文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
私たちの仕事は、株主の皆様、ご来店いただくお客様、お取引先の皆様、店舗で直接運営に携わっていただいているパート・アルバイトの皆さん、店舗・本社で働く社員への「おかげさま」をもって成り立っています。当社グループは、「おかげさまの心」を大切に、お世話になっている皆様に役立ち、地域社会に貢献することを使命とし、皆様とともに成長してゆくことを目指しております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は常に経営の効率性向上による収益性を追求しており、経営指標として売上高経常利益率と自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。足元の状況を踏まえ、次期の計画はそれぞれ1.4%及び4.4%としておりますが、中期的にはそれぞれ5.0%、10.0%を目指してまいりたいと考えております。
(3)経営環境及び経営戦略等
新型コロナウイルス関連では、オミクロン株対応ワクチンの接種の進展や、インバウンドの人数制限の撤廃、需給ギャップの減少等により、「ウィズ・コロナ」から「アフター・コロナ」を目指す方向に進んでいくと思われますが、政府主導の効果的な財政出動政策の有無及び足許の円安や資源価格の動向に加え、新たな変異株出現の状況次第では、さらに企業活動並びに個人消費は足踏みする可能性を残しています。
このような状況のもと、当社グループはローコストでの出退店とローコスト・オペレーションによって獲得した収益を商品開発に投入し、お買い得感のある商品を提供し続けます。また、多様化する顧客ニーズに応えるため、ビジネスモデルのさらなる改善を進めることで、お客様に100円以上の価値を感じていただける100円ショップを目指し続けてまいります。
また、新たな成長の原動力とすべく、「Buona Vita」、「Tokino:ne」、「リアル」といったその他の事業へも積極的に取り組み、100円ショップ事業を補完する新しい収益源の多角化を図ります。
加えて、海外事業において、グループ内売上シェアのさらなる拡大と利益の獲得に向けて、既存事業の拡充と新規市場の開拓に取り組んでまいります。
以上により、次期の連結業績は、売上高60,500百万円(前期比3.7%増)、営業利益920百万円(同7.9%減)、経常利益850百万円(同26.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益530百万円(同32.2%減)を見込んでおります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
「国内100円ショップ事業の成長性の確保」、「新業態の収益性の確立」、「海外事業の拡大」、「収益力及びコスト増加への対応力強化」、「次世代人材の確保・育成」、「感染症の流行による事業の運営リスクへの対応」、「SDGs/ESG経営の推進」を重点課題として取り組み、収益性の一段の向上と、持続的成長と中長期的な企業価値の増大の実現を目指した経営を展開してまいります。これらの課題に対し、当社グループでは以下のように取り組んでおります。
「国内100円ショップ事業の成長性の確保」
当社グループが成長していくためには、基幹事業である国内100円ショップ事業の継続的な成長は欠かせないものであると考えております。当事業でのさらなる成長を目指し、Wattsブランド店舗の展開、月替わりの販促企画の実施、お客様にさらに満足いただけるように価値をプラスした100円以外の価格帯の商品導入、新たな販売チャネルとしてオンラインショップの運営といった施策を進めております。オンラインショップにつきましては、2021年9月1日に大幅リニューアルしており、現在は「Buona Vita」、「Tokino:ne」等の国内100円ショップ事業以外の商品も取扱っています。将来的にはグループ全体のECサイトを目指しております。
また、これまで同様実生活雑貨を重点商品と位置付け、独自に開発した良品質でお買い得感のある商品を、プライベートブランド「ワッツセレクト」として店舗へ投入してまいります。
さらに、2021年10月1付で子会社化した「㈱音通エフ・リテール」につきましては、2022年9月1日付で当社連結子会社の「㈱ワッツ東日本販売」、「㈱ワッツ西日本販売」へ統合いたしました。今後は、統合効果が最大限発揮できるよう努めてまいります。
「新業態の収益性の確立」
当社グループは、新たな事業を開発し、経営内容の多角化及び国内100円ショップ事業との連携による事業拡大を新たな成長の原動力にしたいと考えております。心地よい生活を提案する雑貨店「Buona Vita」、時間をテーマにしたおうち雑貨店「Tokino:ne」、ディスカウントショップ「リアル」等、既存の事業を拡大させることに加えて、100円ショップ事業を補完する直接消費者との係わりを持つ新しい収益源の発掘に取り組んでまいります。
「海外事業の拡大」
当社グループでは、将来の国内市場の成長の鈍化を見込み、2009年8月期より海外での店舗展開を行っております。足がかりとして取り組んだタイでの展開においては現地有力企業グループと合弁化し、売上・利益極大化に向けて取り組んでいます。今後は、東南アジア並びに中南米で展開する直営店舗及びFC店舗で足場をしっかり固めつつ、卸売(現地パートナーとの協業)での新規市場の拡大を進めていくことで、グループの成長を牽引する事業となりうるよう、さらなる挑戦を継続してまいります。
「収益力及びコスト増加への対応力強化」
前述した「国内100円ショップ事業の成長性の確保」、「新業態の収益性の確立」、「海外事業の拡大」の3つの取組みによって、毎期の増収を図るとともに、自動発注システムやセルフレジ導入による省人化・生産性の向上、適正な売価の反映等の施策を進めることで、人件費や家賃をはじめとする販売費及び一般管理費の売上高に対する比率を抑制してまいります。
「次世代人材の確保・育成」
当社グループは、人材も重要な経営資源の1つと位置付け、優秀な人材の確保及び育成に努めております。人材の確保につきましては、昨今の深刻な人手不足に対応すべく、積極的な新卒採用・中途採用に加え、パート・アルバイト従業員の正社員への登用に取り組んでおります。また、グループ規模の拡大、業務内容の多角化、海外への積極展開、未経験業務への挑戦など、グループを取り巻く環境の変化に対応できる人材を多く育成するために、この要請に応えられる人事制度の構築を目指しております。
「感染症の流行による事業の運営リスクへの対応」
今後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再拡大や、それによる行動の制限を伴うような措置等が発生した場合においても、従業員やお客様の安全を確保すると同時に、安定的な事業運営を継続する事ができる対応を進めてまいります。
「SDGs/ESG経営の推進」
会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向け、SDGsを意識した経営が正に求められています。主な取組みとして、環境面に配慮したレジ袋の導入や、社内ペーパーレス化、店内照明のLED化、安価でも環境面・安全面・健康面を十分意識した価格以上の価値を感じていただける商品の開発等を行っております。
また、当社は気候関連問題を含むサステナビリティに関する問題に対処するため、2022年7月にサステナビリティ委員会を設置いたしました。当該委員の委員長は代表取締役社長が務めることにより、最終的な意思判断及び取締役会への報告のプロセスを円滑化し、気候関連課題の経営への統合を図りやすい体制を整備しています。今後、TCFDフレームワークに基づいた気候関連課題の評価特定と、それに基づいた経営戦略の検討を優先課題として進めてまいります。
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