(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当事業年度の期首から適用しております。この結果、当事業年度における売上高は、前事業年度と比較して大きく減少しており、以下の経営成績に関する説明の売上高については、増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株による感染再拡大などにより経済活動が停滞する中、国際的な情勢不安による資源価格の高騰や生活必需品の値上がりなど、厳しい状況が続いております。家具・ホームセンター業界におきましても、業態の垣根を越えた競争が激化する中、新型コロナウイルス感染症の長期化や天候不順による自然災害リスクなど、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中で当社は、生活を支える必需品を提供する社会的インフラとして、お客様と従業員の安全と健康を確保することを最優先とし、感染拡大防止対策を講じながら店舗の営業を続けてまいりました。
営業の概況としましては、前期の新型コロナウイルス感染症対策商品特需などの反動減により生活用品などが伸び悩みましたが、園芸やエクステリア、アウトドア用品などが堅調に推移しております。
また、店舗展開につきましては、4店舗の新規出店、2店舗の改装及び2店舗の増床を行いました。同時に既存店の見直しも行い2店舗を閉鎖いたしました。これにより、当事業年度末での店舗数は鹿児島県から宮城県までの34府県にわたり359店舗となりました。
この結果、売上高は2,065億49百万円(前年同期2,345億78百万円)、営業利益は120億2百万円(前年同期比34.1%減)、経常利益は125億72百万円(前年同期比33.5%減)、当期純利益は79億61百万円(前年同期比31.9%減)となりました。なお、当事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、当該会計基準等を適用する前と比べて売上高は71億76百万円減少しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
「資材・DIY・園芸用品」
前期の大型台風の影響により資材及びDIYが反動減となりましたが、一方で園芸用品が堅調に推移しております。この結果、売上高951億23百万円、売上総利益341億98百万円、売上総利益率36.0%となっております。なお、「収益認識に関する会計基準」適用前の前年同期と単純比較した場合の増減率は、売上高は前年同期比9.5%減、売上総利益は前年同期比9.8%減となります。
「生活用品」
新型コロナウイルス感染対策商品の特需が落ち着き、また暖冬により季節用品が低迷し、厳しい結果となりました。一方で、アウトドア用品はキャンプ用品を中心に好調に推移しております。この結果、売上高520億3百万円、売上総利益152億83百万円、売上総利益率29.4%となっております。なお、「収益認識に関する会計基準」適用前の前年同期と単純比較した場合の増減率は、売上高は前年同期比16.4%減、売上総利益は前年同期比15.9%減となります。
「家具・ホームファッション用品」
ベッド部門は好調に推移いたしましたが、在宅勤務等で需要が増したデスクやチェアーなどが低迷し、厳しい結果となりました。この結果、売上高414億85百万円、売上総利益169億97百万円、売上総利益率41.0%となっております。なお、「収益認識に関する会計基準」適用前の前年同期と単純比較した場合の増減率は、売上高は前年同期比12.7%減、売上総利益は前年同期比9.1%減となります。
「その他」
灯油部門は堅調に推移しましたが、灯油を除く商品が前期の反動減により、厳しい結果となりました。この結果、売上高179億36百万円、売上総利益53億30百万円、売上総利益率29.7%となっております。なお、「収益認識に関する会計基準」適用前の前年同期と単純比較した場合の増減率は、売上高は前年同期比9.2%減、売上総利益は前年同期比10.7%減となります。
当事業年度末の総資産は、2,330億75百万円となり、前事業年度末と比較して30億88百万円の減少となりました。これは主に、商品の増加39億74百万円、現金及び預金の減少68億72百万円、有形固定資産の減少13億84百万円などによるものです。
負債は、753億12百万円となり、前事業年度末と比較して80億29百万円の減少となりました。これは主に、未払法人税等の減少52億83百万円、未払消費税等の減少20億82百万円、未払金の減少15億13百万円などによるものです。
純資産は、1,577億63百万円となり、前事業年度末と比較して49億41百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金49億55百万円の増加などによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、312億18百万円と前年同期68億72百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、11億80百万円(前年同期比で236億0百万円の減少)となりました。この主な要因は、税引前当期純利益123億26百万円及び減価償却費56億57百万円などに対し法人税等の支払額88億70百万円、棚卸資産の増加額40億64百万円、未払消費税等の減少額20億14百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、34億96百万円(前年同期比で0百万円の増加)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出34億8百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、45億56百万円(前年同期比で63百万円の増加)となりました。この主な要因は、配当金の支払額15億70百万円、リース債務の返済による支出12億41百万円、長期借入金の返済による支出10億84百万円などによるものであります。
③ 仕入及び販売の実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 当事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しております。このため、当該会計基準等適用
前の実績値に対する増減率は記載しておりません。
c. セグメントごとの構成内容
セグメントごとの構成内容は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針につきましては「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。この財務諸表の作成にあたり、必要とされる固定資産の減損会計等の見積りは、合理的かつ保守的な一定の仮定に基づいて作成しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、限定的であると仮定しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高、売上総利益)
当事業年度は、前年の新型コロナウイルス感染症対策商品や外出自粛による巣ごもり需要の反動減により、厳しい結果となりました。また当事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用した結果、売上高が71億76百万円、売上総利益が25億90百万円減少しております。
店舗展開につきましては、経営基盤の充実のため4店舗の新規出店及び2店舗の増床を行い、同時に既存店の見直しの為2店舗の閉鎖を行いました。
その結果、売上高は、2,065億49百万円となりました。また商品力強化による値入率の改善を行い、売上総利益は、718億9百万円となり、売上総利益率は、前年同期比0.4ポイント増加の34.8%となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用した結果、売上原価が45億86百万円、販売費及び一般管理費が22億15百万円減少しております。
商品力強化による値入率の改善や収益認識会計基準を適用した事により、売上原価は、1,347億39百万円となり、売上原価率は、前年同期比0.4ポイント減少の65.2%となりました。また、収益認識会計基準を適用した事によりポイント関連費用が減少した結果、販売費及び一般管理費は、601億36百万円となり、売上高に対する販売費及び一般管理費率は、前年同期比2.5ポイント増加の29.1%となりました。
(営業利益)
営業利益は、前年の新型コロナウイルス感染症対策商品や外出自粛による巣ごもり需要の反動減により、120億2百万円(前年同期比34.1%減)となり、営業利益率は、前年同期比2.0ポイント減少の5.8%となりました。
(営業外収益、営業外費用)
営業外収益は、受取賃貸料、受取手数料などにより、10億27百万円、営業外費用は、賃貸収入原価、支払利息などにより、4億56百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、125億72百万円(前年同期比33.5%減)となり、経常利益率は、前年同期比2.0ポイント減少の6.1%となりました。
(特別利益、特別損失)
特別利益は、固定資産売却益により、31百万円、特別損失は、固定資産の減損損失などにより、2億77百万円となりました。
(当期純利益)
当期純利益は、79億61百万円(前年同期比31.9%減)となり、当期純利益率は、前年同期比1.1ポイント減少の3.9%となりました。また、1株当たり当期純利益金額は、278円75銭となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております各事項によって、さまざまな影響を受けることが考えられます。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであり、また、設備資金需要の主なものは、新規出店、既存店の増床及び改装に係る設備投資等によるものであります。
これらの資金需要につきましては、基本的には自己資金により賄う予定でありますが、必要に応じて銀行借入により資金調達を行うこととしております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、売上高に対する収益性をみる売上高経常利益率を経営指標にしており、中期的に5.0%以上を目標としております。なお、当事業年度における達成状況といたしましては、売上総利益率の改善、販売費及び一般管理費の削減などがあったものの、新型コロナウイルス感染症の影響による感染対策商品や在宅勤務や外出自粛による巣ごもり需要の反動減などにより、前年同期比2.0ポイント減少の6.1%となりました。
今後も引き続き、目標の達成及び継続に向けて、売上総利益率の改善や販売費及び一般管理費の削減など、収益性の向上に取り組んでまいります。
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