業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、前連結会計年度は決算期変更により2020年4月1日から2021年2月28日までの11ヶ月間となっております。これに伴い、当連結会計年度(2021年3月1日から2022年2月28日)と、比較対象となる前連結会計年度(2020年4月1日から2021年2月28日)の期間が異なるため、対前年同期比につきましては記載しておりません。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の第5波に伴う緊急事態宣言の発出、オミクロン株による第6波により、対面型サービスを中心に個人消費は減少し、先行き不透明な状況が続きました。

当社主力事業である冷凍食品および外食の市場動向につきましては、冷凍食品市場は宅食需要拡大の流れの中で順調に伸びている一方、外食市場については、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準までは至らず、主要大都市地域における緊急事態宣言および他地域におけるまん延防止等重点措置による外食店舗の営業時間・酒類提供制限の影響が続きました。

このような状況下、当社では、市場拡大の波にのる食品事業において一層の売上拡大を図るとともに、関東第二工場を中心に更なる生産性向上・原価低減を進めました。また、外食事業においては、緊急事態宣言の長期化が続く厳しい状況下、引き続き店舗のスクラップアンドビルドを進めるとともに、店舗ごとのマイクロマネジメントなどによる既存店の魅力アップ施策およびコロナ禍における旺盛な持ち帰り需要への積極的対応を図りました。

更に新規事業においては、中国・上海での「OSAKA FUN DINING 大阪王将」の出店、札幌にエリアを限定した生冷凍餃子無人直売店「札幌みそぎょうざ」の出店、外食EC「ラーメンJourney(ジャーニー)」の展開など様々な取り組みを実施いたしました。

 

この結果、当連結会計年度の売上高は308億81百万円、営業利益は8億34百万円と、増収かつ大幅営業利益増を果たしました。さらに、外食事業における自治体からの新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金の収入もあり、経常利益は14億76百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は7億73百万円を計上することができました。

 

なお、セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。

a. 食品事業

食品事業につきましては、主力商品の「大阪王将 羽根つき餃子」が引き続き伸長したほか、2021年2月より販売を開始した新商品の「大阪王将 羽根つきスタミナ肉餃子」がヒットするなど、好調な販売を維持しました。その結果、当連結会計年度における食品事業の売上高は187億89百万円となりました。

また、2021年1月に稼働した関東第二工場の新ラインにおける最新鋭設備の導入による生産性向上による粗利率の改善を図った結果、営業利益は11億53百万円となりました。

 

b. 外食事業

外食事業につきましては、「大阪王将」業態において、前期に引き続き不採算店の整理とともに、住宅街に近い立地での新規出店の積極的展開に加え、テイクアウト・デリバリーメニューの拡充など、コロナ禍での環境変化への対応を進め、期間限定メニュー開発、マイクロマネジメントの導入等による既存店のテコ入れを図りました。その結果、当連結会計年度においては、売上高は120億91百万円、営業利益は11百万円と、着実な回復を見せております。

なお、当連結会計年度におきましては、直営店25店舗、加盟店12店舗の計37店舗を出店した一方、直営店8店舗、加盟店27店舗の計35店舗を閉店した結果、当連結会計年度末における店舗数は、直営店107店舗(うち海外7店舗)加盟店365店舗(うち海外21店舗)の計472店舗(うち海外28店舗)となっております。また、運営形態変更に伴い1店舗を加盟店から直営店へと変更しております。

 

外食事業の店舗数の内訳は以下のとおりであります。

 

業態名

前連結会計年度末
(2021年2月28日)

当連結会計年度末
  (2022年2月28日)

直営店

加盟店

直営店

加盟店

大阪王将

39

312

351

48

313

361

ラーメン

12

19

31

11

18

29

ベーカリー・カフェ

22

14

36

21

10

31

その他業態

13

4

17

20

3

23

海外

3

32

35

7

21

28

合計

89

381

470

107

365

472

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より2億41百万円増加し、16億22百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は25億10百万円となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上12億3百万円、売上債権の減少11億57百万円、減価償却費の計上10億14百万円があった一方、たな卸資産の増加1億74百万円、仕入債務の減少6億37百万円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は19億17百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出によるものです。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は3億96百万円となりました。主な要因は、長期借入金による収入6億円があった一方、短期借入金の減少3億4百万円、長期借入金の返済による支出5億57百万円、配当金の支払額1億1百万円があったことによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため、セグメント別に生産規模を金額あるいは数量で示すことは困難であるため記載しておりません。

 

b. 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年3月1日
  至 2022年2月28日)

金額

前年同期比(%)

食品事業(百万円)

6,775

外食事業(百万円)

2,126

合計(百万円)

8,902

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.前連結会計年度は決算期を3月31日から2月末日に変更したことにより前年同期比を記載しておりません。

 

c. 受注実績

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

d. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年3月1日
  至 2022年2月28日)

金額

前年同期比(%)

食品事業(百万円)

18,789

外食事業(百万円)

12,091

合計(百万円)

30,881

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度
(自 2020年4月1日
  至 2021年2月28日)

当連結会計年度
(自 2021年3月1日
  至 2022年2月28日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三菱食品株式会社

5,773

22.2

6,345

20.5

伊藤忠商事株式会社

2,576

9.9

2,712

8.8

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.前年同期比は前連結会計年度の決算期を3月31日から2月末日に変更したことにより記載しておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、前連結会計年度は決算期変更により2020年4月1日から2021年2月28日までの11ヶ月間となっているため、当連結会計年度(2021年3月1日から2022年2月28日)と、比較対象となる前連結会計年度(2020年4月1日から2021年2月28日)の期間が異なるため、対前年同期比につきましては記載しておりません。

 

① 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

 

当連結会計年度は「LET’S CHALLENGE!! 明るく、元気に、前向きに~ホールディングス元年。今までより更に広く「+&」に挑む!~」を会社方針として掲げ、収益の高い会社を目指すべく質を追求し、更なる利益体質の会社を目指し、当社の成長戦略でもある「当社グループ工場の生産」を中心として、食品事業、外食事業のシナジーを最大限に発揮し、商品開発、販路拡大に取り組んでまいりました。

新型コロナウイルス感染症拡大は、第5波に伴う緊急事態宣言の発出、オミクロン株による第6波により、時短営業、酒類販売の規制等様々な影響を外食事業に与えました。前連結会計年度より、当社グループのメインブランドである「大阪王将」は、乗降客数2~3万人程の帰着駅を中心に地域密着型の直営店舗を積極的に出店することで、新たな出店戦略し、お持ち帰りやデリバリーでの売上比率を高める事で、日常食としての確固たる地位を築きました。

一方で、食品事業においては、巣ごもり需要など生活スタイルの変化に伴い主力商品である「大阪王将 羽根つき餃子」「大阪王将 ぷるもち水餃子」を中心に販売が大きく伸長し、前連結会計年度に引き続き、二桁成長を達成いたしました。2021年1月には、関東第二工場の新製造ラインが稼働し、生産供給体制の増強を図ることができました。また、2022年10月には関東第三工場竣工、稼働を予定しており、年間の生産量は約20%増強できる見込みであります。今後も当社グループ工場にはAIやロボット技術を駆使したより安全性の高い最新鋭の設備を整え、労務作業の軽減、効率化を図り自社製品の内製化比率を更に高めてまいります。

上記取り組みなどにより、営業利益を確保することができました。これは当社グループのビジネスモデルである食品と外食の両輪からなる事業ポートフォリオによるものであり、他社にはない強みであることを示すことができました。

 

経営成績の分析
a. 売上高

売上高は、食品事業187億89百万円、外食事業120億91百万円、グループ合計308億81百万円となりました。当連結会計年度においては新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言およびまん延防止等重点処置により外食事業の売上高が大きく回復に至らなかった一方で、食品事業における主力アイテムである「大阪王将 羽根つき餃子」や「大阪王将 ぷるもち水餃子」の販売は順調に伸長し、着実な回復ができました。

各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は食品事業が60.8%、外食事業が39.2%となりました

 

b. 売上総利益

売上総利益は、グループ合計125億83百万円となりました。売上高総利益率は40.7%と前連結会計年度の39.4%から1.4ポイント上昇いたしました。これは、売上高総利益率の高い外食事業の直営店、加盟店向け食材販売が前連結会計年度より回復したためであります。一方、食品事業における自社製造冷凍食品(「大阪王将 羽根つき餃子」および「大阪王将 ぷるもち水餃子」など)の販売は順調に伸長しており、関東第二工場をはじめとする製造工場は、稼働率、製造量はさらに向上しており、売上総利益を高める指標である自社製造内製化比率は引き続き高位で推移しております。

 

 

c. 営業利益

営業利益は、食品事業11億53百万円、外食事業11百万円、調整額△3億30百万円、グループ合計8億34百万円となりました。営業利益率は2.7%と前連結会計年度の1.0%から1.7ポイント上昇いたしました。

当連結会計年度においては、a.売上高、b.売上総利益にも記載したとおり新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたものの、当社グループのビジネスモデルである食品事業と外食事業の両輪からなる事業ポートフォリオが奏功し、営業利益を計上することができました。

 
d. 経常利益

直営店の時短要請に伴う補助金収入により営業外収益6億57百万円を計上する一方で、銀行借入による支払利息の支出により営業外費用15百万円を計上した結果、経常利益は14億76百万円となりました。これにより売上高経常利益率は4.8%と前連結会計年度の1.1%から3.7ポイント上昇いたしました。

 

e. 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における特別損益は、直営店の閉店、減損損失の計上により特別損失2億73百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、7億73百万円となりました。

 

財政状態の分析

a. 資産の部

当連結会計年度末の総資産の残高は、前連結会計年度末より88百万円増加し、205億14百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末より7億19百万円減少し、90億44百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加2億34百万円、売掛金の減少11億48百万円、商品及び製品の増加2億21百万円によるものです。固定資産は、前連結会計年度末より8億8百万円増加し、114億70百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の増加7億8百万円、投資その他の資産の増加1億1百万円によるものです。

 

b. 負債の部

当連結会計年度末の負債の残高は、前連結会計年度末より5億87百万円減少し、127億9百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末より6億72百万円減少し、92億32百万円となりました。主な要因は、買掛金の減少6億28百万円、短期借入金の減少3億4百万円、未払法人税等の増加2億9百万円によるものです。固定負債は、前連結会計年度末より84百万円増加し、34億77百万円となりました。主な要因は長期借入金の増加によるものです。

 

c. 純資産の部

当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末より6億76百万円増加し、78億5百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加によるものです。

この結果、自己資本比率は38.0%(前連結会計年度末34.8%)となりました。

 

キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループは、事業活動に必要な資金の流動性の維持と十分な確保を基本とし、運転資金の効率的な管理により、事業活動における資本効率の最適化を目指しております。

資金は、金融機関からの借入等を必要に応じて行うことで、流動性の確保および財務体質の向上を図っております。

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。

当社グループは「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、中期3カ年経営計画『Sustainable Growth 2024』を策定し、売上高、営業利益、売上高営業利益率およびROEならびにEPSのそれぞれを2024年度の経営目標として掲げております。

当連結会計年度におきましては、売上高営業利益率は2.7%となり、計画比0.2ポイントプラスとなりました。

第46期は「前進!! Let’s get DYNAMIC! 明るく、元気に、前向きに」を会社方針として実行し、さらに収益の高いグループとなるべく、各事業会社の収益力向上を企図した取り組みにも邁進してまいります。

 

回次

第44期

第45期

第45期

増減

決算年月

2021年2月期
(実績)

2022年2月期
(計画)

2022年2月期
(実績)

2022年2月期
(計画比)

売上高

25,964百万円

31,702百万円

30,881百万円

△821百万円
(2.6%減)

営業利益

261百万円

800百万円

834百万円

34百万円
(4.3%増)

売上高営業利益率

1.0%

2.5%

2.7%

+0.2pt

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△202百万円

200百万円

773百万円

573百万円
(286.8%増)

 

 

当社グループの売上高営業利益率の推移は以下の通りであります。

回次

第41期

第42期

第43期

第44期

第45期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年2月

2022年2月

売上高

28,166百万円

29,164百万円

30,361百万円

25,964百万円

30,881百万円

営業利益

770百万円

834百万円

810百万円

261百万円

834百万円

売上高営業利益率

2.7%

2.9%

2.7%

1.0%

2.7%

 

 

セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識ならびに分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

(売上割戻引当金)

当社グループは、売上割戻引当金について、過去の売上割戻率の実績を基礎として見積率を算定し、売上実績額に当該見積率を乗じた金額を売上割戻の発生見込額として、引当計上しております。

 

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