課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、1984年の創立以来、社名に表す「イメージ(画像)」に強いこだわりを持ちながら、各々の時代において最先端の製品やサービスを社会に提供してまいりましたが、抜本的な経営改革を目指すミッションとして、「人の健康と地球環境」の分野において、IT 医療と再生可能エネルギーおよび環境事業を通じ、お客様の迅速かつ的確な「意思決定」「意志伝達」を支援することで、健康的な長寿社会とクリーンなエネルギー社会の創造に貢献してまいります。そして我々は、お客様および国内外のパートナーにとって当社グループが目的を達成するための「存在価値」は何かを常に問い続けてまいります。

当社グループは、常にパートナーとともに顧客本位の観点から何が最適かを考え、お客様からの多種多様な要望に対してクオリティの高いサービスを提供し、顧客満足度を最大化すること、そして強固な信頼関係を構築してまいります。

(2)経営環境

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に緩和し、持ち直しの動きが継続しております。経済社会活動においても正常化が進み、景気が持ち直していくことが期待されますが、世界的な金融引締めに伴う影響やそれに伴う急激な円安進行、原燃料価格の高騰、半導体不足、ウクライナ情勢の長期化による影響が懸念されており、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

当社グループを取り巻く事業環境といたしましては、主要分野であるヘルスケア領域において、政府・総務省が推進する医療ICT政策にて「ネットワーク化による情報の共有・活用」「医療等データの利活用」が挙げられており、また、2021年9月に新設されたデジタル庁の医療分野構想においても「オンライン診療の原則解禁」等も発表されております。これらの実現の為には当社主要販売商品であるクラウド型電子カルテ、医療用画像管理システムは必須アイテムとなっております。また新型コロナウイルスの新たな変異株出現により、PCR検査・抗原検査等の新型コロナウイルス関連商品の需要もより一層高まっております。今後も新型コロナウイルスによるPCR検査の需要が見込まれることから商品の販売だけでなく受託検査機関を設けるべく当社100%子会社である株式会社ワン・サイエンスを2022年5月に設立いたしました。

地球環境領域においては、日本国内において、2050年までに温暖化ガスの排出量を全体として実質ゼロにする政府目標が示されております。再生可能エネルギーの積極的活用を図るため規制の緩和や普及促進を見込んだ制度変更、また、エネルギー基本計画において再生可能エネルギーの主力電源化の検討が開始されていることにより、当社再生可能エネルギー分野の社会的需要は今後も高まるものと考えられます。

トリチウム除去事業においては、東京電力ホールディングス株式会社からトリチウム除去技術に関する公募の二次評価結果の連絡が2022年3月中旬に届き、「評価基準を満たすと判断しました。」との内容でした。二次評価後のプロセスとなるフィージビリティスタディ(実行可能性調査)をスタートさせております。

(3)目標とする経営指標

当社におきましては、売上高と営業利益の継続的な拡大およびROEの向上を目標としております。

(4)中長期的な経営戦略

当社グループを取り巻く環境が刻々と変化していく状況の中、上記ミッションを達成するために、以下の5つを経営改革の柱として推進してまいります。

① 長期にわたる業績低迷に決別し「攻めの経営」を敢行する

変化し続ける医療分野および地球環境分野に常にアンテナを張り巡らせ、業績低迷した状況を打破し将来を考えた経営戦略を策定し構築してまいります。

② 新規事業の創出による収益基盤の早期確立を目指す

新たな関連事業を発掘、創出することで、事業領域拡大に向けた取組みを強化してまいります。

③ M&A・業務提携により外部リソースを積極的に取り込む

関連事業のM&Aを積極的に活用して、グループ企業経営の拡大を模索してまいります。

 

④ 既存事業の再構築及び新たな付加価値の創出を図る

時代の変化にアンテナを張り巡らせ、当社グループの形骸化されつつあるサービスの定期的な見直し、それに替わる新たなサービスの創出、付加価値向上に向けた取り組みを常に取り組んでまいります。

⑤ 結果にこだわる経営姿勢で定量目標を達成する

新たな取組みに対しては、短期的な経営目標数値を策定し、常に結果にこだわった経営指標を検討してまいります。長期的な計画となる取組みに対しては、効率性を重視した経営姿勢を基準とした経営指標を検討してまいります。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 安定利益確保の体制構築

従来のヘルケアソリューション事業において、これまでの主軸である電子カルテ事業、周辺システム等を医療機関の幅広い部門に導入し、導入後も保守サービス等による安定的な収益を確保していくビジネスモデルは、競合激化により既に変革期にあることを踏まえ、これからの事業拡大に向けた取組みとして、医療機関のニーズが高いシステム領域を絞り、採算重視の効率的な営業活動による販路拡大が推進していくことを目指してまいります。加えて、昨年度から本格的に展開してきたメディカルサプライ分野の販売において、消耗品の取扱い品目を増やすだけでなく、医療機器等のモダリティ分野へ領域を拡大していくために、安定的な調達体制及び販売体制を構築してまいります。長期的な収益モデルとなるレンタル事業の売上拡大を継続的に実施して安定的な利益確保の体制を構築してまいります。

一方、販売管理費等コストについては、採算性、効率性を最重要課題として、費用の内容を徹底的に再検証することで、大幅なコスト削減を実施し、安定的な黒字を継続的に計上できるよう注力してまいります。

② キャッシュ・フロー経営の徹底と財務体質の強化

一定の流動性のある在庫を確保しつつ販売回転率を向上させたキャュッシュ・フロー経営の徹底を図ってまいります。また、将来の投資につきまして、長期的な投資については、投資案件の内容を十分に精査し、慎重に対応していくと同時に、短期的に収益貢献できる案件を選別して投資をしていくことで、グループの企業価値最大化に向けた取り組みを実施してまいります。

③ 新規事業の創出による収益基盤の早期確立

当社グループでは、ヘルスケアソリューション事業と地球環境ソリューション事業を軸として事業を展開しておりますが、引続きこれまでの事業展開で培った経験を活かし、新たな関連事業を発掘、創出することで、事業領域拡大に向けた取組みを強化してまいります。そのために、関連事業のM&Aを積極的に活用して、グループ企業経営の拡大を模索してまいります。

 

なお、ヘルスケアソリューション事業においては、昨今ランサムウェア等の医療機関へのサイバー攻撃の脅威が増す中、カルテ情報や医療用画像のバックアップをクラウドVNA(VNA:標準フォーマットの医用画像を格納する医療機器)でお預かりする事で早期に医療再開するなど、益々、医療情報クラウドサービスの需要が高まり、当事業では総合的なシステム体制のコンサルティング業務にも力を入れ販売力強化にも注力してまいります。医療機関のDX化が注目を集める中、クラウド統合viewer・医用文書スキャンシステムなどの新たなシステムを活用しながら、これまでに医療業界で培った経験をもとに、医療機関の業務全体の効率化が図れるような医療情報システム全般の提案から選定および導入ならびに安定稼働までトータル的にサポートしてまいります。また、シーメンスヘルスケア株式会社との業務提携により、CT装置と生化学・免疫装置を同時搭載した移動型医療ソリューション(Advanced Mobility Solution)「Medical-ConneX(メディカル・コネクス)(シーメンスヘルスケア株式会社登録商標)」を完成させ災害医療、離島僻地医療等の社会課題解決に向けた新しい取組み等の事業展開を開始してまいります。

地球環境ソリューション事業においては、再生EVバッテリーを事業用のポータルバッテリーとしてリユースレンタルする環境配慮型の事業は、安定的に事業拡大させてまいります。原子力関連事業のトリチウム分離除去プロジェクトについては、日本国内における東京電力ホールディングス株式会社より依頼されている二次評価および小規模実証実験へと進めてまいります。また、国際原子力機関(IAEA)主催のシンポジウムに参加、展示会出展を行い、トリチウム分離技術ならびに耐放射性カメラ等の海外への販売展開が始まっており海外での事業活動を進めてまいります。

 

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