文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「本とのであいのおてつだい」をコンセプトに、「学び、好奇心、知識、エンターテインメント、体験の場を提供することで、人間形成に寄与する」ことを基本理念として企業活動を行っております。
この方針に基づき付加価値の高いさまざまなサービスをお客様に提供し、コンプライアンスに沿った適正な企業活動によって利益を確保することで、長期的な成長を目指しております。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、資本の収益性指標として総資産対当期純利益率(ROA)を重視しております。それは、企業の成長速度は、ROAの水準と強い相関関係があるものと考えているからであります。ROAは売上高対当期純利益率×資本回転率と分解できますので、具体的にはこの売上高対当期純利益率と資本回転率が主要な経営指標となります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、新本と古本を併売するハイブリッド型書店を核として、豊かな時間を提供する様々な部門を併設した店舗を「ブックバラエティストア」として展開しております。
また、2021年7月にスマートフォンを使ってスマートにお買い物ができる「スマ本屋」業態を開発しました。今後もネットと実店舗を活用したスマートなサービスを充実させ、お客様に支持される業態に進化させてまいります。
一方、中期的には雑誌やDVD・CDなどに依存しない新たな収益構造の確立が必要であると認識しており、積極的に新規事業や既存事業の隣接事業の導入、拡大を進めてまいります。
(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く市場環境は、映像・音楽配信を始めとするネット上のコンテンツ消費の選択肢が多様化し、雑誌やDVD・CDなどのコンテンツ市場の縮小が続いております。一方で、トレーディングカードやホビー商品などの事業領域においては、市場拡大が継続しております。
このような環境のもと、商品の提供に留まらず、リアル店舗だからこその付加価値の提供が重要であり、その実現のためには時代の変化を先読みし、顧客の変化に対応した商品部門の導入やスマートなサービスの充実が重要だと考えております。
当社グループは「学び、好奇心、知識、エンターテインメント、体験の場を提供することで、人間形成に寄与する」という基本理念実現のために、バラエティに富んだ選択肢と、より利便性の高いサービスを提供していくという課題意識のもと、以下の項目について取り組んでまいります。
①スマートサービスの開発と拡大
スマートフォンを使ってスマートにお買い物ができる新たなサービスを拡充すべく、三洋堂サイトでの商品発注や店別在庫検索など、利便性を高めるための整備を進めてまいります。
また、「スマ本屋」で顧客に支持されたサービスを既存店に導入する、「スマ本屋化」を進めてまいります。
②新規フォーマット・商材の育成と獲得
トレーディングカードなどの好調な部門や新規事業については、既存店導入のみならず新規フォーマットでの出店も視野に入れて進めてまいります。
③店舗コスト構造の見直し
従業員の配属を店舗ではなく3~4店舗の地区に変更し、少人数で運営できる体制へ変更してまいります。また、セルフレジの利用率向上、営業時間見直し、業務の見直し等により、店舗運営コストの引き下げを進めてまいります。
④インターネットの積極活用
インターネット広告や自社サイトを活用した販売促進、SNSを活用した個店発信によりインターネット上の存在感を高め、実店舗への来店動機を増やしてまいります。
⑤人材の獲得と教育
これらの課題を実現するため、人材獲得と教育投資を引き続き推進してまいります。
また、企業の持続的な成長のためには、従業員一人ひとりの個性や価値観を尊重し、その個性や能力を最大限に発揮することが必要となることから、多様な働き手を支援する環境を整備してまいります。
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