文中における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において売上高については増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
当社グループは、「世の中のあらゆる関係性を良好にする」というミッションを軸に、日本・中国・シンガポールに拠点を有するコミュニケーション分野に専門性を持ったグループ会社と連携し、PR発想でのコミュニケーションコンサルティングサービスを包括的に提供しております。
当連結会計年度(2021年9月1日~2022年8月31日)の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大の影響を受けました。中国最大の経済都市である上海では2か月以上にわたりロックダウンが実施され、日本においては、経済活動の正常化を模索する動きが出てきたものの、依然として先行きの見通しづらい状態が継続しております。
このような状況のもと、当社グループは、リアルとデジタルの両面でクライアントのコミュニケーション活動を支援するためのサービス提供に努めました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は6,274百万円、営業利益は439百万円(前年同期比40.7%増)、経常利益は441百万円(前年同期比31.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は157百万円(前年同期比12.1%増)となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は3,090百万円減少しております。又、本社移転関連費用として、当連結会計年度に特別損失127百万円を計上しております。
(流動資産)
当連結会計年度における流動資産の残高は、5,000百万円と前連結会計年度に比べ370百万円の増加となりました。これは、棚卸資産74百万円が減少したものの、現金及び預金419百万円が増加したことが主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度における固定資産の残高は、1,406百万円と前連結会計年度に比べ128百万円の増加となりました。これは、のれん48百万円が減少したものの、建物及び構築物78百万円、ソフトウェア仮勘定28百万円、差入保証金23百万円、ソフトウェア19百万円が増加したことが主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度における流動負債の残高は、1,347百万円と前連結会計年度に比べ32百万円の増加となりました。これは、契約負債(前連結会計年度は未成業務受入金)70百万円が減少したものの、流動負債その他に含まれる未払金85百万円、賞与引当金16百万円が増加したことが主な要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度における固定負債の残高は、140百万円と前連結会計年度に比べ62百万円の減少となりました。これは、固定負債その他に含まれる長期未払金65百万円が増加したものの、退職給付に係る負債143百万円が減少したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産の残高は、4,917百万円と前連結会計年度に比べ528百万円の増加となりました。これは、自己株式の処分等278百万円、資本剰余金108百万円、為替換算調整勘定79百万円、非支配株主持分57百万円が増加したことが主な要因であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ745百万円増加し、3,494百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、398百万円(前年同期は得られた資金224百万円)となりました。これは主に、退職給付に係る負債の減少額143百万円、法人税等の支払額118百万円が生じたものの、税金等調整前当期純利益314百万円、減価償却費87百万円、のれん償却額73百万円、棚卸資産の減少額83百万円が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、117百万円(前年同期は使用された資金689百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出139百万円、無形固定資産の取得による支出73百万円、敷金及び保証金の差入による支出39百万円が生じたものの、定期預金の払戻による収入379百万円が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、165百万円(前年同期は使用された資金310百万円)となりました。これは、配当金の支払額158百万円が生じたものの、自己株式の売却による収入337百万円が生じたことによるものであります。
当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ。)が営んでいる事業に「生産、受注」に該当する事項はありません。当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用したため、上記に係る対前年同期比は記載しておりません。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先は、次の通りであります。
(注) 1 当連結会計年度は販売実績が10%未満のため、記載を省略しております。
2 A社との契約上守秘義務を負っているため、社名の公表は控えております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
又、新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りに関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)(新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積り)」に記載の通りであります。
収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において売上高については増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
当連結会計年度(2021年9月1日~2022年8月31日)の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大の影響を受けました。中国最大の経済都市である上海では2か月以上にわたりロックダウンが実施され、日本においては、経済活動の正常化を模索する動きが出てきたものの、依然として先行きの見通しづらい状態が継続しております。
このような状況のもと、当社グループは、リアルとデジタルの両面でクライアントのコミュニケーション活動を支援するためのサービス提供に努めました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は6,274百万円、営業利益は439百万円(前年同期比40.7%増)、経常利益は441百万円(前年同期比31.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は157百万円(前年同期比12.1%増)となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は3,090百万円減少しております。また、本社移転関連費用として、当連結会計年度に特別損失127百万円を計上しております。
セグメントごとの経営成績などの概要は、以下のとおりです。
①コミュニケーションサービス事業
当社単体を含むコミュニケーションサービス事業では、コミュニケーション戦略策定などのコンサルテーション、メディアやインフルエンサーとの関係性を構築するリレーション活動や、情報をメディアを通じてステークホルダーへ伝えるパブリシティ活動を含めた情報流通のデザインなど、コミュニケーション活動において包括的なサービス提供を行っております。
クライアントのニーズが高まっているサステナビリティ関連のコミュニケーションコンサルティング案件の獲得やヘルスケア、IT、危機管理広報コンサルティングといった当社グループの強みが発揮できる案件の受注拡大に注力しました。
これらの結果、コミュニケーションサービス事業の売上高は5,402百万円、セグメント利益は424百万円(前年同期比2.1%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は330百万円減少しておりますが、セグメント利益に与える影響はありません。
また、当社単体としては、個別受注業務による売上高1,754百万円、その他の業務による売上高は1,896百万円となりました。
②デジタルソリューション事業
デジタルソリューション事業では、広報PR業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するクラウドツールの提供、デジタル広告やソーシャルメディアの運用、動画・バナー・WEBサイト等のクリエイティブ制作といったサービスを提供しております。
プラップノード株式会社が提供するSaaS型クラウドサービス「PRオートメーション」は、広報PR業務のDX推進に向けて、クライアントのニーズに対応した機能追加・改善を継続的に実施しながら堅調に導入クライアント数を増やしております。
前期に新たにグループインした「株式会社プレシジョンマーケティング」、シンガポールの「WILD ADVERTISING&MARKETING PTE.LTD.」は、コロナ禍によって加速したデジタルシフトの動きを的確に捉え、デジタル広告、SNS運用、データ分析といったサービスの受注を拡大しました。
これらの結果、デジタルソリューション事業の売上高は1,061百万円、セグメント利益は89百万円(前年同期比1,143.0%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は2,759百万円減少しておりますが、セグメント利益に与える影響はありません。
当連結会計年度における主な勘定科目等の増減の状況は次の通りです。
(売上高)
当連結会計年度において売上高は6,274百万円となりました。これはコミュニケーションサービス事業が底堅く推移したことに加え、デジタルソリューション事業が伸長したことによるものです。
(営業利益)
営業利益は、439百万円と前連結会計年度に比べ127百万円(40.7%)の増益となりました。これは、販売費及び一般管理費が268百万円(17.7%)増加したものの、売上総利益が前連結会計年度より395百万円(21.6%)の増益となったことによるものです。
(経常利益)
経常利益は、441百万円と前連結会計年度に比べ104百万円(31.1%)の増益となりました。これは、前連結会計年度に比べ自己株処分費用8百万円、為替差損2百万円が増加したものの、営業利益が127百万円(40.7%)の増益となったことによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、157百万円と前連結会計年度に比べ16百万円(12.1%)の増益となりました。これは、事務所移転費用127百万円が増加したものの、法人税、住民税及び事業税17百万円、法人税等調整額6百万円、非支配株主に帰属する当期純利益4百万円の減少に加え、経常利益が104百万円(31.1%)の増益となったことによるものです。
当社グループにおける資金需要の主なものは、人件費、外注費、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フローによる資金調達となります。
内部留保金の使途につきましては、更なる成長に向け、長期的な視点に立ったサービス開発への投資、事業拡大のための買収資金確保、IT/デジタルへの投資等の資金需要に活用していく方針としております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記の通りであります。
各指標の算出式は次の通りであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。又、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループは、持続的な企業価値の向上を実現するために、成長性、安全性、収益性に関する各指標の改善に努めております。成長性では売上高、営業利益、EBITDAの持続的拡大、安全性では高水準の自己資本比率の維持、収益性では自己資本利益率の向上を目指して、事業展開を実施しております。
当連結会計年度の経営上の目標達成状況については、当社グループが強みを有するヘルスケア、IT、危機管理広報コンサルティング等の受注拡大およびコロナ禍においてニーズが増加したデジタルサービスの受注拡大により、営業利益、EBITDAともに前期比で増加しました。また、売上高も当連結会計年度の期首から適用した「収益認識に関する会計基準」適用前の数値で比較すると前年同期比で増加しました。
安全性と収益性に関して、自己資本比率は73.2%と高水準を維持し、自己資本利益率は前年同期比で改善しました。
当社グループの強みは、総合力と専門性、豊富な経験とナレッジによるコミュニケーションコンサルティングサービスです。この強みをさらに最大化させるべく、中長期における戦略として、「コア事業の拡充」「新規事業の推進・開発」「人材強化」「経営力の強化」に取り組んでおります。コア事業においては、長年にわたり、様々な業種/分野のコミュニケーション領域における課題解決を支援してきた経験をもとにそれぞれの業種/分野に即した専門性の高いサービスの提供を実施していきます。
新規事業においては、「デジタル領域の拡大・強化」「海外事業の展開」に取り組んでおります。「デジタル領域の拡大・強化」として、広報・PR業務のSaaS型クラウドサービス「PRオートメーション」を提供しているプラップノードを中心に、デジタル領域のソリューション拡大/新サービスの提供を実施していく考えです。又、コミュニケーションコンサルティング・グループへの進化に向けて、プレシジョンマーケティング、WILD ADVERTISING & MARKETINGを中心に、デジタルマーケティング領域へ事業の幅を拡大していきます。
「海外事業の展開」としては、中国・東南アジア地域でのビジネスを推進しており、提供サービスの拡大、新規拠点開発に取り組んでいきます。
これらの施策を支える「人材強化」「経営力強化」として、専門性を有する優秀人材の確保・成長のための教育機会の創出に加え、生産性向上のためのITツールの活用、多様な働き方に対応する制度導入などを積極的に実施していく考えです。
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