業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動及び消費活動の制限と緩和が繰り返されるとともに、ウクライナ危機による資源価額の高騰やサプライチェーンの分断等、先行き不透明な状況が続きました。

 このような事業環境の中、当社グループは、2021年11月に新生Oakキャピタルとしての「新経営方針」を公表し、「価値共創企業」をコーポレートスローガンとし、金融事業を中心とした将来の当社グループの成長に資する新たな事業の確立を通じ、強固な経営基盤の構築と新たな価値の創造を目指し、個々の総和を超える価値を生み出すためのイノベーションを進めてまいりました。

 新経営方針では3つの事業領域(「狩猟型ビジネス」「農耕型ビジネス」「開発型ビジネス」)において事業を推進することを定め、特に「開発型ビジネス」は、当社が、中長期的に事業会社の株式を保有し、事業と財務と組織をマネジメントしながら企業価値を高めるビジネスであり、重要な事業戦略と位置付けております。

 この戦略実現のために中核子会社の経営基盤の強化と収益力の向上を図るなど、当社グループの経営目標値である連結売上高250億円、連結純利益20億円、時価総額600億円の早期達成に向けた取り組みに注力してまいりました。

 事業セグメント毎の状況は以下のとおりです。

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。ただし、前連結会計年度のセグメント情報を当連結会計年度の報告セグメントの区分方法により作成した情報については、必要な財務情報を遡って作成することが実務上困難であり、開示を行っていないことから、前期比較の記載は行っておりません。

 

金融事業分野

 スターリング証券株式会社は、コーポレート・ファイナンス、M&A仲介、成長戦略の提案などの投資銀行業務及び投資家向けの投資ファンドの運用を通じ、上場企業の課題解決支援や投資家への投資機会の創出に取り組んでおります。

 しかしながら、投資回収が当初の想定を下回ったことなどにより、売上高2億円、セグメント損失3億87百万円となりました。

 

クリーンエネルギー事業分野

 株式会社ノースエナジーは、自社消費型太陽光発電システム、バイオマス発電、蓄電池システム設備の販売・施工などのクリーンエネルギー分野を成長事業として位置づけ、脱炭素社会の実現に向け社会貢献しております。

 しかしながら、主に自家消費型の太陽光発電設備の販売が計画通り進捗しなかったことなどから、売上高17億74百万円、セグメント損失85百万円となりました。

 

モバイル事業分野

 株式会社ノースエナジーの子会社である株式会社ノースコミュニケーションが携帯ショップの運営及びWi-Fiレンタルサービスを展開しております。

 以上の結果、売上高5億91百万円、セグメント損失6百万円となりました。

 

その他事業分野

 軽井沢のコミュニティFM局「FM軽井沢」、米国ハワイのリゾートゴルフ場「マカニゴルフクラブ」、フランスの最高級カトラリーブランド「クリストフル」など、様々な人の暮らしに役立つ事業分野を展開しております。引き続き、投資テーマに沿った成長分野に着目し積極的に事業展開しております。

 以上の結果、売上高44百万円、セグメント損失12百万円となりました。

 

 その結果、当連結会計年度の連結業績は営業収益(売上高)26億11百万円(前期比52.8%減)、営業損失は10億34百万円(前期は営業損失7億6百万円)となりました。経常損失は9億69百万円(前期は経常損失7億80百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損失は16億63百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失9億51百万円)となりました。

 

 

(重要経営指標)

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

売上高(千円)

5,531,707

2,611,996

営業損益(△は損失)(千円)

△706,921

△1,034,343

親会社株主に帰属する当期純損益(△は損失)(千円)

△951,190

△1,663,605

総資産(千円)

7,752,638

7,361,417

純資産(千円)

4,968,722

4,155,252

投資収益率(%)

6.17

自己資本比率(%)

61.51

54.77

1株当たり当期純損益(△は損失)(円)

△17.73

△29.62

1株当たり配当額(円)

従業員1人当たり営業損益(△は損失)

(千円)

△8,220

△14,169

従業員数(人)

86

73

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前期末と比べ、2億88百万円減少し19億56百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、11億89百万円のキャッシュ・アウトフローとなりました。その主な要因は、税金等調整前当期純損失の計上によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、1億85百万円のキャッシュ・アウトフローとなりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、10億82百万円のキャッシュ・インフローとなりました。その主な要因は、新株予約権の行使による株式の発行による収入によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

ⅰ 生産実績

 生産実績に重要性がないため、記載を省略しております。

 

ⅱ 受注実績

 受注実績に重要性がないため、記載を省略しております。

 

ⅲ 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

金融事業(千円)

200,989

クリーンエネルギー事業(千円)

1,774,521

モバイル事業(千円)

591,492

 報告セグメント計(千円)

2,567,002

その他(千円)

44,993

合計(千円)

2,611,996

47.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更したため、各セグメントの前年同期比(%)については、記載しておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の当社グループの経営成績は、営業収益(売上高)26億11百万円(前期比52.8%減)、営業損失は10億34百万円(前期は営業損失7億6百万円)となりました。経常損失は9億69百万円(前期は経常損失7億80百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損失は16億63百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失9億51百万円)となりました。

 なお、経営方針、経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループの事業特性上、株式市場の変動要因による経営成績等に与える影響が極めて大きく、将来に関する合理的な目標設定は困難であることから定めておりません。

ⅰ 売上高及び売上総利益の分析

 当連結会計年度の売上高は26億11百万円(前期比52.8%減)、売上総利益は4億71百万円(前期比55.8%減)となりました。金融事業における投資回収及びクリーンエネルギー事業における自家消費型の太陽光発電設備の販売など計画通りに進捗しなかったことなどから大幅に減少いたしました。

ⅱ 販売費及び一般管理費の分析

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は15億5百万円(前期比15.1%減)となりました。販売費及び一般管理費が減少した主な要因は、当社及びグループ各社において、合理化を進めたことによるものであります。

ⅲ 営業外損益及び特別損益の分析

 当連結会計年度の営業外収益は3億20百万円、営業外費用は2億56百万円となりました。営業外収益は主に受取利息及び為替差益であり、為替差益については当期末にかけて円安米ドル高が進行したことにより大幅に増加しております。営業外費用は主に持分法による投資損失であり、米国ハワイ州に保有する資産の売却交渉の進展に伴い、同社の投資簿価を売却見込額まで減額したことによるものであります。
 当連結会計年度の特別利益は1百万円、特別損失は7億52百万円となりました。特別利益は固定資産売却益であります。特別損失は主に役員退職慰労金及び減損損失であり、減損損失については、主に当社の連結子会社であるスターリング証券株式会社について、同社取得時に想定していた収益が見込めなくなったことから、同社に係るのれん及び同社が有する固定資産の未償却残高全額を減損したことによるものであります。

ⅳ 当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況

 当連結会計年度末の総資産につきましては、前期末と比べ、3億91百万円減少し73億61百万円となりました。減少した主な要因は、のれん及び投資有価証券の減少によるものであり、上記「ⅲ 営業外損益及び特別損益の分析」に記載のとおり、減損損失及び持分法による投資損失を計上したことによるものであります。負債につきましては、前期末と比べ、4億22百万円増加し32億6百万円となりました。減少した主な要因は、借入金の純増及び株主優待引当金の計上によるものであります。純資産につきましては、前期末と比べ、8億13百万円減少し41億55百万円となりました。減少した主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上が新株予約権の行使による資本金及び資本剰余金の増加を上回ったためであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

ⅰ キャッシュ・フローの状況

 「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

ⅱ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、投資先の企業価値向上を目的とした営業投資有価証券の取得費用のほか販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

 これらの資金は基本的に自己資金によっておりますが、必要に応じて社債や新株予約権の発行により資金を調達することとしております。また、株式会社ノースエナジーにおいては、自己資金の他、設備投資等の長期の資金需要に対しては金融機関からの長期の借入及び社債発行にて調達しており、短期的な資金需要に対しては主に金融機関からの短期の借入にて調達しております。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は19億56百万円となりました。

 

③ 重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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