文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、焼肉事業、焼鳥事業、レストラン事業及びその他の事業の3事業を主に直営にて、中部地区(愛知県、三重県、岐阜県、静岡県)と関東地区(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、近畿地区(滋賀県)において展開しております。
競合他社との競争優位性につきましては、当社には食肉に精通した社員が多数在籍しており、今後におきましても、その社員集団の専門性を活かした品質の高い肉の美味しさと豊富なメニュー並びにリーズナブルな価格(「専門店の味をチェーン店の価格」)で提供し他社との差別化を進めてまいります。
主要商品につきましては、「お客様一人一人に喜んでいただく」ことを経営理念として掲げ、「より美味しいものを、よりお値打ちに食べたい」というお客様の進化する欲求に応えるため、常にお客様の嗜好の一歩先を行くことに全社一丸となって取り組み、その結果として開発された安心安全な牛肉、豚肉及び鶏肉を使用した焼肉、焼鳥、ステーキ、ハンバーグ等であります。
顧客基盤につきましては、人口が多く、都心のオフィス街であれば、主にビジネス層であり、他方、郊外の住宅地沿い及び幹線道路沿いでは、主にファミリ―層及びシニア層であります。また、郊外においても地域性の違いによって商品の嗜好に大きな違いがある場合には、その顧客層の嗜好を把握・分析して、もっとも適したメニュー、価格及びサービス内容などを決定いたします。
販売網につきましては、上記中部地区、関東地区及び近畿地区で当社グループの基本的な出店戦略であるドミナント戦略によって形成された店舗網であります。
(2) 経営戦略等
当グループといたしましては、「お客様に喜んでいただき、選んでいただく店舗作り」を目指し、「食肉の専門集団」である強みを活かした商品の提供により競合他社との差別化を図り、ブランド認知を推し進めてまいります。店舗展開は、直営店形態とし、中部地区及び関東地区を中心に出店地域を拡大しており、品質・サービス面でのレベルをさらに維持向上できる体制の構築を図っております。
また、当社グループは、いかなる環境変化にも対応できる強固な経営体質を確立すべく食材原価や新規出店コストの低減を図るなどのローコストオペレーション体制を整備してまいります。
(3) 経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、政府より度重なる緊急事態宣言の発出や各自治体によるまん延防止等重点措置の実施が長期間に渡り継続したことにより、国内消費は大きく落ち込みました。
外食産業におきましては、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置下において外出自粛が呼びかけられるとともに、政府や各自治体からの要請を受け、営業時間短縮や酒類提供停止の対応を行ったことから、依然として極めて厳しい経営環境となりました。
また、中長期的には、少子高齢化による労働力の先細りも加わり、外食業界を取り巻く環境はさらに不透明な状況が続くものと想定されます。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
少子・高齢化の進行に伴う人口減少により、市場規模の縮小傾向があるなか、今回のコロナ禍が追い打ちをかけ、外食マインドそのものの低下や、持ち帰り及び宅配の需要等の消費者の行動変容による売上高の減少、エネルギーコストの上昇、食材コストの高騰及び人件費上昇などにより当社グループの事業収支は、今後も一層の厳しさが懸念されております。
当社グループでは、「お客様一人一人に喜んでいただく社会貢献」を経営理念に掲げ、「食肉の専門集団」の強みである「目利き」が“厳選した素材”を卓越した「カット技術」を活かして、「お客様に価値観・満足感のある商品」をご提供することを最大のミッションとし、お客様に喜んでいただける店舗づくりを目指して、以下を引き続き課題として取り組んでまいります。
①企業の社会的責任の追求
商品の安全性は、最重要課題と認識し、当社グループでは、仕入食材の品質管理、加工段階での衛生管理、配送段階での温度管理と鮮度維持等、社内体制を一層強化するとともに、調達先の食品安全管理、店舗における衛生管理の確保等、「食の安全、安心」を追求してまいります。
②新型コロナウイルス感染症対策実施の徹底継続
お客様と従業員の安全を考え、お客様が安心してご来店いただけるような店舗の衛生管理の徹底と従業員の健康管理の徹底を引き続き推進してまいります。
当社グループでは、パート・アルバイトを含む従業員及びその家族を対象に新型コロナウイルス感染症ワクチンの職域接種を3回目まで実施いたしました。
③人材の確保と育成、定着推進
当社グループでは人材が当社の持続的成長を支える重要な基盤であると考え、社員のみならずパート・アルバイトの安定的採用、人材育成と定着化のため、体制整備を目指してまいります。また、社員が働きやすい環境整備のため、労働時間の適正化及び待遇の改善に継続的に取組んでまいります。
④店舗力・商品力の向上
当社グループでは、「ご家庭では味わえない、本物のお肉の美味しさ」を追求し、創業以来「国産牛」にこだわり、既存店での客数増加、売上増加を目指し、より価値のある商品の提供とより心地よい接客サービスの実現に努めております。また、工場での「新カット」技術の展開により、生産性の向上と原価低減を目指します。
⑤新規出店
当社グループは、中長期的な事業拡大のポイントとして、ドミナント展開を意識した新規出店を心掛けております。更地契約のみならず建物賃借など形態にこだわらず、積極的に取組んでおります。
⑥M&Aについて
今後も、事業拡大のひとつの手段として、売上と利益の拡大に寄与し、店舗網の拡大が見込める事業譲受や企業買収の案件につきましては積極的に検討してまいります。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、適正原価率の維持及びコスト管理に注力しており、収益性が明確に表れると考えられる売上高経常利益率を経営指標として掲げており、中期的な目標経営指標として売上高経常利益率15%を目指しております。
近年、主力商品の国産牛価格の上昇、人手不足による人件費高騰等のコスト高要因から、売上高経常利益率の低下傾向が続いておりますが、当社グループでは、一層の経費削減や仕入れの効率化等を通じて、経営指標の向上を目指してまいります。
当連結会計年度の売上高経常利益率は、新型コロナウイルス感染症の拡大による政府および各自治体からの会食の自粛要請や営業時間短縮要請によって来店客数が減少し、6.2%(前期は△4.6%)となりました。次期の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の終息の見込みは、依然として不透明な状況が続いておりますが、ワクチンの追加接種(3回目接種)が徐々に進み、当期以降は緩やかに終息の方向へ進むものと想定しております。しかしながら、当社グループの業績が短期的に以前の水準に回復することは、なお時間を要するものとも考えております。このような環境の下、当社グループは、「お客様に喜んでいただき、選んでいただける店舗作り」を目指し、肉の専門知識を駆使した国産牛メニューや焼肉マスターを中心とした接客力の磨き込みを行うなど既存店の競争力強化策を着実に実行してまいります。
(参考)目標経営指標の推移
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
売上高経常利益率(%) |
9.8 |
8.9 |
6.1 |
△4.6 |
6.2 |
お知らせ