文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社は、「人・食・味を豊に社会に貢献する」ことを経営理念とし、お客様の要求に応える製品を提供し、その企業活動において社会に貢献できる事業活動を推進してまいります。
目標とする経営指標は、部門別利益管理を重視しております。各部門の粗利益率を向上することにより売上高を追求するだけでなく、1株当たり当期純利益(EPS)の増加を重点目標としております。また、中長期的な企業価値の向上の実現のため自己資本当期純利益率(ROE)や総資産経常利益率(ROA)の向上に努め、よりよい資産効率を図ってまいります。
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延の長期化に伴う政治・経済への影響が計り知れない状況の中で、人手不足による人件費・物流費の上昇や原材料費の不透明な先行き等、経営環境は依然として厳しい状況で推移することが予想されます。
食品業界におきましても、原材料コストの上昇圧力が強い一方、低価格志向・節約志向に伴う価格競争の激化による厳しい経営環境が継続されるものと予想されます。また、人口減少と高齢化の進展、食への安心・安全に対する意識の高まりなど大きな変化が起こっております。
このような状況の中で当社は、品質第一の姿勢を貫き、安心・安全な製品を提供することを基本として品質管理を徹底するとともに、生産面におきましては、人材育成の充実とローコストオペレーション体制を実現できるよう創意工夫し、収益基盤の強化を図ってまいります。
液体部門においては、1952年以降、醸造業の様々なノウハウを有しており、「うなぎのたれ」「つゆ」「白だし」「味だし」等は、そのノウハウによって生み出された自社製品であります。特に、うなぎのたれは業界トップクラスの生産量を誇り、国内外の生産者に向けて、お客様に合わせた粘度・色合い・味を提供しております。
粉体部門においては、時代とともに変化する生活スタイルに合わせて、より素早く・手軽に美味しさをお届けするために「粉末」「顆粒」とニーズに即した形状と「フィルム」「スタンドパック」「バルク」等の充填形態に対応し、お客様のご要望に対応しております。2019年の鳥取工場への事業集約により、製販一体となった事業体制を敷き、よりスピードアップした対応を目指しております。
さらに、企業活動における社会的責任の重さを充分認識し、環境保全活動への取り組み、コンプライアンス体制の強化等を推進し、お客様に信頼される企業を目指し、積極的に事業を展開し、社業の発展を図る所存であります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、国内的・世界的にもワクチン接種が普及し、新型コロナウイルス感染拡大の沈静化が期待されるものの、変異株の発生により、先行きは依然として不透明な状況となっております。また、原料等の調達先の生産停滞による価格変動の影響も懸念されます。原材料供給の混乱や従業員の感染による一時的な生産の停止に備えるべく、所管保健所・自治体などと連携を図りながら、感染拡大の防止の為に必要な対応・対策を実施しております。
当社売上の大きな構成を占める即席麺、チルド食品の麺類は、今後も安定した経営基盤として、新製品開発などの面で東洋水産㈱に協力し、受託量の拡大を図ります。
一方、当社が製品開発の主体を持っている液体や粉体は、今後発展の戦略分野と考え、メーカーとして整備、拡大を行いながら、研究開発の強化を図り、製品開発のスピードアップに取り組み、取引先の要望にいつでも応えられるよう生産、販売体制を整え、売上拡大を図り、売上高に占める自社開発製品の比率を上げながら、バランスのとれた売上構成を目指し、コストダウンや業務の効率化にも傾注し、安定した経営を目指します。
顧客ニーズの変化に対応した製品開発を行うための研究開発を重視し、また、安心・安全な製品を提供することを基本として品質管理を徹底するとともに、企業は人材であるという観点から人材育成の充実と既存設備の有効活用を推し進め、効率的な生産・物流体制を構築し業務改善を徹底してまいります。
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