業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、当社は、商品小売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

また、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在で判断したものであります。

 

(1)財政状態の状況

① 流動資産

現金及び預金は、前事業年度末に比べ8,171百万円減少し13,396百万円(前期比37.9%減)となりました。預け金は、前事業年度末に比べ414百万円減少し1,267百万円(前期比24.6%減)となりました。その結果、流動資産は前事業年度末に比べ8,239百万円減少し、19,627百万円(前期比29.6%減)となりました。

この主な要因は、前事業年度末の金融機関休業の影響によるものであります。

 

② 固定資産

有形固定資産は、新規店舗の建設、出店用地の土地購入等により、前事業年度末に比べ4,705百万円増加し、56,500百万円(前期比9.1%増)となりました。無形固定資産はソフトウエアの償却などにより、前事業年度末に比べ87百万円減少し301百万円(前期比22.6%減)となりました。投資その他の資産は、長期前払費用等の増加により、前事業年度末に比べ41百万円増加し、10,836百万円(前期比0.4%増)となりました。その結果、固定資産は、前事業年度末に比べ4,659百万円増加し、67,638百万円(前期比7.4%増)となりました。

この主な要因は、新店6店舗及び改装3店舗の有形固定資産の増加によるものであります。

 

③ 流動負債

買掛金は、前事業年度末に比べ6,252百万円減少し8,615百万円(前期比42.1%減)となりました。その結果、流動負債は前事業年度末に比べ6,669百万円減少し、21,109百万円(前期比24.0%減)となりました。

この主な要因は、前事業年度末の金融機関休業の影響によるものであります。

 

④ 固定負債

長期借入金は、前事業年度末に比べ2,286百万円減少し、9,431百万円(前期比19.5%減)となりました。その結果、固定負債は、前事業年度末に比べ2,093百万円減少し、16,756百万円(前期比11.1%減)となりました。

この主な要因は、前事業年度に実施した増資による調達資金を、当事業年度の店舗新設のための設備投資資金に充当したことによるものであります。

 

⑤ 純資産

株主資本は、別途積立金及び繰越利益剰余金等が増加したことなどにより、前事業年度末に比べ5,191百万円増加し、49,278百万円(前期比11.8%増)となりました。その結果、純資産合計は、前事業年度末に比べ5,183百万円増加し、49,400百万円(前期比11.7%増)となりました。

 

 

(2)経営成績の状況

a.経営成績

① 営業収益

売上高は、前事業年度に比べ10,889百万円増加し、159,147百万円(前期比7.3%増)となり、営業収入は、前事業年度に比べ541百万円増加し、4,226百万円(前期比14.7%増)となりました。

以上の結果、営業収益は、前事業年度に比べ11,431百万円増加し、163,374百万円(前期比7.5%増)となりました。

この主な要因は、6店舗の新規出店による増収及び前事業年度開店店舗の増収と新型コロナウイルス感染症拡大に伴う内食需要の増加によるものであります。なお、既存店舗の売上高前年比は100.9%でした。

今後の新型コロナウイルス感染症に対する影響につきましては、感染症拡大が継続した場合、内食需要増加の継続により、売上高は現状を維持すると予想しております。また、感染症拡大が収束した場合も、一部の生活者については新たな生活様式(テレワーク及び買い物時間帯の変化等)が定着し、感染症拡大前と比較すると売上高は増加するものと判断しております。

 

② 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価につきましては、売上高の増加により、前事業年度に比べ8,391百万円増加し、118,978百万円(前期比7.6%増)となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、前事業年度に比べ1,955百万円増加し、35,706百万円(前期比5.8%増)となりました。販売費及び一般管理費比率は低下しました。この主な要因は、固定経費部分に対する既存店売上高の前年超えに起因するものであります。

 

③ 営業利益

以上の結果、営業利益につきましては、前事業年度に比べ1,084百万円増加し、8,688百万円(前期比14.3%増)となりました。

 

④ 営業外損益

営業外収益につきましては、前事業年度に比べ1百万円増加し、135百万円(前期比0.8%増)となりました。

営業外費用につきましては、前事業年度に比べ44百万円減少し、110百万円(前期比28.9%減)となりました。

 

⑤ 経常利益

以上の結果、経常利益につきましては、前事業年度に比べ1,130百万円増加し、8,713百万円(前期比14.9%増)となりました。経常利益率は前事業年度と比べ0.4ポイント上昇し、5.5%となりました。

 

⑥ 特別損益

特別利益につきましては、賃貸借契約解約益等を計上したことにより、2百万円(前期比98.8%減)となりました。

特別損失につきましては、固定資産除却損を計上したことにより、10百万円(前期比84.0%減)となりました。

 

⑦ 当期純利益

以上の結果、税引前当期純利益につきましては、前事業年度に比べ1,016百万円増加し、8,705百万円(前期比13.2%増)となり、法人税等負坦額は前事業年度に比べ582百万円増加し、2,772百万円(前期比26.6%増)となりました。その結果、当事業年度における当期純利益は前事業年度に比べ434百万円増加し、5,932百万円(前期比7.9%増)となりました。

 

⑧ 総資産経常利益率(ROA)についての分析

当社は経営上の目標指標として、総資産経常利益率(ROA)10%以上を目指しております。

当事業年度の総資産経常利益率(ROA)の実績は、9.8%(前事業年度9.0%)でした。内訳は、売上高経常利益率5.5%(前事業年度5.1%)、総資産回転率1.7回転(前事業年度1.7回転)でした。その主な要因は以下の2項目であります。

1) 新型コロナウイルス感染症に伴う内食需要の増加等により、既存店の売上高前年比が100.9%となったこと。

2) 既存店に関して、売上高の増加に対し、販売費及び一般管理費を抑制できたこと。

今後も24時間営業及びオペレーション、商品開発、生産性、ロジスティクス及び店舗開発等の改善に取り組み、

総資産経常利益率(ROA)10%以上を目指してまいります。

 

b.仕入及び販売の実績

① 仕入実績

当事業年度の仕入実績を商品部門別に示すと、次のとおりであります。

(単位:百万円)

商品部門

前事業年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

当事業年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

増減額

増減率

仕入高

構成比

仕入高

構成比

 

 

 

 

青果

13,791

12.5

14,635

12.3

844

6.1

鮮魚

7,322

6.6

8,038

6.7

716

9.8

惣菜

11,162

10.1

12,427

10.4

1,265

11.3

精肉

12,493

11.3

13,488

11.3

995

8.0

生鮮計

44,768

40.5

48,589

40.8

3,820

8.5

デイリー

26,180

23.7

28,393

23.8

2,212

8.5

一般食品

19,108

17.3

20,024

16.8

915

4.8

菓子

6,408

5.8

6,915

5.8

506

7.9

7,401

6.7

8,171

6.9

770

10.4

雑貨

6,158

5.6

6,216

5.2

57

0.9

その他

588

0.5

821

0.7

233

39.6

ドライグロサリー計

65,847

59.5

70,542

59.2

4,695

7.1

合計

110,616

100.0

119,132

100.0

8,516

7.7

 

(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

② 販売実績

当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。

イ.商品部門別販売実績

 (単位:百万円)

商品部門

前事業年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

当事業年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

増減額

増減率

売上高

構成比

売上高

構成比

 

 

 

 

青果

17,240

11.6

18,136

11.4

895

5.2

鮮魚

10,291

6.9

11,033

6.9

741

7.2

惣菜

19,673

13.3

21,955

13.8

2,282

11.6

精肉

17,807

12.0

19,052

12.0

1,244

7.0

生鮮計

65,012

43.9

70,176

44.1

5,164

7.9

デイリー

34,489

23.3

36,922

23.2

2,433

7.1

一般食品

23,392

15.8

24,728

15.5

1,336

5.7

菓子

8,658

5.8

9,369

5.9

710

8.2

8,529

5.8

9,390

5.9

860

10.1

雑貨

7,420

5.0

7,540

4.7

120

1.6

その他

753

0.5

1,018

0.6

265

35.2

ドライグロサリー計

83,245

56.1

88,970

55.9

5,725

6.9

合計

148,257

100.0

159,147

100.0

10,889

7.3

 

 (注) 1 金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な販売先の販売実績で、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。

 

ロ.地域別販売実績

(単位:百万円)

地域

前事業年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

当事業年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

増減額

増減率
(%)

広  島  県

46,921

51,890

4,969

10.6

岡  山  県

43,938

44,673

735

1.7

香  川  県

18,123

18,100

△23

△0.1

愛  媛  県

11,002

11,660

658

6.0

徳  島  県

14,361

15,892

1,531

10.7

兵  庫  県

13,910

16,929

3,018

21.7

合    計

148,257

159,147

10,889

7.3

 

(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

ハ.単位当たり売上高

項目

前事業年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

当事業年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

増減率
(%)

売上高        (百万円)

148,257

159,147

7.3

売場面積(期中平均)  (㎡)
1㎡当たり期間売上高  (千円)

166,817

888

 179,368

887

7.5

△0.2

従業員数(期中平均)  (人)
1人当たり期間売上高  (千円)

5,054

29,334

5,393

29,510

6.7

0.6

 

(注) 1 金額には、消費税等は含まれておりません。

2 売場面積(期中平均)は、営業月数単位による加重平均で算出しております。

3 従業員数(期中平均)は、パートタイマー、アルバイト及び嘱託契約の従業員を含んでおります。なお、パートタイマー、アルバイト及び嘱託契約の従業員は1日8時間換算の期中平均により算出しております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローに関しては、順調に利益を獲得しており、特段の問題はありません。詳細は以下のとおりであります。

① 現金及び現金同等物

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益8,705百万円、仕入債務の減少6,252百万円、有形固定資産の取得による支出7,609百万円、長期借入金の返済による支出3,629百万円等の要因により、前事業年度末に比べて8,586百万円減少し、14,663百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

② 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は3,280百万円(前期比8,308百万円減少)でありました。これは主に、税引前当期純利益8,705百万円(前期比1,016百万円増加)、減価償却費3,529百万円(前期比282百万円増加)、仕入債務の減少額6,252百万円(前期は1,142百万円の増加)等によるものであります。

なお、仕入債務の減少額につきましては、前事業年度末が金融機関休業日であったため、当事業年度に決済を行ったものであります。

 

 

③ 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は7,819百万円(前期比259百万円増加)でありました。これは主に、出店候補地の土地及び新店舗の建設等に伴う有形固定資産の取得による支出7,609百万円(前期比1,219百万円増加)、長期前払費用の取得による支出318百万円(前期比467百万円減少)によるものであります。

 

④ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は4,047百万円(前期は4,684百万円の収入)でありました。これは主に、長期借入金の返済による支出3,629百万円(前期比59百万円増加)及び配当金の支払額767百万円(前期比172百万円増加)によるものであります。

 

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社は、運転資金及び設備投資資金につきまして、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行等からの借入金により資金調達をしております。資金計画につきましては基本的に営業活動により得られた資金を有効活用し有利子負債の削減を図ることとしております。

当社のキャッシュ・フロー指標は次のとおりであります。

回次

第60期

第61期

第62期

第63期

第64期

決算年月

2018年2月

2019年2月

2020年2月

2021年2月

2022年2月

自己資本比率

(%)

47.7

49.5

44.8

48.5

56.5

時価ベースの自己資本比率

(%)

79.8

67.9

63.6

65.9

71.4

債務償還年数

(年)

1.9

1.9

1.0

1.5

4.3

インタレスト・
カバレッジ・レシオ

(倍)

54.7

58.6

140.3

113.9

38.2

 

(注) 1 各指標の算出基準は以下のとおりであります。
自己資本比率            (自己資本)÷(総資産)
時価ベースの自己資本比率      (株式時価総額)÷(総資産)
債務償還年数            (有利子負債)÷(キャッシュ・フロー)
インタレスト・カバレッジ・レシオ  (キャッシュ・フロー)÷(利払い)

2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに算出しております。

3 有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象にしております。

4 キャッシュ・フロー及び利払いにつきましてはキャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー及び利息の支払額を使用しております。

5 2020年2月期の総資産には、期末金融機関休業日による仕入債務等の未決済分が6,516百万円含まれております。

6 2021年2月10日及び2月24日を払込期限とする新株式発行により、資本金及び資本準備金がそれぞれ2,316百万円増加しております。

7 2021年2月期の総資産には、期末金融機関休業日による仕入債務等の未決済分が7,265百万円含まれております。

 

(4)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)」に記載の通りであります。

財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、財務諸表の作成時において、新型コロナウイルス感染症拡大が会計上の見積りに及ぼす影響は重要でないと評価しております。

 

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