研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社は、フルッタアサイーブランドの強化及びアサイーの再認知を主たるテーマとし、研究開発に取り組んでおります。

 当事業年度の主な研究内容と開発商品は次のとおりであります。なお、当社は、輸入食品製造販売事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載はしておりません。当事業年度の研究開発費総額は、16,174千円であります。

 

1.アサイーフリーズドライパウダーの市場拡大

「みなぎるフルーツ、アサイー※」のパワーと栄養素を日々の生活に手軽に取り入れ健康力を高めることをコンセプトにした「アサイー効果」シリーズの新アイテムとして、オーガニックアサイーを100%使用したフリーズドライパウダーの個包装タイプ『アサイー効果 アサイーフリーズドライパウダー』を全国の大手会員制倉庫店様にて2021年4月上旬より順次発売いたしました。

常温で携帯が可能なうえに持ち運びが便利な2gずつの少量個パックを、1日1包楽しめるように40包入りの大容量サイズでご用意いたしました。毎日の健康維持に嬉しいアサイーの栄養素を、いつでも、どこでも手軽にプラスしてご活用いただけます。

 

2.プラントベースの乳代替商品

①アサイーと大豆を発酵させて作った飲むヨーグルト

『アサイー効果 アサイーソイヨーグルト』を、2021年4月中旬より当社オンラインショップおよび関東エリアの小売店(一部中部・近畿地方)にて発売致しました。本品は鉄などの栄養素を日々の生活に手軽に取り入れ健康力を高めることをコンセプトにした「アサイー効果」シリーズの、アサイーと乳酸菌の相乗効果を期待できるプラントベースの植物性シンバイオティクス飲料です。アサイーと大豆粉を植物性乳酸菌で発酵させた、濃厚でとろりとなめらかな飲み口が特徴です。またアサイーのコクと大豆の素朴な風味に、パッションフルーツのフルーティーさと酸味を加えた爽やかな味わいに仕上げました。日々の健康をサポートする植物性飲むヨーグルトとしてご活用いただけます。

 

②ココナッツミルクを発酵させて作ったヨーグルト

近年広がりを見せているプラントベース、ココナッツミルクを使用したヨーグルト『ココナッツグルト』を2021年7月7日(水)に本州・四国の「イオン」「イオンスタイル」※で発売いたしました。(※一部店舗で取り扱いがない場合があります。)

当社では2018年に前身となる個食タイプ(80g)の『ココナッツヨーグルト』を発売いたしましたが、再販を望む多くのお客様のお声を受けリニューアルし、ホームタイプ(250g)の新たな商品を発売することになりました。

乳成分を使用せず、厳選した無添加のココナッツミルクを贅沢に使用し、素材本来の味わいと風味を生かし、限りなくシンプルな材料のみの、濃厚でなめらかなヨーグルトに仕上げました。本品は甘味料不使用のプレーンタイプとなり、ココナッツミルクのほのかな甘みでそのままでも美味しくお召し上がりいただけます。お菓子やお料理の材料としても活用可能で、スムージーやスイーツ、サラダやソースなど、様々なアレンジをしてお楽しみいただけます。

 

③アマゾンフルーツを使用した濃厚スムージー 第3弾

アマゾンフルーツを使用した「マンゴーミックススムージー」、「グアバミックススムージー」に続き、『アセロラミックススムージー』を2022 年1月より全国の大手会員制倉庫店様にて数量限定で順次発売しました。ビタミンCの王様と呼ばれるほど、果物の中で圧倒的に多くのビタミンCを含むアセロラをベースに、グァバ、ドラゴンフルーツのピューレなどをミックス。濃厚な酸味を効かせた、冬にぴったりの商品です。素材のおいしさを活かすため香料、着色料、甘味料を使用せず、圧力で熱殺菌を最小限に抑える製法「H P P 技術」を使用いたしました。

 

④カートカン新シリーズでフェムケア市場へ参入

アサイーやザクロなどの果実をミックスした“女性のための、アサイースムージー”「フルッタアサイー アサイーEPOFe®(エポーフェ)」を2022年3月下旬より全国および当社オンラインショップにて発売いたしました。

ブラジル・アマゾンフルーツのパイオニアとして、アサイーなどのアマゾンフルーツを日本で発売してから今年で20周年を迎えます。これまで多くの女性にご愛顧いただいたことへの感謝と、女性特有の心身にまつわる悩みに寄り添い、毎日を応援する意を込めて、この度、「女性のための、アサイー」を開発いたしました。当社は、本品の販売を通して女性のQOL※向上を応援してまいります。

※QOL=Quality of lifeの略称

 

⑤3社共同開発商品の取り組み and ethic「アサイー×お米の乳酸菌POWDER」

mima株式会社(所在地:東京都港区 代表:松本 毅史 以下mima社)が新たに立ち上げたブランド『and ethic』の第一弾商品で、自然発酵研究所のCOBO株式会社(所在地:神奈川県横浜市 代表:植田 夏雄 以下COBO社)とのコラボ商品が2022年3月に発売されました。

モデルの滝沢眞規子さんに参加をいただき、『アサイー×お米の乳酸菌POWDER』でCOBO社と共同開発を行いました。当社ではKOL(Key Opinion Leader)が参加するコラボ企画は初の試みとなります。

and ethicは「想いをつなげてエシカルがひろがっていく」をテーマとし、同じ想いを持つ企業と人が一緒になりさまざまなコラボ商品を開発していくことをコンセプトとしたブランドです。そして第一弾である本品は、滝沢眞規子さんが理想とする「日々使い続ける、安心できる」という考えを商品化。当社のアサイーパウダーと、山形県置賜地区で無農薬栽培されたササニシキを使用した、COBO社の自然発酵乳酸菌を配合して作られた製品です。自然発酵乳酸菌は水分を抜いて眠った状態にしている“生きた乳酸菌”。善玉菌を補給して腸内環境を豊かにすることで健康力を高め、またアサイーの豊富な栄養素を取り込めるからだづくりをサポートします。

日々の料理にサッと振りかけ手軽に栄養をプラスできることが特徴で、アサイー本来のオリーブオイルのようなコクとナッツのような香ばしさもお楽しみください。

 

⑥大手外食チェーン店様プライベートブランドの商品化

従来、当社のアサイーピューレをベースに、バナナなどを独自にブレンドする工程を無くし、オールインワン商品として、「冷凍アサイーボウルベース」を開発。店舗様での作業を極力抑えた商品を実現させました。

 

⑦アサイーの機能性研究

カナダのトロント大学(以下:トロント大学)で実施された、新型コロナウイルス(COVID-19)(以下 「新型コロナ」という)においても共通するNLRP3インフラマソーム(※1)誘発性炎症を抑制する効果の細胞実証実験にて、当社アサイー原料が NLRP3インフラマソームの形成及び誘発性炎症の原因物質を抑制する効果が認められました。

NLRP3インフラマソームは炎症反応を起こすタンパク複合体であり、活性化し過ぎると過剰な炎症が起き、サイトカインストームを誘発し動脈硬化や通風、肝硬変やアルツハイマー型認知症などの発生に関係すると言われています。よって当研究により、アサイーが新型コロナの治療方法の選択肢になり得る可能性のみならず、生活習慣病の予防や治療方法の一つとして応用される可能性も示唆され、アサイーの潜在力の大きさを物語る結果となりました。

この度の実験結果を受けて、今後さらに深度を増した共同研究を継続して実施して参ります。

 

3.研究結果概要

新型コロナウイルスが細胞に感染すると、NLRP3インフラマソームが活性化して炎症反応を引き起こすことが明らかになっています。そしてアサイーの有効成分が、このNLRP3インフラマソームレベルを調整し、炎症性サイトカイン(※2)を減少させることが新型コロナの治療方法として期待されていました。

今回の実験では、NLRP3インフラマソーム誘発性炎症を起こした細胞、およびNLRP3インフラマソームを調整するとされる抗酸化成分のオリエンチンに対し、当社が保有するアサイー原料が、NLRP3インフラマソームの構成物質であるASC(※3)およびカスパーゼ1(※4)の活性を調整し、炎症性サイトカインのIL-1β(※5)の放出を阻害することが明らかになり、炎症の悪化を抑制することが結論付けられました。

 

(※1) 生体防御のための炎症を起こす自然免疫系の細胞が持つタンパク複合体。ウイルスや細菌、環境中の刺激物(シリカ、アスベストなど)によって活性化する。これにより炎症性サイトカインが細胞外へ放出され、発熱や感染局所での炎症反応を起こす。

(※2) 免疫系細胞から分泌されるタンパク質で、炎症の原因物質とされる。

(※3) NLRP3とカスパーゼ1が結合しNLRP3インフラマソームを構成する要素となるタンパク質複合体。

(※4) ASCと同様にNLRP3インフラマソームを構成する要素となる酵素。

(※5) 炎症性サイトカインの一つ。

 

 

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