業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にありますが、基調としては持ち直しています。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、国際金融資本市場では不安定な動きがみられるほか、原油などの資源価格は大幅に上昇しており、今後の動向には細心の注意が必要です。先行きにつきましては、感染症の影響が徐々に和らいでいくもとで回復基調をたどるとみられますが、資源価格上昇の影響等を受けて、基調的な物価上昇圧力は高まっており、きわめて不確実性が高い状況にあると考えられます。

小売業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が継続するなか、原材料コスト上昇を受けて消費者物価は上昇傾向にあり、今後の感染症の動向及び消費者動向を注視する必要があると考えております。

このような状況のなか当社は、「100円ショップとしての魅力を追求する」をテーマとして、①顧客層拡大を狙いとした商品開発のための体制強化策として、昨年度の大阪市に続き、情報収集を目的として東京サテライトオフィスに商品部スタッフを配置、②複数出店案件が見込める企業との関係強化及び未出店地域の重点開拓、③システムを活用した社内全体の効率化追求に取り組んでおります。セルフレジにつきましては、新機種の選定ができたため、昨年7月に導入を再開し、当事業年度において196店舗に導入、設置店舗数は3月末で258店舗となりました。取扱いカード種類の追加等の施策により、利用率は上昇傾向にあり、順次導入を進めております。

出退店につきましては、直営店出店において新型コロナウイルスの影響によるスケジュール見直しがあり期初計画に対し遅れが生じましたが、当事業年度において、出店が直営店137店舗、FC店1店舗、退店が直営店46店舗、FC店3店舗、期末の店舗数は、直営店1,833店、FC店43店の合計1,876店となりました。

直営既存店売上高につきましては、前期の緊急事態宣言の発令に伴う店舗休業による売上減及び宣言解除による売上増の反動があるものの概ね堅調に推移しておりましたが、年末とバレンタイン商戦の繁忙期に降雪の影響を受け、前期比97.9%となりました。

主要経営指標につきましては、売上原価率は、採算の良い雑貨の売上割合の増加等により、56.6%と前期比0.1ポイント低下しました。一方で、販売費及び一般管理費については、パートタイマーの時給引上げ等により、売上高に対する比率が前期比0.6ポイント上昇したため、当事業年度の売上高営業利益率は10.1%(前期10.6%)となりました。

この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

当事業年度末の資産合計は、前期末に比べ73億5百万円増加し、1,226億99百万円となりました。

当事業年度末の負債合計は、前期末に比べ57百万円増加し、302億41百万円となりました。

当事業年度末の純資産合計は、前期末に比べ72億48百万円増加し、924億58百万円となりました。

b.経営成績

当事業年度の経営成績は、売上高2,080億84百万円(前期比3.7%増)、営業利益209億18百万円(前期比1.7%減)、経常利益213億47百万円(前期比0.0%減)、当期純利益143億1百万円(前期比2.9%減)となりました。

部門別売上高の状況は次のとおりであります。

区分

第34期

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

第35期

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前期比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

直営店

197,508

98.4

205,110

98.6

103.8

FC店

2,289

1.1

2,076

1.0

90.7

その他

884

0.5

896

0.4

101.3

合計

200,682

100.0

208,084

100.0

103.7

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比75億68百万円増加し、573億40百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比17億97百万円収入が減少し、176億50百万円のプラスとなりました。これは、税引前当期純利益の計上211億31百万円及び減価償却費42億34百万円などの増加に対し、棚卸資産の増加7億48百万円及び法人税等の支払75億5百万円などにより減少したためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前期比55億79百万円支出が減少し、23億39百万円のマイナスとなりました。これは、新規出店や既存店のリニューアルに伴う有形固定資産の取得42億43百万円及び差入保証金の差入11億10百万円などにより減少したためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比25億22百万円支出が増加し、77億42百万円のマイナスとなりました。これは、自己株式の取得17億39百万円及び配当金の支払53億8百万円などにより減少したためであります。

③仕入及び販売の実績

a.仕入実績

当事業年度における仕入実績を商品区分別に示すと、次のとおりであります。

商品区分

仕入高(百万円)

前期比(%)

雑貨

116,321

103.1

菓子食品

2,137

82.1

その他

111

75.8

合計

118,570

102.6

(注)その他には、消耗品費への振替高等が含まれております。

b.販売実績

当事業年度における販売実績を商品区分別、事業部門別に示すと、次のとおりであります。

イ.商品区分別売上高

商品区分

売上高(百万円)

前期比(%)

雑貨

204,988

104.0

菓子食品

2,886

82.8

その他

209

123.0

合計

208,084

103.7

(注)その他には、店舗に設置した自動販売機等の手数料収入等が含まれております。

ロ.事業部門別売上高

事業部門

売上高(百万円)

前期比(%)

直営売上高

205,110

103.8

FC売上高

2,076

90.7

その他

896

101.3

合計

208,084

103.7

(注)前事業年度まで独立掲記しておりました「卸売等売上高」「海外売上高」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より「その他」に集約して表示しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(資産合計)

当事業年度末における総資産は、前期末比73億5百万円増加し、1,226億99百万円となりました。流動資産は、有価証券が増加したことなどにより56億74百万円増加しました。固定資産は、新規出店や既存店のリニューアルに伴い有形固定資産が増加したことなどにより16億31百万円増加しました。

(負債合計)

当事業年度末における負債合計は、前期末比57百万円増加し、302億41百万円となりました。流動負債は、未払法人税等が減少したことなどにより、2億5百万円減少しました。固定負債は、資産除去債務が増加したことなどにより2億62百万円増加しました。

(純資産合計)

当事業年度末における純資産合計は、前期末比72億48百万円増加し、924億58百万円となり、自己資本比率は前期末から1.6ポイント上昇し75.4%となりました。

b.経営成績の分析

(売上高・売上原価)

売上高につきまして、事業部門別にみますと、直営売上高は前期比3.8%増の2,051億10百万円となりました。これは、年末とバレンタイン商戦の繁忙期に降雪の影響を受けた影響で、既存店売上高が前期比97.9%と想定を下回った一方、出店による純増店舗数が91店舗あったためであります。FC売上高は前期比9.3%減の20億76百万円、その他は前期比1.3%増の8億96百万円となりました。

直営売上高の売上高全体に占める割合は98.6%と前期比0.2ポイント上昇しました。

売上原価率につきましては、採算の良い雑貨の売上割合の増加等により、56.6%と前期比0.1ポイント低下しました。

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費につきましては、前期比36億24百万円増加し、693億44百万円となりました。これは、直営店舗数の増加に伴う給料及び手当の増加14億94百万円や地代家賃の増加17億72百万円、減価償却費の増加2億58百万円などにより、費用が増加したためであります。既存店売上高が前期を下回ったこと、パートタイマーの時給引上げや前期に緊急事態宣言下で休業した店舗の賃料減免があった反動などにより、売上高販管費比率は33.3%と前期比0.6ポイント上昇しました。

(営業外収益・営業外費用)

営業外収益につきましては、前期比3億13百万円増加し、4億48百万円となりました。これは、助成金収入の増加1億61百万円などにより、収益が増加したためであります。

営業外費用につきましては、前期比27百万円減少し、19百万円となりました。これは、固定資産除却損の減少5百万円などにより、費用が減少したためであります。

(特別利益・特別損失)

特別利益につきましては、前事業年度、当事業年度ともに計上がありませんでした。

特別損失につきましては、81百万円増加し、2億15百万円となりました。これは、減損損失が81百万円増加したためであります。

(法人税等)

法人税等につきましては、租税特別措置法上の税額控除の適用要件が改正され、当期該当しなくなった影響などにより、表面税率は32.3%と前期比1.7ポイント上昇しました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの分析

当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要  ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.経営成績に重要な影響を与えた要因

当事業年度の経営成績に重要な影響を与えた要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況」をご覧ください。

c.資本の財源及び資金の流動性

イ.資金需要及び財務政策

当社の資金需要の主なものは、新規出店に係る設備投資に対するものであります。当事業年度では、新規出店及び既存店のリニューアルを中心に60億24百万円の投資を行っており、これらはすべて自己資本から充当しております。利益水準及び在庫の効率性が上がるなかで、投資は営業キャッシュ・フロー内での増加であるため、財務面の安全度は増しております。今後も収益レベルの向上と、効率的な在庫管理により営業キャッシュ・フローの増加に努めるとともに、投資対効果を十分検討した設備投資を継続してまいります。また、急激な環境変化にも対応できうるレベルの財務安全性を維持しつつ、さらなる成長を目指してまいります。

ロ.キャッシュ・フロー計算書に基づく資金の流動性についての分析

当社のキャッシュ・フローにつきましては、当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比75億68百万円増加し、573億40百万円となりました。当事業年度における状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要  ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、中期経営計画を遂行することで、収益力の向上及び資産効率の向上を図り、安定的に売上高営業利益率5%以上を確保することを目指しております。

当事業年度における当社の売上高営業利益率は10.1%であり、目標水準を継続して確保しております。今後につきましても、当該指標の確保に努めてまいります。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成に際し、決算日における資産・負債の数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。この見積り及び仮定設定に関しては、過去の実績や状況に応じた合理的かつ妥当な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、当初の見積りと異なる場合があります。

財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5「経理の状況」の「注記事項」(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

なお、当社の採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の「注記事項」(重要な会計方針)に記載しております。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う会計上の見積りにつきましては、第5「経理の状況」の「注記事項」(追加情報)に記載しております。

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