業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 業績

   当連結会計年度におけるわが国経済は、長引く新型コロナウィルス感染症の影響にあり、全国各地で緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用が繰り返し行われることによって、企業活動及び個人消費は極めて厳しい状況で推移しました。

 外食産業におきましても、2021年秋にデルタ株が収束し行動規制が解除され、一時的に回復基調となりましたが、2022年初頭より感染力の強いオミクロン株が急速に拡大し、行政による営業時間や酒類提供の規制などから再び厳しい経営環境となりました。

 このような状況の下、当社グループでは、お客様の安全・安心の確保を最重点課題として位置づけ、従業員の検温、マスク着用、アルコール消毒・手洗い、飛沫感染防止、換気等を実施することによって感染防止対策を徹底し、各自治体にて実施しているコロナ対策認証制度を積極的に取得することで、お客様が安心して来店できる3密を避ける環境作りに取り組んでまいりました。

 また、売上が低迷する中、「無駄の撲滅」をキーワードとし、あらゆる角度から経費の見直しを行い、効率的な人員配置やコスト削減に当社グループ一丸となって取り組みました。

 店舗につきましては、2021年4月に「まるまつ石巻新橋店」を宮城県石巻市内にオープン、また2021年12月には東北自動車道に「まるまつハイウェイ松川PA上下線」をオープン、当社グループ初となる高速道路パーキングエリアへ出店いたしました。一方、コロナ禍での不採算店舗として7店舗を閉店し、当連結会計年度末における店舗数は、119店舗となっております。

 これらの結果、当連結会計年度における売上高は51億99百万円(前年同期比1.8%減)、営業損失は4億10百万円(前年同期は営業損失5億66百万円)、経常損失は99百万円(前年同期は経常損失5億2百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は4億48百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失9億77百万円)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

  (資産)

  当連結会計年度末における総資産は56億20百万円となり、前連結会計年度末と比較して97百万円減少いたしました。主な要因は次のとおりであります。
 流動資産につきましては、前連結会計年度末と比較して3億61百万円増加して16億87百万円となりましたが、これは主に現金及び預金の増加3億91百万円によるものであります。
 固定資産の合計は、前連結会計年度末と比較して4億59百万円減少して39億33百万円となりましたが、これは主に減損損失及び減価償却費の計上等による有形固定資産の減少3億81百万円によるものです。

 

 (負債) 
 負債総額は、前連結会計年度末と比較して3億51百万円増加し、42億13百万円となりました。主な要因は次のとおりであります。

 流動負債につきましては、前連結会計年度末と比較して1億23百万円減少して14億7百万円となりましたが、これは主に1年内返済予定の長期借入金の減少1億62百万円によるものであります。

 固定負債につきましては、前連結会計年度末と比較して4億75百万円増加して28億5百万円となりましたが、これは主に長期借入金の増加4億58百万円によるものであります。

 (純資産)
 純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して4億48百万円減少し14億7百万円となりましたが、これは主に利益剰余金の減少4億48百万円によるものであります。
 この結果、自己資本比率は24.9%となりました。 

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度と比較して3億91百万円増加して、13億3百万円となりました。
 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は1億27百万円となりました。収入の主な内訳は、助成金の受取額3億33百万円、減損損失2億58百万円、減価償却費1億80百万円であります。また、支出の主な内訳は、税金等調整前当期純損失3億59百万円であります。
 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は31百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出75百万円等であります。
  
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果得られた資金は2億96百万円となりました。主な内訳は、長期借入金による収入14億10百万円、長期借入金の返済による支出11億13百万円であります。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

       レストラン事業

583,845

90.8

合計

583,845

90.8

 

(注) 1 金額は製造原価によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

A 原材料仕入実績

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

       レストラン事業

418,407

91.9

合計

418,407

91.9

 

(注) 1 金額は仕入価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

B 商品仕入実績

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

       レストラン事業

1,017,916

105.3

合計

1,017,916

105.3

 

(注) 1 金額は仕入価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 受注状況

当社グループは店舗の販売予測に基づき見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度の販売実績を業態別に示すと、次のとおりであります。

A 業態別販売実績

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

       レストラン事業

 

 

和風ファミリーレストラン

3,836,565

96.4

その他の業態

1,363,044

103.5

合計

5,199,610

98.2

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

B 県別販売実績

 

地域県別

金額(千円)

前年同期比(%)

東北地方

宮城県(注1)

2,763,221

98.1

福島県

577,803

100.1

岩手県

696,003

98.2

青森県

371,195

101.4

山形県

222,685

88.7

秋田県

291,091

104.4

小    計

4,922,000

98.5

関東地方

栃木県

253,573

94.4

茨城県

24,036

84.2

小    計

277,609

93.5

合    計

5,199,610

98.2

 

(注) 1 本社及び子会社分につきましては、僅少であることや地域を特定することが困難であるため、
宮城県に含めて記載しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の現況に関する分析・検討内容)

以下は、当社グループの財政状態及び経営成績に関する情報であり、分析及び検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいたものであります。なお、文中に記載する将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り及び仮定を必要としております。経営者は、これらの見積り及び仮定について過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」にて記載しております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

特に主力業態である「まるまつ」においては、和食のベーシックアイテム(すし・そば・天ぷら)の商品力強化に取り組み、他社との差別化を明確にすることで、客数アップを目指します。

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、消費者の生活防衛意識の高まりや節約志向、また新型コロナウィルス感染症の影響による外出自粛により厳しい経営環境が続くなかで、和食のファミリーレストランとして、商品力強化に取り組み、他社との差別化を明確にすることで、既存店の活性化に努めましたが、売上高は51億99百万円(前年同期比1.8%減)、営業損失は販売促進費、広告宣伝費等の削減に努めましたが4億10百万円、経常損失は99百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は4億48百万円(前年同期は9億77百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループを取り巻く環境は非常に競争が激しく、同業他社との競合に加えて宅配事業者との競合や、当社が目指している日常食の提供というコンセプトからコンビニ等の中食事業者との垣根を越えた競争激化により、当社の出店している地域にも多大な影響が出ております。

また、新型コロナウィルスの感染拡大による政府からの緊急事態宣言で、外出自粛要請が出されたことでの売上減により、当社の経営成績に重要な影響が出ております。

 

  (4)戦略的現状と見通し

当社グループといたしましては、「安全・安心で、健康的な美味しい食事」を「より価値のある価格で提供する」ことを理念として、新製品を投入したメニュー施策やクリンリネスの徹底、さらには提供時間の短縮など他社との差別化を図る施策を行い、より競争力の確保に尽力してまいります。 

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「第一部 企業情報 第3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状態の分析 業績等の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費及び労務費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、営業店舗設備投資等によるものであります。

当社は運転資金、設備資金等の所要資金は、原則として内部資金で賄っておりますが、状況に応じて、銀行借入により資金調達することとしております。調達コストにつきましては、過度な金利変動リスクに晒されないよう、固定金利を活用しております。今後におきましても、これらの方針に大きな変更はないものと考えております。

 

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

昨今の世界的な景気不透明感を受け、先行き不安による個人消費の低迷から外食を手控える傾向が一段と鮮明になり、厳しい経営環境が続くと思われます。このような状況において、「生産から販売までの一貫した体制の確立」により、「安全・安心で、健康的な美味しい食事」を、「より価値のある価格で提供し続ける」ための基盤づくりに取り組み、経営体質を一層強化してさらなる収益力の向上を推進してまいります。

また、外食産業として、我々はお客様に対して何を提供できるのか、それは本当にお客様のためになるのかをもう一度見直しして、徹底した顧客満足の充足を図り、社会貢献をすることにチャレンジして行かなければならないと考えております。

 

 

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