当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
収益認識会計基準等の適用が財政状態及び経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。
(1) 経営成績
当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が残る中、企業収益や雇用・所得環境に持ち直しの動きがみられたものの、厳しい状況で推移いたしました。
ドラッグストア業界におきましても、業種・業態を越えた競合企業の新規出店、商勢圏拡大に向けた新たなエリアへの侵攻、M&Aによる規模拡大、同質化する異業種との競争、それらが要因となる狭小商圏化など、当社を取り巻く経営環境は厳しい状況が継続しております。
このような環境の中、旧株式会社マツモトキヨシホールディングス(当社)と旧株式会社ココカラファインは、2021年10月1日に経営統合を実施し、当社は、株式会社マツキヨココカラ&カンパニーへ商号を変更いたしました。当社グループの重点戦略は国内とグローバルに分け設定し、国内戦略として「お客様のライフステージに応じた価値提供」を戦略テーマに3つの重点戦略、①利便性の追求-お客様との繋がりの深化、②独自性の追求-体験やサービス提供の新化、③専門性の追求-トータルケアの進化と、グローバル戦略として「アジア市場での更なるプレゼンス向上」を戦略テーマに④グローバル事業の更なる拡大を重点戦略として設定し、経営統合によるシナジー実現に取組みました。2021年11月に当社の誕生を記念したPB商品として敏感肌向けスキンケアシリーズ「RECiPEO(レシピオ)」を株式会社コーセーと共同開発し、順次新商品の展開を進めています。2022年3月末現在における当社グループの顧客接点数は、1億1,466万となり、国内店舗数は3,325店舗(うち調剤薬局数856店舗、健康サポート薬局数144店舗)となりました。今後も4つの重点戦略を実行することで収益改善を図ってまいります。
当社が展開する「マツモトキヨシ」のブランドについて、世界最大のブランディング専門会社であるインターブランド社によるグロ-バルに展開される日本発のブランド価値評価ランキング「Best Japan Brands 2022」において82位となり、2022年も日本のドラッグストアとしてナンバーワンブランドの評価をいただきました。
当社の健康経営について、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する取組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で選出する「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」に認定されました。
これらの結果、当連結会計年度における主な経営成績は次のとおりであります。
セグメントの業績は次のとおりであります。
2021年10月1日付で実施された株式会社ココカラファイングループ(旧株式会社ココカラファイン)との経営統合に伴い、報告セグメントを従来の「小売事業」「卸売事業」「管理サポート事業」から「マツモトキヨシグループ事業」「ココカラファイングループ事業」「管理サポート事業」の3区分に変更しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後のセグメント区分に基づき作成したものを記載しております。
<マツモトキヨシグループ事業>
4つの重点戦略に対して、①利便性の追求-お客様との繋がりの深化として、社会全体のデジタル化が進み、お客様のライフスタイルが変化しつつある中で、一人ひとりのお客様と深く繋がっていくことでニーズを的確に捉え、最も身近な存在となることが必要と考えております。そのため、デジタルと店舗網を活用したお客様に届ける仕組みづくり、様々な買い物スタイルの提供など、利便性を追求していくことで、お客様により深く寄り添う営業を目指しております。マツモトキヨシグループの顧客接点数は、2022年3月末現在、8,822万まで拡大いたしました。
②独自性の追求-体験やサービス提供の新化として、激しい競争環境の中で、お客様との様々な接点から蓄積されたデータと高いマーケティング分析力を活かし、お客様の価値観に基づいた商品・サービスや店舗モデルの開発、メーカー様向け広告配信事業の展開など、マツモトキヨシグループならではの独自性を追求していくことで、お客様に選ばれる企業を目指しております。PB商品につきましては、「matsukiyo」「matsukiyo LAB」「ARGELAN(アルジェラン)」「THE RETINOTIME(ザ・レチノタイム)」からそれぞれ新商品を発売いたしました。
③専門性の追求-トータルケアの進化として、少子高齢化が進み、健康長寿社会の実現を目指すわが国においては、様々なお客様のライフステージに応じた質の高いサービスを提供することで、地域社会により大きな安心と喜びを提供していくことが求められていると考えております。そのため、セルフメディケーションの推進やオンラインを活用した服薬指導・接客などに加え、心と身体の両面でのビューティーケアなど、専門性を追求していくことで、地域包括ケアシステムを支え、すべての人がいつまでも美しく、健康で心豊かな生活を送れるよう取組んでおります。調剤薬局数は372店舗となり、厚生労働省の認可を受けた健康サポート薬局数は38店舗となりました。また、薬局経営支援サービスである調剤サポートプログラムの加盟店舗数は153店舗まで拡大いたしました。
④グローバル事業の更なる拡大では、アジアを中心とした新たな進出国の開拓や海外店舗展開、越境EC事業の拡大を図るため、海外SNSの活用やグローバル会員獲得によるアプローチ強化、グローバルで活躍する人材の開発、海外で支持される商品の開発などに積極的に取組むことで、美と健康への意識が高まっているアジア地域での事業規模拡大とプレゼンス向上を目指しております。海外では、タイ王国で23店舗、台湾で16店舗、ベトナム社会主義共和国で2店舗の合計41店舗を展開しております。
<ココカラファイングループ事業>
「利便性の追求-お客様との繋がりの深化」「独自性の追求-体験やサービス提供の新化」「専門性の追求-トータルケアの進化」という3つの国内重点戦略に対して、マツモトキヨシグループと同様の取組みを実行しました。なお、顧客接点数は、2022年3月末現在、2,644万、調剤薬局数は484店舗となり、健康サポート薬局数は106店舗となりました。
経営統合後の国内店舗の出退店の状況につきましては、次のとおりであります。
(単位:店舗)
(注)1.2021年9月30日現在の店舗数は旧株式会社マツモトキヨシホールディングス店舗数となります。
2.2021年9月30日現在の店舗数は旧株式会社ココカラファイン店舗数となります。
<管理サポート事業>
当事業は、当社グループ会社が取り扱う商品の仕入や当社グループ会社の経営管理・統轄、その間接業務の受託業務及び、外部への商品供給・施工業務等を行っており、経営統合により業務活動の範囲も拡大しております。
売上及び仕入の状況は次の通りであります。
当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.会計方針の変更に記載のとおり、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更したため、事業部門別売上も同様に変更しております。
3.当連結会計年度より、報告セグメントを「小売事業」「卸売事業」「管理サポート事業」から「マツモトキヨシグループ事業」「ココカラファイングループ事業」「管理サポート事業」に変更しております。
当連結会計年度の売上実績を地区ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.会計方針の変更に記載のとおり、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更したため、事業部門別売上も同様に変更しております。
2.当連結会計年度より「甲信越エリア」「東海・北陸エリア」から「甲信越・北陸エリア」「東海エリア」に変更しております。
3.地区別売上状況は卸売事業・管理サポート事業を除いております。また、上記の金額には営業収入(テナントからの受取家賃及びフランチャイジーからのロイヤルティ収入等)は含まれておりません。
4.店舗数は2022年3月31日現在であります。
当連結会計年度の売上実績を商品グループごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.会計方針の変更に記載のとおり、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更したため、商品別売上も同様に変更しております。なお、前期比については、収益認識会計基準等適用後の商品別売上により計算したものを記載しております。
2.商品別売上状況は卸売事業・管理サポート事業を除いております。また、上記の金額には営業収入(テナントからの受取家賃及びフランチャイジーからのロイヤルティ収入等)は含まれておりません。
該当事項はありません。
当連結会計年度の仕入実績を商品グループに示すと、次のとおりであります。
(注)1.会計方針の変更に記載のとおり、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更したため、商品別仕入も同様に変更しております。なお、前期比については、収益認識会計基準等適用後の商品別仕入により計算したものを記載しております。
2.商品別仕入状況は卸売事業・管理サポート事業を除いております。
(資産)
当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて2,877億99百万円増加して6,567億35百万円となりました。これは主に投資有価証券が443億80百万円減少したものの、現金及び預金が360億1百万円、商品が514億89百万円、売掛金が244億35百万円、のれんが1,150億16百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(負債)
負債につきましては、696億77百万円増加して1,923億93百万円となりました。これは主に買掛金が369億85百万円、未払法人税等が58億78百万円、流動負債その他が93億27百万円、退職給付に係る負債が56億50百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
純資産につきましては、2,181億21百万円増加して4,643億41百万円となりました。これは主に、株式会社ココカラファインとの経営統合等により、資本剰余金が1,829億33百万円、利益剰余金が258億78百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は745億19百万円となり、前連結会計年度末と比較して360億1百万円増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果獲得した資金は、398億12百万円(前期は258億75百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益496億29百万円の計上等によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、154億85百万円(前期は63億11百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出93億17百万円等によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、203億37百万円(前期は94億9百万円の獲得)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出90億9百万円、配当金の支払額による支出82億72百万円等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を新規出店に係る設備投資に充当しております。
(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する分析・検討内容
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」に記載のとおりであります。
・経営成績に重要な影響を与える要因
「2 事業等のリスク 」に記載のとおりであります。
・セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資金の流動性
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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