(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数がワクチン接種の普及により一定の収まりを見せたものの、新たな変異株の出現による急速な感染拡大や、半導体不足による電子機器搬入の遅れ、ウクライナ情勢の悪化を受けた原油価格の高騰によるコスト高の懸念など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
食品小売業界におきましても、コロナ禍における外出自粛の動きから内食需要は増加するものの、原材料価格及び物流コストの高騰、人件費関連コストの増加に加え、業態を超えた顧客の獲得競争が激化するなど厳しい状況が続いております。
このような状況の下、当社グループは拡大する内食需要への対応や、感染拡大防止対策によりお客様と従業員の安全・安心の確保を優先し、業務の効率化と販売チャネルの拡大を目指すことで企業価値の向上に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ21億60百万円増加し、213億77百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ14億41百万円増加し、125億25百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ7億18百万円増加し、88億52百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は727億円(前年同期比8.7%増)、営業利益は14億18百万円(前年同期比3.4%減)、経常利益は15億15百万円(前年同期比4.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億98百万円(前年同期比7.0%減)となりました。
なお、会計方針の変更として、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 令和2年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。このため、前期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(スーパーマーケット事業)
スーパーマーケット事業につきましては、前期は控えていた折込チラシを、3密防止に配慮しながら配布エリアと発行部数を徐々に拡大したことで集客数は前年を上回りました。また、青果の相場安と鮮魚の不漁からくる供給不足で生鮮部門の売上高は伸び悩んだものの、長期化するコロナ禍において非生鮮部門はまとめ買いが多く、年末商戦やひな祭りといった季節商材の販売も年間を通して比較的好調に推移しました。
しかしながら、折込チラシの再開による広告宣伝費の増加と原油相場高騰による光熱費の増加や人件費の増加などが影響し、セグメント利益は減少しました。
以上の結果、当連結会計年度のセグメント売上高は244億45百万円(前期比0.1%増)、セグメント利益は5億83百万円(前期比18.8%減)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い、代理人として関与した取引について売上高を純額とした影響により売上高が3億43百万円減少しております。
(業務スーパー事業)
業務スーパー事業につきましては、コロナ禍における内食需要の増加により、保存用食材を中心に一般のお客様の利用は継続的に増加しており、イベント等の中止による業務用需要の減少を上回る状況が続きました。また、SNSやテレビなどのメディアにおいて、業務スーパーのPB商品が特集される機会が多く、認知度の向上が新規顧客の獲得につながりました。
新規出店につきましては、当社において4店舗の直営店(宮城県2店舗、茨城県・長野県に各1店舗)と子会社である㈱カワサキにおいて2店舗(茨城県・北海道に各1店舗)をオープンしました。
以上の結果、当連結会計年度のセグメント売上高は348億85百万円(前期比17.6%増)、セグメント利益は9億96百万円(前期比4.1%減)となりました。
(弁当給食事業)
弁当給食事業につきましては、緊急事態宣言解除後もリモートワークの定着などにより事業所における喫食者ニーズの多様化が見られることや、異業種からの新規参入による競争の激化から食数は伸び悩みました。
千葉工場における食品スーパー向けの惣菜受託製造は、中食需要の高まりから販売先店舗数と取り扱う商品アイテム数が増加し、売上高も大幅に増加しました。
以上の結果、当連結会計年度のセグメント売上高は83億38百万円(前期比7.1%増)、セグメント利益は3億69百万円(前期比40.9%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い、代理人として関与した取引について売上高を純額とした影響などで売上高が2億9百万円減少しております。
(食材宅配事業)
食材宅配事業につきましては、ケアハウスや福祉施設などへの食材販売を行う「ヨシケイキッチン」の契約施設数は順調に増加しました。一方、主力商品である一般家庭向け食材セット「すまいるごはん」につきましては、ポスティングとWeb広告による宣伝活動を行ったものの、感染症対策のため対面による営業活動を控えたことで新規顧客の開拓は伸び悩み、長期化するコロナ禍で拡大傾向の中食需要の影響を受け、売上高は前年を割り込みました。
以上の結果、当連結会計年度のセグメント売上高は46億95百万円(前期比0.8%減)、セグメント利益は1億80百万円(前期比2.9%増)となりました。
(旅館、その他事業)
旅館、その他事業につきましては、政府や自治体による観光需要が喚起されたこともあり、一時的に個人需要はみられたものの、相次ぐ変異株の出現により再び全国的にまん延防止等重点措置が実施されるなど本格的な観光需要の回復には至らず、イベントや会合の自粛に伴い外食需要も減少しました。
以上の結果、当連結会計年度のセグメント売上高は3億34百万円(前期比9.2%増)、セグメント損失は1億2百万円(前期はセグメント損失1億86百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ10億10百万円増加し、34億93百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因につきましては、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は15億58百万円(前連結会計年度は16億61百万円の取得)となりました。
主な増加要因は、税金等調整前当期純利益12億58百万円及び減価償却費9億74百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額7億90百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は10億74百万円(前連結会計年度は9億97百万円の支出)となりました。
主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出9億82百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果取得した資金は5億26百万円(前連結会計年度は12億61百万円の支出)となりました。
主な増加要因は、長期借入れによる収入18億円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出8億96百万円及びリース債務の返済による支出2億17百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日) |
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
スーパーマーケット事業 |
24,445,154 |
0.1 |
業務スーパー事業 |
34,885,389 |
17.6 |
弁当給食事業 |
8,338,954 |
7.1 |
食材宅配事業 |
4,695,934 |
△0.8 |
旅館、その他事業 |
334,846 |
9.2 |
合計 |
72,700,279 |
8.7 |
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しております。
(仕入実績)
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日) |
|
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
スーパーマーケット事業 |
18,837,878 |
1.0 |
業務スーパー事業 |
27,752,124 |
17.2 |
弁当給食事業 |
4,009,653 |
11.7 |
食材宅配事業 |
2,523,883 |
△2.0 |
旅館、その他事業 |
138,938 |
4.4 |
合計 |
53,262,478 |
9.5 |
(注)1 セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
a.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は86億54百万円(前連結会計年度末は67億70百万円)であり、前連結会計年度末より18億83百万円の増加となりました。これは、主に現金及び預金が10億5百万円、売掛金が7億90百万円増加したことによるものであります。
固定資産の残高は127億23百万円(前連結会計年度末は124億47百万円)であり、前連結会計年度末より2億76百万円の増加となりました。これは、主に業務スーパー事業におけるセミセルフレジへの入替、スーパーマーケット事業の店舗移転に伴う建設仮勘定の計上により有形固定資産が1億93百万円増加したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における総資産は213億77百万円(前連結会計年度末は192億17百万円)となり、前連結会計年度末より21億60百万円の増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は85億51百万円(前連結会計年度末は72億32百万円)であり、前連結会計年度末より13億18百万円の増加となりました。これは、主に社債6億円の償還日が1年以内に到来することにより流動資産に振り替えたことと、買掛金が3億16百万円、短期借入金が3億59百万円増加したことによるものであります。
固定負債の残高は39億73百万円(前連結会計年度末は38億50百万円)であり、前連結会計年度末より1億23百万円の増加となりました。これは、主に社債6億円を流動負債に振り替えたことによる減少と、長期借入金が5億54百万円、資産除去債務が85百万円増加したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は125億25百万円(前連結会計年度末は110億83百万円)となり、前連結会計年度末より14億41百万円の増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は88億52百万円(前連結会計年度末は81億34百万円)であり、前連結会計年度末より7億18百万円の増加となりました。これは、主に利益剰余金が6億29百万円増加したことによるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ57億93百万円増加し、727億円(前年同期比8.7%増)となりました。主な要因は、業務スーパー事業において、新規出店や宣伝効果に伴う、来客数の増加によるものであります。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ8億43百万円増加し、168億54百万円(前年同期比5.3%増)となりました。主な要因は、売上高の増加によるものであります。また売上総利益率は0.7ポイント減少し、23.2%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ49百万円減少し、14億18百万円(前年同期比3.4%減)となりました。売上総利益は増加したものの、人件費の増加及び店舗の新設や移転による減価償却費の増加などにより営業利益は減少いたしました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ72百万円減少し、15億15百万円(前年同期比4.6%減)となりました。主な要因は、営業利益の減少によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ59百万円減少し、7億98百万円(前年同期比7.0%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、経営環境の変化に対応するため、資金の流動性を確保することにより安定した財務基盤の維持に努めております。資金需要のうち主なものは、商品の仕入、人件費、販売費及び一般管理費等の事業に係る運転資金に加えて、新規出店や設備の更新等に要する設備投資資金であります。また、当社の事業活動の維持拡大に必要な資金は、主に営業活動により得られた資金によるものですが、安定的な財源確保のため、複数の金融機関から借入による資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度に金融機関より長期借入金として18億円の資金調達を行いました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
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