文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループにおける経営の基本方針はすべてのステークホルダーから信頼を得て、ブランド力を向上させることです。言い換えれば、よいものを作り、顧客信頼度を向上させ、収益を伸ばすことで株主、従業員、地域社会への還元を増やす企業を目指して取り組んでまいります。
ワクチンの普及や政府の経済支援により、景気は緩やかながら回復基調に向かうことが期待されるものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、世界の経済が大きく停滞した中で、国内においても緊急事態宣言の発出により個人消費への影響や経済活動も制限を余儀なくされたほか、社会の行動様式が大きく変化したことなどにより食品業界等を中心に厳しい状況が続いております。
食品業界は、人口減少による国内市場の伸び悩みから競争がさらに激化するとともに、少子高齢化の進行に伴う市場構造の変化が懸念されます。当社グループは、市場ニーズの発掘と自社商材新製品の素早い投入とグループ経営力強化で中期的な収益拡大を図っております。成果は徐々に浸透しつつあるものの、今後も更なる収益力向上に向けて、海外顧客開拓を意識した新製品の開拓加速や営業強化に取り組むとともに、内・外生産拠点の整備に注力してまいります。
自社商材開発は、市場が求めるテーマを主体的に見つけ、営業部門と研究開発部門、生産部門の連携強化でスピーディーに新製品上市を図ります。グループ経営力強化は、HALAL対応を含めた内・外生産体制の最適化推進など、製造コスト低減に加え海外市場への本格参入に向けた様々な布石も着実に行ってまいります。
経営方針に基づき、これまでは営業利益率の改善及び営業利益の拡大と中期的な海外売上比率10%を目標に掲げてまいりました。今後は、簡易営業キャッシュフロー(営業利益+減価償却費)の最大化を目指し、更なる企業価値の向上を図ってまいります。
当社グループは、更なる企業価値の向上に向けて、国内は顧客ニーズに対応する高付加価値の自社商材上市や受託商材への提案営業を強化する一方で、中・長期的な収益拡大に向けて、海外市場の取り込みに向けた取り組みを強化しております。昨年終盤には、海外で二番目の製造拠点となる新工場がベトナムに完成いたしました。グループを挙げて、早期に海外事業の収益貢献を図ってまいります。次期の業績予想につきましては、売上高は195億円(前年同期比5.9%増)、営業利益は7億50百万円(前年同期比0.6%増)、経常利益は7億50百万円(前年同期比16.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億20百万円(前年同期比3.7%減)を予想しております。
また、本業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響については、ワクチン接種が一定程度進んだことにより、経済活動が正常化に向かうことで、翌連結会計年度の下期から回復基調で推移すると仮定しております。
(6) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、いかなる経済環境においても安定して高い収益を確保できる事業構造への転換を図っていくため、次の課題解決に積極的に取り組むことにより、ステークホルダーの皆様からのご期待に応えていく所存であります。
既存製品では、特にカラメル・焙焼品、サプリメント商材、メディケア関連市場商材等が競合激化に加え、商品寿命が短期化しております。新規ユーザーの獲得も含めて、当社の商材開発力を前面に出した提案営業を徹底させてまいります。また、部門毎の収益管理の強化を更に務め、感染症など不測の事態が生じた場合においても、収益基盤を確保する経営をしてまいります。
当社収益は、人口減少や少子高齢化が進み、食品消費量の伸びが期待しにくい国内市場に極めて依存しております。一方、近年は、アジア市場での日本食文化が浸透しており、日本食需要も拡大しております。当社グループでは、アジア市場における日本食需要の立ち上がりに対応すべく、新商材の開発やベトナム新会社設立による生産体制の確立並びにベトナム販売子会社の輸出対応強化と中国子会社の再構築を図るなど、海外市場開拓を着実に進めてまいります。
世界的にエネルギーや食料資源需給が引き締まり傾向を示す中、加工食品会社は原燃料コスト上昇に加え、販売に必要な原材料を確保できなくなるのではないかと危惧しており、適切な値上げや製品設計まで遡った抜本的見直しが急速に迫られております。当社グループでは、メーカーとしての原点に還って構造改革を推進してまいります。
人材育成は会社発展の基本であることが益々切実となって来ております。グループ経営力強化策の深耕では、海外業務の拡大も急務となっており、当たり前ではありますが実力と自信を兼ね備えた人材の必要性が顕著になって来ております。各部門での基本力の育成を徹底させてまいります。
お知らせ