(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当事業年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。この結果、当事業年度における売上高は、前事業年度と比較して大きく減少しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①経営成績の状況
当社は、消費者にとって価値のある商品づくり、人づくり、店づくりを目指し、「よりいいものをより安く」提供し、「三代目茂蔵」のブランド力を強化、確立することで、売上高及び利益の向上を図ってまいります。
当事業年度において、商品については、引き続き「健康」をキーワードに「茂蔵オリジナル商品」を強化してまいりましたが、新型コロナ感染症の影響、物価高騰の今後の対策として、顧客数の確保を第一に取り組んでまいりました。
当事業年度の売上高は2,791,296千円(前事業年度比7.7%減)、営業損失は60,831千円(前事業年度は営業利益36,501千円)、経常損失は60,807千円(前事業年度は経常利益36,714千円)、当期純損失は94,395千円(前事業年度は当期純利益13,056千円)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(小売事業)
当セグメントにおいては「よりいいものをより安く」をコンセプトに「三代目茂蔵」ブランドのクオリティ向上を推し進めております。
当事業年度におきましては、様々な雑穀を原材料に「茂蔵オリジナル商品」の開発強化をすすめ健康ブランド向上に努めました。具体的には弁当・いなり・太巻き・総菜・菓子類等のカテゴリーで商品開発を推し進め、開店から12時までの時間帯に開催している「朝市」等で顧客認知度向上に努めることにより健康志向の高い顧客来店頻度向上による顧客数の増加を図ってまいりました。
これらにより1店舗平均の顧客数は前事業年度比101.2%となりました。時間帯別では「朝市」開催の開店から12時までは同103.2%となりましたが、17時から閉店までは同99.4%となりました。また顧客単価につきましては「朝市」等での価格見直し等の影響もあり同97.4%となりました。
店舗につきましては、毎週実施するリモート会議において販売スタッフと情報共有を徹底することにより1店舗あたりの生産性向上を目指しました。
以上の結果、小売事業の売上高は2,418,009千円(前事業年度比10.7%減)となりました。セグメント利益(営業利益)につきましては、収益改善の見込みの低い9店舗閉店を主要因とした売上高の減少及び仕入価格の上昇分を販売価格へ転嫁する時期を慎重に検討した結果、「よりいいものをより安く」のコンセプトのもと顧客数の増加による売上増加を優先しましたが想定以上の顧客数増加とならず、その結果、売上総利益率が低下したことにより55,223千円(前事業年度比61.9%減)となりました。
(その他事業)
その他事業は、小売加盟店及び業務用得意先への卸売事業並びに通販事業であります。
その他事業の売上高は373,286千円(前事業年度比18.2%増)、セグメント利益(営業利益)は30,936千円(前事業年度比19.6%減)となりました。
なお、当事業年度の出店状況は、次のとおりであります。
(単位:店)
|
前事業年度末 |
増加 |
減少 |
当事業年度末 |
|
小売事業 |
「三代目茂蔵」(直営店) |
44 |
- |
9 |
35 |
その他事業 |
「三代目茂蔵」(加盟店) |
125 |
164 |
8 |
281 |
合計 |
169 |
164 |
17 |
316 |
②財政状態の状況
a.資産
当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末と比較して139,202千円減少し1,352,642千円となりました。これは主に、現金及び預金の減少83,037千円、有形固定資産の減少26,298千円、敷金及び保証金の減少22,268千円等によるものであります。
b.負債
当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末と比較して44,807千円減少し290,788千円となりました。これは主に、買掛金の減少14,895千円、長期借入金の減少20,004千円等によるものであります。
c.純資産
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末と比較して94,395千円減少し1,061,853千円となりました。これは、当期純損失の計上94,395千円によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度と比較して83,037千円減少し465,911千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、79,660千円(前事業年度は49,308千円の収入)となりました。これは主に、増加要因として、減価償却費及びその他の償却費23,553千円等、減少要因として、税引前当期純損失77,607千円、仕入債務の減少額14,895千円、法人税等の支払額21,472千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、16,611千円(前事業年度は14,174千円の支出)となりました。これは主に、増加要因として、敷金及び保証金の回収による収入17,528千円、リース債権の回収による収入4,584千円等、減少要因として、無形固定資産の取得による支出3,193千円、有形固定資産の取得による支出2,453千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、20,004千円(前事業年度は20,004千円の支出)となりました。これは長期借入金の返済による支出20,004千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.仕入実績
当事業年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
前年同期比(%) |
小売事業(千円) |
1,604,750 |
90.3 |
その他事業(千円) |
290,934 |
121.9 |
合計(千円) |
1,895,684 |
94.1 |
(注) 金額は、仕入価格で記載しております。
c.受注実績
該当事項はありません。
d.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
前年同期比(%) |
小売事業(千円) |
2,418,009 |
89.3 |
その他事業(千円) |
373,286 |
118.2 |
合計(千円) |
2,791,296 |
92.3 |
(注) 販売実績総額に対する割合が、100分の10以上に該当する相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の財政状態及び経営成績の状況は「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
「小売事業」におきましては、当事業年度は、「健康」をキーワードにした商品開発や「朝市」を毎日開催をするなど、「顧客数」を増加させ売上高を確保し、利益の向上を図ってまいりました。
しかしながら、1店舗平均の顧客数は前事業年度比101.2%と想定以上の増加とならず、売上高の増加に繋がりませんでした。また、円安やウクライナ情勢などの影響による原材料価格の高騰により仕入価格は上昇しておりますが、これを早期に販売価格へ転嫁すると客離れに繋がる恐れがあることから、値上げについては慎重に行っていく予定です。
今後も「朝市」の開催を継続し顧客数を確保しながら、量目の変更や商品内容を見直すなど、顧客が買いやすい価格に設定することで買上点数の増加を図り、売上高を確保してまいります。
「その他事業」におきましては、加盟店店舗数は前事業年度より156店舗増加し、売上高も前事業年度比18.2%増となっております。これはデイリーヤマザキの加盟により店舗数が大幅に増加したことによるものです。今後も当社の加盟店出店基準に照らし合わせたうえで、積極的に出店を行っていく予定です。また、通販事業の売上高につきましては、「Yahoo!ショッピング」への出店に加え「Amazon」への出店も行い前事業年度比33.3%増となりました。新型コロナウイルス感染症拡大防止などから通販事業は今後、拡大すると見込んでおり、取扱い商品数の増加やセット商品の提供を増やすなど、売上高の増加に努めております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
当社の資金需要の主なものは、商品の仕入れ、販売費及び一般管理費に係る運転資金、新規出店及び既存店舗のリニューアル改装に係る設備投資であります。
資金につきましては、主に営業活動によって得られる資金によって賄い、必要な都度、主に金融機関から調達する方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照下さい。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況
当社は、重要な経営指標として売上高営業利益率5%以上を目標としております。
売上高は前事業年度と比較して231,345千円減少(7.7%減)したこと及び原材料価格の高騰による仕入価格の上昇により売上総利益は111,659千円減少し、売上総利益率は前事業年度の33.3%から32.1%と1.2ポイント低下しました。販売費及び一般管理費は前事業年度と比較して14,327千円減少し、比率は前事業年度の32.1%から34.3%と、2.2ポイント上昇しました。これらより当事業年度の売上高営業利益率は△2.2%となり、前事業年度の1.2%から3.4ポイント低下いたしました。引き続き、売上高営業利益率5%以上を目指してまいりますが、まずは早期の黒字化を目標に、収益力の向上と経営効率の改善に努めてまいります。
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