金需要は、主に営業活動における需要と投資活動における需要の2つがあります。

営業活動における資金需要のうち主なものは、営業活動に必要な運転資金(人件費及び外注費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費の営業費用によるものであります。

また、投資活動における需要としましては、主に事業伸長・社員の生産性向上及び新規事業立上げを目的とした投資並びに事業遂行に関連した投資有価証券の取得によるものであります。

② 財務政策

当社グループの事業活動の維持拡大や設備投資に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関から借入により資金調達を行っております。

 

(5) 経営目標の達成状況

当連結会計年度における経営目標の達成状況は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。

 

 

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