事業等のリスク

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)国際情勢について

当社グループは、牛肉や魚介類など主要な原材料の一部を輸入しており、世界的な食糧獲得の競争激化による原材料価格の上昇や、生産地域の政情不安等による輸送の停滞などが発生することにより、原材料の調達コストの上昇や供給不足が想定されます。また、中東地域やロシア等エネルギー産出国の政情不安、予期しない規制や政策変更により原油等の資源価格が高騰すると、輸送や資材のコスト上昇により、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループではこれらのリスクに対応するため、定期的に事業の状況をモニタリングし、国際情勢、海外経済情勢の変化等によるコスト上昇や調達における支障の発生等の情報収集と共有を図り、これら情勢の変化に柔軟かつ適切に対応できる体制を構築しております。

 

(2)気候変動・自然災害について

異常気象による自然災害は、年々頻発化、激甚化してきております。当社グループの主な生産拠点である神戸や静岡、または主な販売拠点である首都圏や関西地区において大規模自然災害発生の際には、生産ラインの中断や販売店舗の休業による売上の低下、建物・設備の修繕等のコスト増加の虞があるとともに、原材料の産地にて水災・風災等の被害を受けた場合、調達価格の上昇や供給不足を招くリスクがあります。また、気候変動に対する政策及び法的規制の強化や新たな税制の導入があれば、温室効果ガス排出量に応じたコストの発生等により、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループではこれらのリスクに対応するため、有事の際には被災したファクトリーの製品を他のファクトリーでも生産可能な相互補完的な体制の構築や、EC・外販(卸)などの強化による販路の拡大を目指すとともに、天候不順等による調達リスクを極小化するために、調達地域の分散や計画的な原材料調達に積極的に取り組んでおります。また、当社グループでは、生産拠点における風力発電・太陽光発電の設置、非化石燃料電源・カーボンニュートラルLNGの導入や、包装資材の環境配慮型素材への切り替えなど、温室効果ガス発生抑制に向けた取り組みを推進しております。

 

(3)新型コロナウイルス等の感染症について

当社グループが店舗展開を行っている百貨店、駅・駅ビル等の商業施設では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための緊急事態宣言等の発出時には、臨時休業や営業時間短縮が実施され、非常に難しい店舗運営を余儀なくされました。当社グループでは、3つの自社ファクトリーで商品を生産し、主に百貨店、駅・駅ビル等の商業施設で当社従業員によって販売を行っております。新型コロナウイルス等の感染症が国内においてまん延し、当社内でクラスターが発生した場合には、該当する事業所、生産ラインまたは販売店舗を一時的に閉鎖するなど事業継続が困難になる虞があります。

当社グループではこれらのリスクに対応するため、新型コロナウイルス等の感染症が拡大した場合に備え、危機管理規程に基づく対策本部の設置等を定め、適切な管理体制を構築しております。従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底、感染者が発生した場合のBCP対策などの施策を通じた影響の極小化を図ってまいります。

また、当社グループの属する中食・惣菜業界においては、コロナ禍をきっかけに外食メニューのテイクアウトやデリバリー、オンラインショップの需要が定着するなど、消費者の購買行動の多様化やライフスタイルの変化が急激に進み、業態の垣根を越えた競争がますます激化しております。 このような社会環境の変化や消費者の行動変化に対応できなかった場合、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループではこれらのリスクに対応するため、より居住地に近いエリアへの出店やEC・外販(卸)における新たな販売チャネルの強化により、消費者との新たな接点の創出に取り組むとともに、ライフスタイルやマーケットニーズの変化に対応した商品・サービスの開発、会員サイトのサービス拡充と情報発信の強化などに取り組んでおります。

 

(4)食材の安全性・信頼性について

当社グループは、会社の理念・価値観を中心に経営しており、お客様に安全に食していただけるそうざいの提供に努めることが最重要課題のひとつと考え、品質保証部による法定の食品衛生検査はもとより、HACCPに沿った衛生管理を徹底しております。また、原材料のトレーサビリティーや残留農薬の自主検査を強化し、安全性と信頼性の確保にも努めております。

しかしながら、O-157やノロウイルスなどによる食中毒等の大規模な食品事故、BSE(狂牛病)や鳥インフルエンザに代表される食材の根本に関わる問題、産地や銘柄等の偽装事件が発生した場合には、関連商品の消費の縮小や安全性・信頼性確保のための費用の増加により、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループではこれらのリスクに対応するため、取引先における衛生管理や表示管理体制などについての品質保証部による定期的な監査を行うとともに、購買本部による取引先との連携の強化と有事に速やかに対応できる協力関係の構築に取り組んでおります。

 

(5)人材の確保について

当社グループが営んでいるそうざい事業は、労働集約型産業であり、従業員は当社グループの経営を支える柱であります。特に、店舗及びファクトリーでは約6,380名のパート従業員を雇用しており、今後、少子高齢化が進行する中での人材の確保は、大変重要な課題であると認識しております。人材の確保が困難な状況に陥った場合、新規出店や生産量の抑制、時給上昇による人件費の増加等、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、パートタイム労働者の処遇改善に関する法改正が行われた場合、企業側が負担する人件費の増加や対応遅れによる法令違反の可能性があります。

当社グループではこれらのリスクに対応するため、販売店舗や生産ラインにおける生産性向上、機械化・少人化の取り組みの継続や、子育て世帯をサポートする企業内保育室の運営など労働環境の改善及び多様な働き方を可能にする人事制度の構築を行うとともに、労働関係法令を遵守するための社内体制を構築しております。

 

(6)法的規制について

当社グループが営んでいるそうざい事業に関する主たる法的規制には「食品衛生法」「食品表示法」「水質汚濁防止法」「製造物責任法(PL法)」「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」等があります。これらの法的規制が強化された場合、または予期しない新たな法的規制が実施された場合、設備投資等の新たな費用が発生・増加することなどにより、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループではこれらのリスクに対応するため、適用される法改正に関するタイムリーな情報収集に努めるとともに、食品衛生や環境に関する法定基準をより厳しくした自社基準にて運営を行なうなど、法的規制に伴う予期せぬ費用が発生しないように取り組んでおります。

 

(7)情報セキュリティについて

当社グループは、会員サイト「ロック・フィールドメンバーズ」を運営し、多数の会員の個人情報を保持しております。当社グループは、これら個人情報や会社の機密情報等の重要な情報の紛失、漏洩、改ざん等を防止するため、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、自然災害、コンピュータウイルスの感染、サイバー攻撃等不測の事態により、情報システムの崩壊、停止または一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の紛失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合、営業活動に支障をきたすとともに、企業価値の毀損を招き、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループではこれらのリスクに対応するため、復旧用サーバーをクラウド環境に設置し自然災害等によるシステム停止を回避するとともに、USB等の外部媒体を介したウイルス感染防止ソフトの運用、統合型脅威管理(UTM)によるサイバー攻撃等の対策強化を行っております。

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